• "権原"(/)
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  1. 岐阜県議会 1992-12-01
    12月09日-02号


    取得元: 岐阜県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    平成 4年 12月 定例会(第5回) △議事日程                   平成四年十二月九日(水)午前十時開議 第 一  議第九十三号から議第百十八号まで 第 二  平成三年度決算の認定について 第 三  請願第十六号から請願第二十号まで 第 四  一般質問     ……………………………………………………………………… △本日の会議に付した事件  一  日程第一  議第九十三号から議第百十八号まで 一  日程第二  平成三年度決算の認定について 一  日程第三  請願第十六号から請願第二十号まで 一  日程第四  一般質問          ………………………………………………… △出席議員             五十二人 一  番    小川昭夫君 二  番    尾藤義昭君 三  番    早川捷也君 五  番    玉田和浩君 六  番    加藤一夫君 七  番    伊佐地金嗣君 八  番    中村 慈君 九  番    菅沼 武君 十  番    平野恭弘君 十一 番    岡田 脩君 十二 番    河合正智君 十三 番    近松武弘君 十四 番    渡辺儀造君 十五 番    高井節夫君 十六 番    水野正夫君 十七 番    岩井豊太郎君 十八 番    渡辺信行君 十九 番    小川 豊君 二十 番    安藤通廣君 二十一番    伊藤延秀君 二十二番    小山興治君 二十三番    山田 桂君 二十四番    森  真君 二十五番    山下運平君 二十六番    山口三男君 二十七番    山田忠雄君 二十八番    宮嶋和弘君 二十九番    杉山友一君 三十 番    白橋国弘君 三十一番    田口淳二君 三十二番    片桐義之君 三十三番    馬渕武臣君 三十四番    竹ノ内信三君 三十五番    加藤利徳君 三十六番    殿地 昇君 三十七番    中本貞実君 三十八番    高田藤市君 三十九番    松野幸昭君 四十 番    坂 志郎君 四十一番    笠原潤一君 四十三番    岩崎昭弥君 四十四番    新藤秀逸君 四十五番    古川利雄君 四十六番    今井田 清君 四十七番    浅野庄一君 四十八番    猫田 孝君 四十九番    船戸行雄君 五十 番    酒井公雄君 五十一番    木村 建君 五十二番    青山正吾君 五十三番    米野義久君 五十四番    松永清蔵君          …………………………………………………… △職務のため出席した事務局職員の職氏名  事務局長         渡部 忠 事務局次長        小川康治 議事調査課長       桑原 保 議事調査課総括課長補佐  近藤良一 同      課長補佐  高橋壽郎 同      課長補佐  福田照行 同      課長補佐  高木賢一 同      課長補佐  田中長雄 同      課長補佐  須原久博 同      課長補佐  多田信幸 同      主査    阿部 繁 同      主査    田代信司 同      主任    田辺敬雄 同      主事    向井俊貴          …………………………………………………… △説明のため出席した者の職氏名  知事              梶原 拓君 副知事             岩崎忠夫君 出納長             永倉八郎君 総務部長            桑田宜典君 知事室長心得兼総務部次長    服部靖嗣君 イベント推進局長兼総務部次長  毛利秋生君 総務部次長           白木 昇君 企画部長            交告正彦君 企画部次長           山本徳治君 民生部長            細井日出男君 民生部次長           片岡希夫君 衛生環境部長          井口恒男君 衛生環境部次長         交田公也君 商工労働部長          藤田幸也君 商工労働部次長         服部和良君 商工労働部次長         小関晟次君 農政部長            打田穂積君 農政部次長           奥村恒雄君 林政部長            竹中寿一君 林政部次長           日置敏明君 土木部長            山岸俊之君 土木部都市住宅局長       城原 徹君 土木部次長           林 正隆君 土木部次長兼都市住宅局次長   岡安賢二君 開発企業局長          岩垣儀一君 開発企業局次長         久保田信司君 副出納長兼出納事務局長     牛田 匡君 選挙管理委員会委員長      宮川晴男君 人事委員会事務局長       青木栄治君 代表監査委員          飯田正樹君 監査委員事務局長        中島貞夫君 地方労働委員会事務局長     服部守男君 教育委員会委員長        籠橋久衛君 教育長             澤田 確君 教育次長            高井正文君 教育委員会管理部長       三村洋史君 警察本部長           倉澤豊哲君 警察本部総務室長        水野忠義君 △十二月九日午前十時十一分開議 ○議長(今井田清君) ただいまから本日の会議を開きます。         ……………………………………………………… ○議長(今井田清君) 諸般の報告をいたします。 書記に朗読をさせます。    (書記朗読) 請願書の受理について 請願第十六号 森林、林業、林産業の活性化についてほか四件の請願書を受理しました。 職員に関する条例の改正に対する意見について 人事委員会委員長から、十二月八日付をもって、議第百号 岐阜県職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例については、適当と認める旨の報告がありました。         ……………………………………………………… ○議長(今井田清君) 日程第一から日程第三までを一括して議題といたします。         ……………………………………………………… ○議長(今井田清君) 日程第四 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。 発言の通告がありますので順次発言を許します。四十一番 笠原潤一君。   〔四十一番 笠原潤一君登壇〕(拍手) ◆四十一番(笠原潤一君) 県政自民クラブを代表して、当面する県政の重要な課題につきまして、知事並びに関係部長にお尋ねいたします。 まず最初に、新年度の予算編成方針につきまして、知事にお尋ねをいたします。 我が国の経済情勢は依然として景気の低迷が続く中で、現在、国においては、新年度予算の編成作業が年末の大蔵内示に向けて進めれております。本年度の補正予算では税収が五兆円弱減額補正されたところであり、新年度の税収も本年度を下回る可能性が高いとの見方もあり、国の予算編成の環境は厳しいものがあります。加えて地方交付税の総額確保や国庫補助率の抜本的見直しなど問題が論議されている状況の中で、地方財源対策も例年になく厳しいものになると予測されます。一方、本県財政については、さきの九月補正予算で思い切った景気対策予算を計上され、さらに今回の補正において債務負担行為の追加を図られるなど景気対策に十分な配慮をされており、我々もその効果に大いに期待を寄せているところであります。現在編成作業が進められております県の新年度予算では、国の厳しい財政事情に加え県税収入の確保の厳しさといった財源事情のもとで、今後の景気動向に対応した施策や、県民の期待にこたえる夢のある戦略性に富んだ夢そだて施策の実施など、増大する財政需要に対処しなければならないと存じます。このためには、これまで以上に施策に対する厳しい取捨選択の目が必要になってくると思われますが、どのような方針で新年度予算に取り組んでいかれるのか、知事の御所見を伺いたいと思います。 次いで、県税収入の見通しについて、総務部長にお尋ねをいたします。 我が国における昨今の景気動向は、新聞報道によりますと、住宅建設が回復軌道をとり始め、また鉄鋼や石油化学業界など、減産による在庫調整が進んでいる業種も一部には出てきたようであります。しかしながら、産業界全体を見渡しますと、景気後退による個人消費の落ち込みは依然深刻であり、大手企業の九月中間決算状況を見ましても、基幹産業である電機並びに自動車製造業の販売不振や百貨店の売上高の大幅下落等によりまして、第一次石油ショック直後の昭和五十年以来、実に十七年ぶりに前年比三割を超える大幅減益となっており、来年三月期も収益回復は見込めず、戦後初の三期連続減益となる見通しが支配的になりつつあります。このような厳しい経済情勢のもとで、国においては、法人税が当初予算を三兆一千億円下回り所得税も減収になるとして、国税全体で四兆九千億円の減額が補正されたところであります。そこで、本県の平成四年度の県税収入について、その確保は大丈夫であるのかお尋ねをいたします。 次に、県経済のレベルアップについてお尋ねをいたします。 戦後、我が国の経済は、目覚ましい発展によりその経済力は世界で最高水準のレベルに達しているところであり、物質面での豊かさは、他に例を見ないほど急速な向上を遂げてきたところであります。しかしながら、その割にはいまだ本当の豊かさが実感できないなどの意見が多く、また、総理府の実施した国民生活に関する世論調査に見られるように、今後のライフスタイルについても、多くの人々が物の豊かさよりも心の豊かさを志向する方向にあるなど、経済的側面を優先する社会経済システムの見直しが指摘されているところでもあります。本県においても、平成四年度の県政世論調査において、レジャー等に力点を置く割合が大幅に増加をしており、また、豊かさの実感できる生活に関する質問項目について、経済的な側面よりも精神的、時間的な豊かさを重視する結果となっております。知事は、こうした県民意識の変化を的確にとらえて、岐阜県二十一世紀ビジョンや夢そだてカレンダーの策定を初め、常に時代を先取りされる県政を推進され、二十一世紀に向かって県民一人ひとりがゆとりを持って生活を楽しむことのできる地域社会づくりに向けて鋭意御努力をされておられるところであります。このため、当面実施すべき課題としては、高速道路等交通体系の整備や産業の振興など、ゆとりを生み出す源泉づくりにもこれまで以上に重点的かつ計画的に進められておると信じております。 私も、知事が考えておられるように、県民の方々が、スポーツや文化などゆとりを持って楽しむことのできるなど、本当に豊かな地域社会を築いていきたいと願う一人でありますが、しかしながら、そのためには、まず何よりもその前提条件として、経済基盤の強化、県民所得の一層の向上が図られるべきものと考えるところであります。本県の経済力については、これまで着実な成長を遂げてきたところでありますが、元年度では、県内総生産額では全国第二十一位、県民所得総額では全国十九位となっており、本県の平成二年国勢調査による人口規模全国順位十八位と比べて、残念ながら若干低い順位となっております。また、一人当たりの県民所得では二十三位となっております。ちなみにお隣の愛知県は、人口規模で本県の三・二倍でありますが、県内総生産額では四・六倍、特に工業出荷額においては六・五倍となっており、工業生産規模に大きな開きがあります。また、県民所得総額では本県の三・九倍でもあります。一人当たりの県民所得については、本県が二百四十九万五千円に対し、愛知県は何と三百万二千円と、本当に大きな開きがあります。格差があるわけであります。私は、この際、県民所得の一層の向上を図り、豊かな岐阜県を築き県民が十分に生活を楽しむことのできるようにするためには、産業経済に関する明確な目標を設定するとともに、本県の産業、特に商工業の今後の振興方策や、関連するインフラストラクチャーの整備の方針を明らかにして、本県経済力の確実なレベルアップを図っていくことが必要と考えられますが、知事の御所見を伺います。 次に、ミニ新幹線方式を中心とした在来線の整備方策についてお尋ねをいたします。 在来線から新幹線に直通列車が乗り入れる全国初のミニ新幹線、山形新幹線が本年七月一日に開業いたしましたことは、皆様御周知の事実であります。この山形新幹線の開通により東京--山形間は約二時間三十分と、従来の新幹線と特急の乗り継ぎに比べ最速で四十二分所要時間が短縮されたところであります。これによりまして、山形県では、県外からの観光客が前年度に比べ約一割アップするだろうと予測されており、地域の活性化にとって大変大きなインパクトを与えております。さて、ミニ新幹線とは、在来線のレール幅一メートル六・七センチを新幹線と同じ規格の一メートル四十三・五センチとして、両線を走行するため、車輪の幅は広げるが、在来線のトンネルやプラットホームをそのまま使用できるよう、車体を在来特急と同規格とした新車両を製作して、在来線から既存の新幹線に直接乗り入れができるようにしたものであり、線路幅の違いは在来線にレールを一本増設することで解決するという方式であります。したがいまして、技術的には決して難しい方式ではありません。しかも、新線の建設に比べて、基本的には用地買収の必要がないことから、格段に安い費用で実現が可能であるため、これからの鉄道ネットワークの整備において極めて有効な手段として、既に着工している秋田新幹線、東北新幹線の盛岡以北でもミニ新幹線方式が取り入れられるなど、全国的にも注目されているところであります。そこで、本県においても東海道本線及び高山本線をミニ新幹線化して東海道新幹線に乗り入れ、岐阜、大垣から東京、高山から東京、あるいは高山から大阪を直通列車で結ぶことを提案したいのであります。 東海道本線、高山本線のミニ新幹線化に伴うメリットは、東京、大阪方面からの観光客が大きく増加することと、東京圏、関西圏などの情報が得られやすくなるなど、経済活動の範囲が広がることなどが挙げられ、本県の活性化にとって極めて大きな要因となることは間違いありません。二十一世紀にはリニア中央新幹線とミニ新幹線が本県の鉄道ネットワークの骨格を構成するものと確信をいたします。さらに、ミニ新幹線構想と並びまして、ダイヤの改善やスピードアップによる所要時間の短縮を図ることは、地域活性化の上で極めて実効性の高い方策ではないかと思うのであります。特に本県における東西軸の強化として、東海環状鉄道整備構想による岐阜--美濃太田--多治見間の直通列車の増発、さらには大垣方面から中津川方面への直通列車の運行範囲を拡大していくとともに、今後一層のスピードアップ化を図っていくことが必要であります。 また、これら在来線の整備強化は、県内ばかりでなく、県外をも視野に入れて考えていくことが重要であります。例えば、現在高山本線においては、JR西日本の急行「たかやま」が大阪--古川間を毎日一往復運行しておりますが、車両が古く、大阪--高山間約三百キロメートルを五時間もかけて走っております。これでは関西方面からのお客さんをふやすことはできません。高山、下呂への観光客数は平成三年度で約五百万人でありますが、このうち関東からの観光客は一八%、関西からはわずか一五%にすぎません。一方で、山代、片山津等の温泉で知られる石川県の加賀地域は、大阪からの距離では下呂温泉とさほど変わりはありませんが、年間約七百五十万人もの観光客があり、このうち二五%に当たる百九十万人が関西からの入り込み客となっております。これは、大阪からの直通の特急列車でわずか二時間二十分で結ばれていることが大きく影響をしていると思われます。飛騨地域は、「ワイドビューひだ」の導入により名古屋からは最速で二時間九分と大変近くなりましたので、今後は、大阪方面から交通利便性を考え、現行車両を新型の高性能車両に更新し、所要時間を短縮するとともに大幅な増便を図ることが必要であると思うのであります。このようなミニ新幹線を中心とした在来線の整備強化方策等について、県としてどのように考えておられるのか、企画部長にお尋ねをいたすものであります。 次に、一人親家庭養育支援体制について、民生部長にお尋ねいたします。 近年、出生率の低下、婦人の就労、核家族など、児童を取り巻く環境は大きく変化をいたしております。こうした中で、女性の意識も、既存の家族感にとらわれず個人の幸せを追求する傾向が強く、結婚しない人、あるいは結婚しても子供を持たない夫婦や未婚の母など、さまざまな家族形態が見られているところであります。また平成二年度の県下の離婚率を見てみましても、人口千人当たり〇・九七%、件数にして一千九百九十四件、ちなみに我が国では一・二八%、本県の離婚率に比べ高い数値を示しております。先日ある新聞の投書欄に小さな子供を持つ若い母親の意見が掲載されました。かいつまんで御紹介いたしますと、「二十三歳の女手一つで子供を育てることは、人の十倍も頑張らないとやっていけません。子供が熱を出して仕事を休み看病しているときなど、たまらなく不安になります。相談する人もなく、人に話しても同じ境遇の人でないので、本当にわかってもらえない。肉体的にも精神的にも疲れを感じます。子供の笑顔を見るときだけが唯一救われるときです」というような内容でありました。このように、母子家庭等一人親家庭は、どこの家庭においても日々不安な生活を余儀なくされているということが、この投書からうかがい知ることができます。県におかれましては、現在、各種福祉事務所等に設置される母子相談員や家庭相談員による相談や、家庭で養育できない子供につきましては、去年から養護施設で実施されております家庭養育支援事業、従来からの入所保護などをやっておられるところでありますが、この投書にありますように、一人親が例えば病気で倒れた場合などにはどのような対応がなされているのか、また、いかに拡充強化していかれるのか等を含めて、一人親家庭に対する支援策の現状と今後の対応策についてお尋ねをいたします。 次に、岐阜県の水道整備について、衛生環境部長にお尋ねをいたします。 水は、電気、ガスとともに人間生活に不可欠なものであり、県民が健康で快適な生活をするために水道整備はますます重要になってきております。本県の水道普及率については、平成三年三月末現在で九〇・八%であり、これは全国平均九四・七%に対し三・九ポイント下回り、いまだ十九万人余りの人々が水道の恩恵に浴しておりません。これら未普及地域のほとんどが建設条件の極めて悪い山間僻地にあり、そこに住む人々はいまだに谷水や井戸水等を利用いたしております。特に近年は、地域開発の進展に伴い谷水等の水質が汚濁したり、産業生活様式の高度化、多様化に伴い、多種多様な化学物質による地下水汚染も懸念されておりますので、水道未普及地域の解消を含め、清浄にして豊富、清廉な水を安定供給していくための水道施設の整備は、日本一住みよい岐阜県を目指す上でも、あらゆる生活環境の中で最優先すべき事業ではないかと思います。また、最近の生活水準の向上とか都市化の急速な進展に伴い、人口が急増しているところも見受けられ、一部地域では水需給のアンバランスを生ずることが予想されますが、水道施設の整備計画及び将来の水需給の見通しについて、県の基本方針はどのようになっているのかお伺いをいたします。 次に、水道水質基準の見直しについては、今月二日の新聞で、水道水質検査項目大幅強化改正と大きく報道されたところであります。現在、世界保健機関--WHOにおいて現行の飲料水水質ガイドラインを大幅に改定する作業を進めており、アメリカ環境保護庁においても、同様に飲料水水質基準の見直し作業を進めていると聞いております。このような社会情勢のもとで、厚生省においても、今後の水質基準制度のあり方を含めて現在具体的な検討が進められております。この水質基準改正の検討の中で、水質基準項目数の大幅な増加と、農薬等の高度な分析技術を必要とする物質、さらにおいしい水など質の高い水を供給するための快適水質項目も基準に含まれる模様でありますが、これに対応するため、県は、検査体制の整備等についてどのように対応していかれるのか、以上二点についてお伺いをいたします。 次に、二十一世紀に向けた商工会、商工会議所の機能強化についてお尋ねいたします。 御承知のとおり、本県の事業所の中で中小企業は何と九九%以上を占め、本県経済の根幹を担っております。特に従業者数が、工業で二十人以下、商業で五人以下のいわゆる小規模企業は九〇%近くを占め、本県産業、経済活動の全般にわたってその基盤をなす重要な地位を占めており、県経済の発展を大きく左右していると言っても過言ではありません。中小企業、とりわけ小規模企業の指導育成は、我が国産業経済の発展のために欠くことのできないことであると認識した上で、昭和三十五年、商工会法が制定されて以来三十有余年、商工会、商工会議所を通じて各種の施策が講じられてきました。すなわち、中小企業の体質強化を主眼に、個別企業を対象とした近代的経営管理手法の普及、資金調達の円滑化、各種制度の周知、利用促進のための普及活動を主な内容として推進されてまいりました。 しかしながら、本県の中小企業の実態については、製造業の従業員一人当たりの製造品出荷額を見ますと、大企業との格差が依然として大きく、事業所数の増加率も減少傾向にあり、中小企業の新規創業、新分野への進出もますます困難になってきております。商工会、商工会議所は、さきに述べましたように、中小企業対策の主要な担い手として、主として個別企業を対象とした経営改善普及事業を実施され大きな成果を上げられました。しかし、社会経済環境の変化に伴い、中小企業の商工会等に対する期待も大きく変化してきております。すなわち、中小企業の自立的発展のためには、町づくり、村づくりといった地域経済活性化地域福祉向上等のための地域振興施策を初め、新規創業を促進、支援するための共同工場の設置、店舗の集団化事業等の実施についても、新たに商工会、商工会議所の機能として求められているところであります。中小企業は、地域の企業の大宗を占めており、今後地域振興を重視した対策が重要であると考えます。したがって、二十一世紀に向けて、商工会、商工会議所が地域振興機能を強化すること、地域を活性化させるための起爆剤としての役割を果たすことが強く要求されるようになってきたわけであります。そのため、国においても、商工会、商工会議所の従来の役割、機能を見直すなど、中小企業対策の強化について検討が行われていると聞いておりますが、この点について、県当局のお考え、取り組みについて、商工労働部長にお尋ねをいたします。 次に、農業の国際化についてお尋ねをいたします。 知事は、去る十月にスペインのマドリードで開催されたコロンブス五百年記念シンポジウムにおいて草の根世界都市連合を提唱されるなど、日ごろから国と国との境を越えた草の根交流の促進を強調しておられますが、私も全く同感であります。御承知のように、二十一世紀に向けた大きな時代の潮流は、情報化、国際化、高齢化などであると言われておりますが、国際化はその中の一つとして国民生活に大きな影響を及ぼしつつあります。そこで、私は、昭和三十一年にアメリカで体験した農業研修や、岐阜県国際農業者交流協会の会長として農業者の国際交流に携わってまいりました経験を踏まえまして、農業の国際化について私の所見を述べてみたいと思います。 農業の国際化に対応していくためのポイントは、二つの点があると考えております。 まず第一点は、国際感覚豊かな人づくりであります。 私が携わってまいりました県国際農業者交流協会では、今日までに百六十名余りの青年を海外農業研修に送り出してまいりました。その中から本県農業を担うすぐれた農業者が数多く育っておりまして、海外での農業体験が彼らの国際感覚や経営感覚の醸成にいかに大きな役割を果たしたかということがうかがえます。国際化がますます進行しつつある今日、これまでに増して海外農業を学ぶ機会を設け、国際感覚豊かな農業経営者や農業指導者を養成していかなければならないと考えているものであります。 第二点は、農業を通じた国際交流の推進であります。 来る二十一世紀は共生の時代であると言われておりますが、共生とは、人と人とが理解し合い、支え合う協調の精神を基本にして成り立つものであります。農業についても同様でありまして、国と国との境を越えて農業関係者が相互に理解を深め合うことが共生の第一歩であります。ひいては二十一世紀に向かって共生の地球を創造することにも貢献するものであります。このような観点から、現在、環太平洋連帯交流プランの一環として県が進めておられるオーストラリアとの農業交流はまことに意義深いものであります。大いに進めてもらいたいと考えております。また、オーストラリアに限らず広く諸外国との交流を促進されることを願うものであります。 以上の二点を推進することが、ひいては岐阜県の農業農村の活性化にもつながるものと確信する次第であります。そこで、県では、進みゆく農業の国際化に対応してどのような対策を講じようとしておられるのか、農政部長の所見をお尋ねいたします。 次に、都市住民の森林利用について、林政部長にお尋ねをいたします。 私たちは、水道の蛇口をひねると水が出るという便利な都市生活を営んでいます。その水の源は森林にあります。森林に蓄えられた雨水が徐々に流れ出し、谷となり川となって流れ、浄水場、水道管を経て私たちの家庭に届いているわけであります。豊かな森林があればおのずから豊かに水が流れ、森林が荒廃すると水不足等さまざまな問題が起こり都市住民の生活に影響を与えることは、過去の実績が証明しているところであります。都市生活と森林は、一見すると余り関係がないように思われますが、水一つをとってみても、森林と都市生活とは密接不可分の関係にあります。今、森林は林業の採算性の悪化、山村の過疎化、高齢化等により森林管理の担い手が減少して手入れ不足の森林が増加し、憂慮すべき状態にあると言われております。森林の問題は、単に山村住民のみの問題ではなく、都市住民もともに考えていかなければならない問題であります。まず、都市住民に、森林の働き、森林と都市との関係、森林の現状等に対する理解を深めてもらうことが大切であります。そのためには、都市住民が森林内に入り森林の持つさまざまな働きを身をもって実感してもらう必要があります。 私は、過日、岐阜市に開設される公益生活環境保全林の起工式に出席いたしましたが、この保全林は、三田洞や加野の住宅団地等に近接しており、都市住民が手軽に森林に入り森林浴等を楽しむとともに、森林の公益的な働きを実感できる施設として大いに期待できるものであります。奥地の森林にもこのような施設を整備することも大切でありますが、幸い本県の都市地域にはまだまだ森林が多く残っております。こうした身近にある森林を都市住民が容易に出入りできるようにして整備して、森林を楽しむとともに森林の大切さを理解してもらうことが効果的な方法だと思います。気軽に入れる森林の整備にもっと力を入れる必要があると思います。 ところで、県は、各地に県民休養林や生活環境保全林等を設置して、森林の大切さを啓発するとともに、憩いの場を提供しており、多くの人々が訪れております。しかし、今の子供たちは、森林内での遊び方や森林とのつき合い方を余り知らないように思います。私どもの子供のころは友だちと遊ぶ中で自然に身につけたものであり、こうした中で森林の大切さをも学んでまいりました。都市化が進んだ現在では、そのようなことは期待できない状況であります。したがいまして、せっかくつくりましたすばらしい施設を有効に利用してもらうためには、各施設の内容に合った利用ソフトを整備して、訪れた人たちが楽しく利用できるようにする必要があると思います。 そこで、第一点は、森林の荒廃が憂慮されている今日、都市の生活が森林によって守られていることをもっと都市住民に理解を求める必要があると思いますが、どのようなことを実施しておられるのか。第二点は、そのために、例えば住宅団地の周辺森林を整備して都市住民に森林の公益的機能を身近なものとして体験できるようにする必要があると思いますが、どうでしょうか。第三点は、県は各地に森林利用施設を整備しておられますが、それを十分に利用してもらうためには、利用ソフトをもっと実施する必要があると思いますが、どうでしょうか。以上、三点についてお尋ねいたします。 次に、土木部長にお尋ねをいたします。 岐阜駅前の開発について、去る十一月二十九日には、岐阜市民の長年の悲願であった岐阜駅周辺連続立体交差事業の一期工事が完了し、東海道本線の下り線及び高山本線の一部が高架切りかえされました。これはまことに喜ばしい限りであります。関係者の御労苦に対し地元民の一人として衷心より感謝を申し上げます。今後引き続き事業を実施し、平成七年度には全線の高架切りかえ、平成八年度には新駅舎を開業し、平成十年度ごろには全事業を完成すると聞いております。このように連続立体交差事業自体は順調に進捗しておりますが、この事業は、単に鉄道を上げるだけでとどまってよいのではありません。連続立体交差事業にあわせて駅前広場や街路を整備し、踏切の解消による事故防止や交通渋滞の解消を図るとともに、高架下の有効利用、駅周辺の都市再開発、鉄道跡地等を核とした新都市拠点の整備など、周辺市街地の都市開発を行うことが必要であります。岐阜駅周辺を見ると、昭和三十四年に岐阜駅が完成して以来、その整備は手つかずのままで、県民からの夢登録を見ても、県民の駅周辺整備を望む声は非常に高いものがあります。連続立体交差事業が進捗している今こそ、岐阜駅周辺を都市開発して、戦後最大の都市改造を目指すチャンス、機会であろうと考えます。連続立体交差事業に伴う岐阜駅周辺の都市開発は、どういうふうにして進められておるのでしょうか。残念ながら、岐阜駅周辺の都市開発は順調に進んでいるとは言えません。例えば、本年春には岐阜駅西地区の市街再開発事業のテナント事業者が、経済状況の悪化等を理由として、御承知のように撤退いたしました。このように、岐阜駅周辺の整備がおくれていることも、新しく他の都市に負けない都市開発を行う余地があるという利点として、今後積極的な都市開発を進めるべきであると思います。ただし、現在は、いわゆるバブル経済が破綻し景気が低迷して、民間企業は投資に極めて消極的になっております。しかし、このようなときこそ、むしろ行政側が岐阜のすぐれた資源である豊かな水や緑を生かしつつ、街路、駅前広場の都市基盤整備を積極的にイメージアップし整備し、すばらしい岐阜のイメージアップを図ることにより民間投資を私は誘導することが必要であると思い、またできると考えております。そこで、まず、駅前広場を初めとする都市基盤施設の整備及びその計画、進捗状況はどのようになっているのかお尋ねをいたします。 次に、民間投資の誘導という点でありますが、現在の状況を踏まえれば、地権者が本当に限られ、権利関係が明確であって事業実施が容易な地区において、行政側が積極的に関与する官民協力事業が私は最も今有望な事業方式と考えます。この意味では、連続立体交差事業に伴う貨物駅移転により生じた香蘭地区は、大部分の用地が岐阜市または国鉄清算事業団が所有しているとともに、行政側が土地区画整理事業により先行的に基盤整備をすることから、今後活発な民間投資活動が予想されまして、県都の岐阜市の駅周辺整備の起爆剤となることが強く期待されているところであります。したがいまして、香蘭地区の利用計画について、昭和六十二年度に新都市拠点整備事業調査等により具体的な検討が始まり、現在は、産業開発センター、ファッションスクエア、アメニティーゾーンを核地区として開発する計画を岐阜市が中心となって立てております。さらに、本年度においては、国において都市拠点総合整備事業の新規事業地区にも採択されているところでありまして、私は、そこで、今後の特に発展が期待されるこの香蘭地区における都市基盤整備や拠点開発に向けての整備方針や進捗状況について、県はどのように考えておられるか、あわせてお尋ねをいたすところであります。 次に、第十一次道路整備五箇年計画についてお伺いをいたします。 道路は、活力と魅力ある地域社会の形成を図り、日本一住みよいふるさと岐阜を実現する上で最も重要な役割を果たす社会資本の一つであり、その整備に当たっては計画的に進められることが重要であります。しかるに岐阜県の道路の現状を見ますと、その整備水準は全国的にも今なお質、量ともに不十分な状況にあります。また、各種県民世論調査においても、道路整備に対する県民の期待は極めて大きく、今後とも道路の整備に積極的に取り組んでいく必要があると考えております。第十一次の道路整備五箇年計画では、将来の生活大国、ゆとりある社会を目指し、生活者の豊かさを支える道路整備、活力ある地域づくりのため、そのための道路整備、良好な環境を創造するための道路整備を進めていくことが大事であろうと思っております。また、平成四年度の県政の重点・点検項目の一つである道路整備の指針となる二十一世紀道路ビジョンの策定や、中部新国際空港や高規格幹線道路の進捗に合わせた県内交通体系の計画を策定する上で、この新五箇年計画は重要な役割を果たすと思われます。このため、平成五年度を初年度とする第十一次道路整備五箇年計画の総投資額七十六兆円を満額確保し、計画の確実な実行を図るために、所要の道路特定財源を充実強化することが必要と考えております。そこで、第十一次道路整備五箇年計画について、知事にお考えをお伺いいたします。 次に、岐阜県の住宅政策について、二点ほど土木部長にお尋ねいたします。 一点目は、今年六月に作成された新しい経済計画「生活大国五カ年計画」に関連した県の施策等についてであります。 この計画では、国民生活の最も重要な基盤となります住生活の充実を図ることが生活大国を築く上で最も重要な課題の一つであると位置づけております。特に大都市圏では中堅勤労者の住宅取得が困難となっているところから、勤労者世帯の平均年収の五倍程度を目安に、良質な住宅の取得が可能となることを目指して住宅対策等の諸施策の充実を図ることが提言されております。日本一住みよいふるさとづくりを目指している岐阜県にあって、持ち家取得の推進は重要な施策の一つと考えられるところでありますが、本県の持ち家率は、住宅統計調査によれば、昭和五十八年は七七・五%で全国八位、昭和六十三年度は七五・八%で全国九位と、全国でも上位に位置しておりますが、年々持ち家率は低下している状況であり、一方、土地の価格はバブル経済の崩壊とともに大都市圏を中心に下落傾向にあるとは言え、まだ高値の状況であります。そこでお尋ねいたしますが、国の新経済五カ年計画の目指す平均年収五倍程度の住宅取得と比較して、本県の勤労者世帯における年収と住宅価格との関係はどのようになっているのか、また、持ち家推進対策をどのように推し進めておられるか、お考えをお尋ねいたす次第であります。 二点目にお尋ねしたいのは、若年層の定着を図る、そのための住宅政策であります。 平成二年度の国勢調査によれば、本県で人口が減少した市町村の数は五十九にも上ります。今も岐阜市を初めそうでありますが、前回の調査に比べ九市町村も多くなっております。特に人口の停滞が続いております県都岐阜市では、今回初めて減少に転じておりますが、また女性の数を百とした場合の男性の数の割合を見ましても、県平均で三十歳から三十九歳までが九六・一%であるのに対して、二十歳から二十九歳までの方々が九一・〇%となっており、二十代の男子の割合が特に低く、大学進学、就職などにより若年男子の県外流出が余りにも目立っていることをこれはあらわしております。岐阜市においては、二十代男子が八七・七%と、さらに若年男子の割合が低くなっております。このように、都市、農山村を問わず若年層の定着が、県政の私は重要な大きな課題となっておると思います。県内の各地域の振興、活性化を図るには、若年層が、若い人たちが地域に定住することが必要であります。そのためには、若者に魅力ある町づくりのための総合的な施策が必要であると思いますが、とりわけ若い人たちに見合った住宅を積極的に供給することが必要であると考えております。そこで、このような若い皆さん方向けの住宅の供給について、県ではどのような政策を講じておられるか、また考えておられるのかお尋ねをいたします。 次に、道路網整備についてお尋ねをいたします。 本県においては、近年、増大を続ける自動車交通需要に対して、現在供用している中央、名神の両高速道路及び一部供用している東海北陸自動車道のほかに、東海環状自動車道及び中部縦貫自動車道など各施工箇所について、二十一世紀初頭の完成に向け事業の展開が図られております。一方、県管理道路の改良率は、四六・九%と全国レベルでも非常に低い水準にあります。こうした状況の中で、都市内道路は、人口の集中化や都市活動の活性化に伴う交通量の増大に対して整備水準が非常に低い状態にありました。交通渋滞の深刻化や歩行者へのサービス水準の悪化などを招いておりまして、都市内交通環境の改善が全く重要な課題となっております。このため、県においても、道路整備は、今年度の夢そだての重点・点検項目の一つに掲げられておりまして、その促進に努力されております。私は、そこで、特に県都岐阜市周辺の道路網を見ますと、今月六日には、市内十一番目の橋として、大縄場大橋が長良川を挟んでの南北を結ぶ道路として供用され、大幅な交通緩和が期待されております。しかしながら、市北東部から市中心部へ通じる道路としては、長良川の左右両岸に一般県道上白金真砂線及び一般県道三輪早田線がありますが、特に右岸の三輪早田線については、長良橋付近から上流部にかけていまだ整備がなされておりません。御承知のとおり、本路線は、岐阜市北東部三輪地内から忠節橋まで延長約十四・五キロメートルの一般県道であります。現在の交通状況を見ますと、朝夕には高校生の通学路となっており、長良高校初め、岐山、県岐商、岐阜北高校または藍川高校などに通う学生たちは、毎日毎日危険な自転車通学を強いられております。先般玉田議員も指摘したとおりであります。また、主として市内中心部への自動車通勤による交通渋滞は全く著しく、交通安全面からも非常に危険な状態になっております。特にメモリアルセンターでプロ野球、サッカーなどの大規模なイベントが開催されるたびごとに、関、美濃方面からのバスや自動車が集中するため、その混雑は大変憂慮すべき状態となっておりまして、さらに、先ごろ着工された未来会館や、近く着工される予定の長良川メッセなどが完成すれば、ますます交通量が増大し、交通麻痺状態に陥るものと思われます。 道路整備については、現在、県当局におかれまして、古津地内において志段見橋の整備などを実施されておりますが、長良橋上下流のホテルや旅館街などが立ち並ぶ長良川地区にあって、全国に誇る伝統的な鵜飼いの観光地であるにもかかわらず、十分な歩道もない、しかも車道幅員は非常に狭小であるため、バスなどの大型車両がスムーズに通行できない状況にありまして、三輪早田線の中でも最も危険な箇所となっております。したがいまして、当地区の整備については、各種手法を検討して、河川空間と市街地とを一体的に整備する区画整理などのいろいろな手段、手法を検討して、そして通学生や一般のドライバーが安心して通れる道路にするためには、特に観光地にふさわしい道路を本当に早急に喫緊に整備する必要が私はあると思います。今後県として一般県道三輪早田線の道路整備をどのように進められるのか、土木部長に御見解をお尋ねいたします。 次いで、下水道整備の財政支援についてお尋ねをいたします 知事は、輝かしい二十一世紀を迎えるための貴重な準備期間と言える現在に、快適で潤いのある生活環境と日本一の清流創設に向けまして下水道を県政の重点・点検項目とされたことに対し深く敬意を表するとともに、大きな期待をしているところであります。先般の県政世論調査におきましても、下水道に対する県民のニーズは非常に高くなっておりまして、重要な社会資本として下水道の整備に県民の熱い期待があります。幸い県におかれましては、全県流域下水道化構想を策定され、全県的な下水道の普及を県の施策として考えられております。しかし、下水道整備事業は、市町村が事業主体となる関係から市町村財政と密接な関係にあります。私も、岐阜市の市会議員時代に、下水道に関する経営審議会に参画し、下水道経営の勉強を大いにやりましたので、建設財源、起債の償還、使用料等複雑で困難な課題は十分に承知しております。近年、県下の市町村において急速に下水道整備の機運が盛り上がっており、平成元年度には二十三市町村であったものが、現在四十市町村で着手され、さらに二〇〇〇年には二人に一人が下水道の恩恵を受けられるよう、目標に向かい事業促進が図られているところでありますが、下水道事業を実施するに当たっては極めて大きな財政負担を要するものであり、各市町村は非常に苦慮しているところであります。したがいまして、今後さらに事業着手する市町村も増加し、その下水道財政の安定を図ることが、私は急務の課題であると考えます。したがいまして、県におきましては、これら市町村の実施する公共下水道事業について、適切な財政支援の必要があると思いますが、土木部長のお考えをお伺いをいたします。 次に、教員の国際交流の推進についてお尋ねをいたします。 国際化への対応、あるいは地域活性化の新しい柱として充実されてきた国際交流も、ここ数年、担当窓口あるいは国際交流センターの設置など、県として国際交流事業を推進するための基盤固めがなされてきました。これからは、そのような基盤の上に立って、行政の各分野において国際交流を進めるに当たって方策や問題点を検討し、その具体化を図っていく時代が到来していると考えております。現在、偏差値や業者テストの問題等が取りざたされておりますが、私は、次代を担う青少年を育成する学校教育の重要性にかんがみまして、教員の国際交流に問題を絞り、以下三点にわたって御質問をいたしたいと思います。 第一点は、教員国際交流の基本的な方向についてであります。 世界ボーダーレス化のもとで、幅広い豊かな心を持った国際人を育成するために、多様な文化を持った世界各国の人々と交流ネットワークをつくり上げるとともに、教員の国際理解を深め、それを児童生徒の教育の中に生かして国際理解のすそ野を広げていくことが大切となります。このためには、本県の進める環太平洋国際交流の理念を踏まえながら、アメリカ、ヨーロッパ諸国、近隣のアジア諸国など、幅広い交流を進めまして、相互の国での生活体験、草の根レベルの交流を目指していくことが必要と考えております。そこで、教員の国際交流として今後どのような方向を目指していこうとしておられるのかお尋ねするものであります。 第二点は、教員交流による国際貢献についてであります。 今日、海外において日本文化や日本語を学びたいと考えている学生たちが増加していると聞いております。県としても、国際交流を推進する上で、このような海外の学生たちのためにどのような教育的な貢献を進めておられるかをお尋ねいたします。 第三点は、外国語の理解に向けての教育水準の向上についてであります。 戦後世代にあっては、すべての者が英語教育を受け、読む力、訳す力はかなりのレベルに達しておりますけれども、しかしながら、話す力、聞く力はまだまだ十分とは言えない状況であります。このような結果は、一つには、英語を教える教員そのものが海外での実践的な英会話に触れる機会が少なかった点にあり、もう一つは、生徒が学校生活の中で生きた英語を聞き話すという体験が少ない点にあります。ですから、これからの国際化時代に対応したより一層実践的な英語教育を進めていくためには、英語教員の海外派遣と外国からの教員の受け入れが極めて重要と考えておりますが、その現状と展望はどのようになっておりますか、教育長にお尋ねをいたします。 最後に、警察職員の語学研修等について、警察本部長にお尋ねをいたします。 近年における交通・通信手段の飛躍的な発展に伴い、我が国と諸外国との交流はますます活発化し、まさにボーダーレス化が急激に進行しつつあります。これに伴って来日外国人による犯罪や交通事故も急増いたしまして、特に地方都市への拡散の傾向にあるようにうかがっております。刑事手続等に関する内外の法律制度や出入国管理、あるいは言語、慣習を異にする外国人の取り扱い、処遇には特別の知識や手法が要求されるのではないかと思っております。そこで、私は、次の三点についてお尋ねいたします。 第一点は、来日外国人による犯罪に対応するために、国際的な物の考え方、感覚を持った捜査官の養成が必要ではないかと思いますが、警察職員の海外派遣研修、特に語学研修の実施状況について、第二点は、来日外国人に対する犯罪捜査や交通事故の処理に当たって最も問題となるのが言葉の壁ではないかと思います。その及ぼす影響や負担も増大し苦慮されているのではないかと推察いたします。県警職員の語学教養の実態について、第三点は、深刻な人手不足のため、県内でも外国人労働者を雇う企業が増加しております、我が国で就労する外国人の増加傾向は一層顕著になっており、平成三年末の入国管理局の統計によりますと、不法残留者数は約二十三万人にも及んでおります。特にアジア地域の来日外国人による不法残留者が多いようでありますが、これら国際情勢の変化を踏まえた今後の語学研修に関する対応について、以上三点についてお伺いいたしまして、県政自民党を代表いたしまして質問をいたします。どうかよろしく御答弁のほどをお願い申し上げまして、質問を終わります。どうも皆さんありがとうございました。   (拍手) ○議長(今井田清君) 知事 梶原 拓君。    〔知事 梶原 拓君登壇〕 ◎知事(梶原拓君) 県政各般にわたりまして御提言をいただきましたが、まず、新年度予算の編成方針につきましてお答えを申し上げます。 現在編成作業が進められております国の新年度予算は、三兆円を超える財源不足が見込まれている中で、総額にいたしまして〇・四%増という、昭和六十二年度以来の五年ぶりの低い伸びになると報じられております。このように厳しい歳出抑制の方針が貫かれている情勢の中で、地方公共団体に直接的に影響を与える事項も国費の削減対象として議論されておりますことは、まことに私どもとして心配をしていることでございます。例えば地方の重要な一般財源でございます地方交付税の特例減額措置が昨年に引き続き行われようとしていることなどでございます。こうしたことは、地方公共団体の財源問題に直結するものでございまして、私どもといたしましては、国に対し、地方の実情を十分に理解した上で適切な措置が講じられ、地方財源の確保充実が図られるよう、いわゆる地方六団体など関係機関と力を合わせて強く要望してまいりたいと考えております。 議員御指摘のように、来年度の県税収入も非常に厳しい見通しでございまして、国の地方財源対策も厳しいものが予想される現状におきましては、限られた財源枠の中で最大の効果が発揮できる予算を編成することがますます肝要となってまいりました。そのため、従前からの予算区分、すなわち生計予算、戦略予算、気くばり予算の考え方を徹底いたしまして、生計予算につきましては、経費の節減合理化を図りつつ、戦略予算につきましては、県政として底上げの必要な分野に積極的に重点投資をし、また気くばり予算につきましては、県政に谷間を生じさせないなどの配慮をしながら、むだを省きめり張りのきいた予算編成に努めてまいりたいと考えております。さらに、限られたお金をいかに有効に使っていくかの観点からは、付加価値予算、複合予算、外部資金活用予算の考え方に基づき予算編成を従来からもいたしておりますが、こうした考え方をさらに徹底いたしまして、知恵の使い方によって二倍、三倍の価値を生み出すよう、またいろいろな政策目的を組み合わせて、二重、三重の効果が出るよう施策をきめ細かく吟味し、さらに外部資金も積極的に導入しながら、二十一世紀への夢そだてを着実に進めていくため、創意と工夫を凝らした効果的な予算編成に努めてまいりたいと考えております。 一方、深刻になっております景気後退による影響を最小限に食いとめ、地域の景気浮揚を図っていくための対策も新年度予算編成において盛り込んでいく必要があると考えております。本県では、ことし二月でございますが、国に先駆けて地域経済特別対策を策定いたしましてその執行を図りますとともに、その後、補正予算等に合わせて、順次追加充実してきたところでございますが、さらに新年度予算においても、伝えられている国の景気対策としての公共事業費の増額、地方財政計画における地方単独事業の大幅な増額等に呼応し、地域経済の浮揚を図るための積極的な対応をしてまいりたいと考えております。 次に、県経済のレベルアップについてのお尋ねでございます。 愛知県の例を引かれてのお尋ねでございますが、中部地域の有力県に比較しまして経済的に立ちおくれておるということは事実でございますが、そうした意味からも、さらに積極的な施策を講ずる必要があると考えております。御指摘のとおり、目標を設定いたしまして勇敢にチャレンジするということも必要であろうと考えております。本県の経済的な将来目標につきましては、二十一世紀の日本一住みよい岐阜県づくりを進めるため、さきに公表いたしました岐阜県夢そだて十年カレンダーの中で、二十一世紀初頭の主要目標とその達成スケジュールを他に例を見ないほど思い切った形で示したところでございます。経済に関する長期的な目標の一つといたしまして、あえて一人当たりの県民所得全国十五位以内という挑戦的な目標を掲げておるところでございます。目標達成のためには相当の努力を要すると思われます。このため、地場産業の振興、新産業おこし、全産業のハイテク・ハイタッチ化、研究開発の推進など、他県に追従するということではなくて、時代の先取りをした積極策を講ずる必要があると考えております。 特に、商工業の振興方策が、御指摘のとおり最も緊急な課題でございまして、このため諸施策を講じつつあるところでございます。第一に、ソフトピアジャパンの建設、VRを核とした頭脳立地構想の推進、各地のテクノパークの開発等による先端技術産業の立地対策、ハイテク・ハイタッチ産業育成資金の融資、試験研究機関のパワーアップ等による新産業育成対策、新技術開発対策等により産業構造のハイテク化、ハイタッチ化を強力に推進することといたしております。第二に、世界のファッション工房GIFU事業を初めとした県産品販路拡大対策及びブランド化の推進、中小企業金融対策等の経営基盤の充実対策、海外投資支援資金融資事業等の国際化対策、ぎふ・つくば情報センター情報収集提供事業、中小企業情報センター事業等の情報化対策等によりまして経済環境の変化に適応する地場産業の振興対策の推進を図っております。第三に、商工会、商工会議所の地域振興支援機能の強化、商業基盤等施設整備事業による既存商店街の活性化等により小規模企業の育成と商業振興に努めております。第四に、Uターン対策事業等による若者の県内就職の促進、中小企業労働力確保推進事業及び労働力確保対策資金融資事業等による中小企業労働力確保対策等により産業活性化のための労働力確保対策の推進を図っております。第五に、労働時間の短縮とゆとり創造社会推進の啓発指導、勤労者福祉の充実等を図ることによりまして経済社会の変化に即応した労働環境の充実を図ることといたしております。商工業は、本県経済の基幹産業でございまして、県勢活性化の切り札でございます。議員御指摘の趣旨は、第五次総合計画など各種計画に反映させながら、今後も商工業の振興に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 また、関連インフラの整備についてのお尋ねもございましたが、新高速三道等、交通ネットワークの整備、物流拠点の整備、情報ネットワークの構築等、極めて重要な課題でございまして、これらについても積極的に推進を図ってまいりたいと考えております。 以上申し上げました諸施策を強力に推進することによりまして、本県産業経済の活性化、県民所得の一層の向上を図ってまいる所存でございます。 最後に、第十一次道路整備五箇年計画についてのお尋ねにお答え申し上げます。 本県は、内陸山岳県という地理的条件からいたしまして、道路に対する依存度が非常に高いわけでございます。そういう位置に置かれておるということでございますが、残念ながら、議員御指摘のとおり道路整備が著しく立ちおくれておると、こういうことでございまして、県民世論調査にも出ておりますけれども、県民の要望項目の常に上位になっておりまして、道路の整備が急務を要するわけでございます。このため、平成四年度の重点・点検項目といたしまして道路の整備を取り上げたわけでございまして、中部新国際空港、新高速三道等の整備を踏まえた道路交通体系の確立を図りますとともに、二十一世紀に向けて、地域高規格幹線道路も取り入れた新しい道路構想である二十一世紀の道路ビジョンの策定も進めておるところでございます。こうした計画の中では、県土一時間交通圏の確立、高速道路のインターチェンジへのアクセス--到達時間三十分圏の確立などを整備の目標といたしておりまして、これらの目標達成のために今後さらに多くの投資が必要と考えております。このため、平成五年度を初年度とする第十一次道路整備五箇年計画の総投資規模七十六兆円を、議員御指摘のとおり満額確保することが必要であると考えますし、この計画の確実な実行を図るためには、所要の道路特定財源を充実強化することが必要であると考えております。 ○議長(今井田清君) 総務部長 桑田宜典君。    〔総務部長 桑田宜典君登壇〕 ◎総務部長(桑田宜典君) 平成四年度の県税収入の見通しにつきましてお答えを申し上げます。 十月末日現在の県税の調定状況は、議員御指摘のとおり、景気の低迷を受けまして、法人二税や利子割県民税が大幅に落ち込んだことによりまして、全体としましては、前年の十月に比べてみますと九八・二%でございました。一・八%の落ち込みとなっております。今後の調定見込み額につきましては、現在、十一月中に申告されました三月決算法人の法人二税の中間申告の状況を集計中でございますが、この額は今後の調定見込み額に占める割合が大きく今後を左右することから、この結果に注目をいたしているところでございます。いずれにいたしましても、低迷している現下の経済情勢から判断しますと、予算額を確保することは厳しい状況にあるものと認識をいたしております。したがいまして、今後ともその動向を的確に把握することはもとより、なお一層早期の適正課税などに努めてまいりたいと考えております。 ○議長(今井田清君) 企画部長 交告正彦君。    〔企画部長 交告正彦君登壇〕 ◎企画部長(交告正彦君) ミニ新幹線方式等によります在来線の整備についてお答え申し上げます。 議員御提案のとおり、在来線のミニ新幹線化につきましては、リニア中央新幹線の建設と並びまして二十一世紀の日本の中央を縦横に結ぶ新しい鉄道ネットワークの形成にとりまして極めて有効な手法であると考えております。岐阜県二十一世紀ビジョンにおきましても、新鉄道ネットワーク構想の中にミニ新幹線構想の推進を掲げているところであります。現状では高山本線の電化複線化が必要であることなど多くの課題がございますが、県といたしましても、将来的な課題として検討してまいりたいと考えております。 次に、高山本線、太多線の整備につきましては、岐阜県高山本線太多線複線電化促進協議会等と連携しながら要望を重ねてまいりました結果、新型特急「ワイドビューひだ」が導入されまして、岐阜--高山間の所要時間が二時間二十三分から一時間四十九分と三十四分の大幅短縮となったところであります。また、美濃太田経由の岐阜--多治見間及び多治見経由の美濃太田--名古屋間の直通列車の導入と増発につきましても逐次改善が図られているところでありますが、東海環状鉄道整備構想の推進の一環としてなお一層の充実強化が必要であると考えております。 さらに、大阪方面から高山方面への直通列車の所要時間の短縮等、特急「ひだ」の大阪方面への乗り入れによります増発につきましては、JR西日本及びJR東海に対し積極的に働きかけをしてまいりたいと考えております。今後とも、議員から御提案がありました在来線の整備強化方策につきまして関係方面に強く働きかけますとともに、JR東海等と定期的な研究会を持つなど検討を進めまして整備促進に努めまいりたいと考えております。 ○議長(今井田清君) 民生部長 細井日出男君。    〔民生部長 細井日出男君登壇〕 ◎民生部長(細井日出男君) 一人親家庭養育支援体制についてお答えいたします。 議員御指摘のとおり、母子家庭や父子家庭のいわゆる一人親家庭における子育てや生活上の諸問題が、とりわけ核家族化が進行する中で課題となってきております。こうした問題に対処するため、県におきましては、福祉事務所等における各種相談のほか、養護施設への入所や、児童相談所、乳児院での短期入所という従来の方法に加えまして、昨年度より、母親などが病気で冠婚葬祭などで子供の面倒が見られない場合について一週間程度養護施設で入所保護する家庭養育支援事業を実施しており、また、父子家庭等における親の仕事の都合で帰宅が恒常的に夜間にわたるため児童の面倒が見られない家庭につきましては、父子家庭等児童夜間養護事業をこの平成四年度からスタートさせました。そのほか、一時的な傷病のため日常生活に支障が生じた父子・母子家庭などに介護人を派遣する母子家庭等介護人派遣事業を実施しており、病気やけがなどによる緊急の事態にも、家庭にいながら介護が受けられる措置を講じているところであります。いずれにいたしましても、一人親家庭にとって利用のしやすい養育支援の観点に立って、今後、児童福祉施設である母子寮などの利用や三日里親によるホームステイなど拡充策を検討してまいりたいと存じます。
    ○議長(今井田清君) 衛生環境部長 井口恒男君。    〔衛生環境部長 井口恒男君登壇〕 ◎衛生環境部長(井口恒男君) 水道整備につきましてお答え申し上げます。 水道施設の整備計画及び将来の水需給の見通しについてでございますが、本県におきましては、昭和五十五年に、水道整備の方向づけを目的としました水道整備基本構想を策定しているところでございます。しかし、下水道の普及を初めとしました生活様式の向上等によりまして、一人当たりの使用水量が当時の一・五倍であります一日三百八十リッターとなっているなど水需要等も変化しておるところでございます。このため、本年度、この水道整備基本構想の見直しを行いまして、中長期ビジョンに立った水道の計画的な整備、水需要の均衡、水道水質の安全確保、水道未普及地域の解消などを検討しまして、新たな水需要の動向に対応した水道施設の整備等の基本方針を策定しているところでございます。今後、この基本構想に基づきまして、市町村等水道事業者に対しまして必要な指導、支援を行い、適正な水需給の達成を目指してまいりたいと考えております。 次に、水質検査体制の整備につきましてでございますが、この十二月一日に、厚生省の生活環境審議会から、現行の二十六項目の水質検査項目が八十五項目へ増加する答申が提出されておるところでございます。これは、生活様式の変化に伴う湖沼等の富栄養化や、各種の化学物質の利用拡大など近年の水道をめぐる環境の変化に対応し、より安心しておいしい水が飲めるよう大幅に見直そうとするものでございます。この答申の内容を見ますと、IC--集積回路の基板洗浄などに使いますトリクロロエチレン、クリーニング洗浄に利用しますテトラクロロエチレン、浄水場の塩素消毒過程で発生しますトリハロメタン等の発がん性が指摘されております化学物質が検査項目として追加され、また、農薬につきましても、従来有機燐一項目であったものが、ダイアジノン等十四項目を追加しておるところであります。この答申を受けまして、近く水質基準に関します厚生省令が改正される見通しでありまして、本県としましても、適切な水質を管理するため、微量化学物質等の検査ができる機器の整備を計画的に行い、検査体制の充実強化の万全を図っていきたいと考えておるところでございます。 ○議長(今井田清君) 商工労働部長 藤田幸也君。    〔商工労働部長 藤田幸也君登壇〕 ◎商工労働部長(藤田幸也君) 商工会等の機能強化についての御質問にお答えをいたします。 中小企業、とりわけ小規模企業を取り巻く環境というのは大きく変化をいたしております。そこで、国におきましては、商工会法が施行されまして三十有余年を経過した今日、今後の小規模企業に対する支援施策を踏まえた商工会、商工会議所等の機能強化について、現在法制度の整備を含めて見直しが行われているところでございます。 その主な内容でございますが、第一点は、商工会、商工会議所による中小企業に対する支援機能の拡充でございまして、例えば、商工会や商工会議所が共同工場などの小規模企業支援施設を建設または運営することができることとし、その助成措置が考えられております。また、商工会の体制を強化するため、事務局長の大幅な増員も予定されております。第二点は、小規模事業者への経営改善普及事業の拡充でございまして、専門性の高い経営指導のニーズに対応するために、専門家の斡旋機能充実強化、あるいは広域経営改善普及事業の創設などでございます。三点目は、小規模企業の操業支援策の強化でございまして、小規模事業者に対するいわゆるマル経資金の貸し付け限度額の引き上げと融資条件の緩和を図るなどの内容となっております。 以上が現在国において検討されておりますが、県といたしましても、従来からの中小企業対策はもちろんでございますが、国の新しい方向に沿った小規模企業施策を積極的に進めまして地域の振興を図ってまいる所存でございますので、御理解を賜りたいと思います。 ○議長(今井田清君) 農政部長 打田穂積君。    〔農政部長 打田穂積君登壇〕 ◎農政部長(打田穂積君) 農業の国際化についてお答えします。 国際化は、二十一世紀に向けた大きな時代の潮流として広範な分野でますます活発になるものと予想されます。農業につきましても同様でありまして、国際感覚豊かな人づくりと農業を通じた国際交流を推進することが肝要であると認識しております。 まず、国際感覚豊かな農業経営者や農業指導者の養成についてであります。 県におきましては、農業研修生海外派遣事業や農業士等海外派遣事業などにより国際感覚豊かな農業者の養成を図っているところでありまして、今後ともこれらの事業を引き続き進めてまいりたいと考えております。また、農業指導者の養成につきましては、平成三年度から農業改良普及員の海外派遣研修を実施いたしておりますが、さらに本年度からは、世界の花づくり等の情報収集と国際化に対応でき得る人材の養成を図るため、海外花き産業調査事業をスタートさせまして、世界最大の花生産国でありますオランダへ駐在員を派遣したところであります。本年度は、花が本県農業の重要な作物であることにかんがみ、オランダと本県を結ぶ花づくりネットワークの検討を進め、海外花き産業調査事業の充実を図ってまいりたいと考えております。 次に、農業を通じた国際交流であります。 先ほど議員から御発言がございましたとおり、農業技術、農業者、農業経営の各分野においてオーストラリアとの農業交流の可能性を平成三年度から調査しております。本年度は、去る十一月に、県、農業団体、農業者の三者で構成する調査団を派遣しまして、その交流方法について調査を実施したところであります。平成五年度は、その結果を踏まえ、農業研究者、農業大学校、さらに農業者等の総合交流を促進するために、海外農業交流団の派遣等について検討を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(今井田清君) 林政部長 竹中寿一君。    〔林政部長 竹中寿一君登壇〕 ◎林政部長(竹中寿一君) 都市住民の森林利用についてお答えいたします。 第一点目及び第二点目でありますが、議員からお話のありました森林の働きや都市と森林の関係等について都市の方々に御理解を求めていくことは林政の重要な課題の一つであると考えております。このため、毎年、森林文化大学や森林教室の開催、林業関連団体と協力して実施しております岐阜市繁華街における展示PR、新聞紙面を購入しての広告等を実施しております。さらに、今年度は、伊自良村にあります青少年の森の森林学習展示館の展示内容を一新して、森林の働き等をより一層理解していただけるよう整備しているところでございます。また、県民の方々に身近なところで森林の大切さを実感していただき、また、人と人、人と自然の触れ合いの場としての県民ふれあいの森の整備も重要であります。既にオープンしております土岐市にあります生活環境保全林「陶史の森」、各務原市にあります「日本ラインうぬまの森」は、大規模な住宅団地に近接して整備したところであります。さらに、本年度着工いたしました岐阜市の公益生活環境保全林につきましては、議員から御提言のありました都市住民の森林の公益的機能を身近なものとして体験でき、市民の皆様に親しんでいただけるものとなるよう、地元岐阜市の御意見も十分聞きながら、その整備に努めてまいりたいと考えております。また、可児市におきましても同様な整備をしておりますし、今後ともこのような施設の整備を進めてまいりたいと考えています。 第三点目でありますが、県は、県民ふれあいの森として、これまでに県民休養林三カ所、生活環境保全林十五カ所、青少年の森一カ所、二十一世紀の森一カ所等の森林利用施設を整備してまいりました。こうした施設を有効に利用していただくため、二十一世紀の森等における自然環境アドバイザーの設置、緑と花のインストラクターの養成を行ってきたところであります。しかし、御指摘のとおり、その利用ソフト面の整備につきましては今後ますます重要となってまいるものと考えますので、施設の案内板や森林仕組みの解説板等の充実、イベントの開催、森林レクリエーションの指導者の養成等について、地元市町村と協議しながら検討してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解を賜りたいと思います。 ○議長(今井田清君) 土木部長 山岸俊之君。    〔土木部長 山岸俊之君登壇〕 ◎土木部長(山岸俊之君) 最初に、岐阜駅周辺の都市基盤施設の整備計画、またその進捗状況についてお答えいたします。 連続立体交差事業に伴います都市基盤施設整備につきましては、連続立体交差事業の事業効果を高めるだけではなく、岐阜市におきます都市開発の大きな契機となるものと考えております。岐阜駅周辺の駅前広場などの都市基盤施設については大部分が岐阜市が整備を行う施設でございますが、県といたしましても、国庫補助事業等を積極的に活用して、その整備促進に努めてまいりたいと考えております。具体的には、南口駅前広場につきましては、区域を拡大するとともに機能拡充を図るために、本年中に都市計画変更を行う予定としております。また、これを踏まえまして、岐阜市が、平成五年度の国庫補助事業として要望しておりまして、水と緑にあふれた豊かな修景空間として整備する計画となっております。また、北口駅前広場につきましても、現在の区域を基本としながら、歩行者と自動車を分離するペデストリアンデッキを整備するなど大幅な機能改善を行うよう岐阜市において具体的な計画を固めているところでございます。その他の街路につきましても、連続立体交差事業の進捗に合わせまして、着実に事業が進むよう岐阜市を指導してまいりたいと思います。 次に、香蘭地区の進捗状況でございますが、香蘭地区は大規模な空間地を有します開発適地でございまして、岐阜駅周辺の新たな都市拠点として整備することが期待されております。まず、開発の基本となる都市基盤整備につきましては、本年十一月には土地区画整理事業の仮換地指定が行われまして、いよいよ具体的な道路などの工事に着手する段階に至っております。さらに、民間開発を支援する高次都市基盤施設の整備のために、本年度、国から都市拠点総合整備事業の新規採択を受けたところでございます。現在、岐阜市において、高度情報センター、多目的広場などの基本設計を進めております。今後は、これらの基盤施設の整備に合わせまして、核となる街区にトータルファッションをテーマとする民間拠点施設が立地するよう岐阜市を指導しつつ、事業の推進に努めていきたいと考えております。 次に、県の住宅政策についてでございますが、本県の勤労者世帯の平均年収は、平成三年の県の家計調査によりますと約七百四十八万円となっております。一方、住宅価格は、県住宅供給公社の分譲住宅の例で言いますと平均三千二百五十万円余りとなっております。したがいまして、住宅価格は年収の約四・三倍ということになっておりまして、大都市圏に比べますと本県では持ち家が取得しやすい状況にあると考えるわけです。また、本県の持ち家率や住宅の広さなどの居住水準は、平均的に見ますと全国で上位に入ります。これは、日本一住みよいふるさとづくりを目指している本県にとりまして大きな魅力であり、今後とも良質な持ち家取得を促進することが県政の重要な課題でございます。このために、現在、民間住宅ローンの借り入れ者に対します利子補給の推進、あるいは持ち家を取得するまでの間における適切な公共賃貸住宅の供給等の施策を実施しているところでございます。今後さらに、若くても持ち家が取得できるように、総合的な持ち家推進施策を検討してまいります。 次に、若年層の定住促進を図るための住宅対策についてでございますが、議員御指摘のとおり、都市、農山村を問わず、地域の若年層の定住を図ることが地域の活性化を図る上で重要な課題であります。このために、県におきましては、本年度から、市町村が若者の定住を促進するための住宅を建設する場合に、国の補助に加えまして、全国で初めてでございますが、県が単独で補助を行う若年層定住促進住宅助成事業を推進しているところでございます。また、市街地での住宅供給を促進するために、県住宅供給公社が土地所有者にかわって長期低利の資金による共同住宅等を建設できるタウンビル事業の促進を図るなどいたしまして若者の定住を図るための施策を進めてきたところでございます。今後とも、さらに都市や農山村地域の住宅事情を勘案いたしまして適切な住宅施策を検討してまいります。 次に、一般県道三輪早田線の長良地内の整備についてお答えいたします。 当路線につきましては、県も重要な路線として鋭意整備を進めておるところでございます。議員御指摘のとおり、当区間につきましては、通行に支障を来す箇所として県におきましても認識しておるところでございます。県といたしましては、現在、一般県道三輪早田線のうち、長良橋下流部の主要地方道岐阜白鳥線との交差点から西へ約五百メートルの区間につきまして調査検討をしておるところでございます。長良橋上流部の長良地内につきましては、沿道に旅館等が密集しておりますので、河川空間と市街地との一体化による水と緑の潤いのある良好な生活環境を創造することが極めて重要であります。そこで、岐阜市及び直轄河川の管理者であります国の関係機関等とも調整を図りながら、土地区画整理等の整備手法を含めまして調査検討を行い、新しい町づくり及び川づくりの課題として推進してまいりたいと考えております。  次に、公共下水道整備の財政支援についてお答えいたします。 議員御指摘のとおり、下水道に関する県民のニーズは極めて高いわけでございます。これに呼応いたしまして、近年、県下の市町村におかれましては下水道の事業化が急速に進んでおります。本年度におきましては四十市町村で下水道事業を実施しておりまして、さらに平成七年度までには七十二の市町村が実施する計画となっております。そこで、本年度は、従来からの県費助成について補助率アップの改善措置を行ったところでございます。しかし、県下の下水道普及率の急速な向上を図るためには、さらにこの制度を充実する必要がありますので、適切な財政支援のあり方につきまして引き続き検討をしてまいります。 ○議長(今井田清君) 教育長 澤田 確君。    〔教育長 澤田 確君登壇〕 ◎教育長(澤田確君) 教員の国際交流の推進についてお答えをいたします。 御質問の第一点は、教員の国際交流の基本的な方向についてであります。 国際化時代に生きる児童生徒の育成のためには、広い国際的視野を持った教員の養成が必要であります。県教育委員会としましては、従来から実施しております教員の海外研修などに加え、平成三年度から環太平洋ふれあいの輪派遣事業を実施し、毎年約百六十名の教員を欧米を初め世界各国に派遣しております。今後ともそれぞれの交流目的に沿ったパートナーを選びながら世界の国々と交流の輪を広げ、人と人のつながりを基本とした草の根交流を推進してまいりたいと考えております。 第二点は、教員交流による国際貢献についてであります。 海外において日本語を勉強したいと望んでいる人々が増加していることは、議員御指摘のとおりでございます。県教育委員会におきましては、平成三年度から、日本語教育の盛んな海外の教育施設に教員を派遣するレックス計画や、日本留学のための予備教育を行うマレーシア派遣事業を推進するなど、海外における日本語教育の需要の増大に対応しているところであります。 第三点の外国語教育の向上につきましては、従来から、英語教員の海外研修を進め資質の向上を図るとともに、年間約四十名の外国人英語指導助手を、さらに本年度はオーストラリアから正規の英語教員を受け入れるなど、派遣と受け入れの両面からその対応を図ってきたところであります。今後とも、教員の国際交流につきましては、質、量ともに一層の充実を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。 ○議長(今井田清君) 警察本部長 倉澤豊哲君。    〔警察本部長 倉澤豊哲君登壇〕 ◎警察本部長(倉澤豊哲君) 警察職員の語学研修等についての御質問にお答えいたします。 国際化の進展に対応できる警察職員を育成するため、現在、海外派遣研修と国内における語学教養を実施しているところであります。 御質問第一点目の警察職員の海外派遣研修の実施状況でありますが、現在、警察庁主催の上級幹部の海外派遣研修と青年警察官海外研修、県単独事業による岐阜県警察職員海外研修の三つを実施しております。中でも青年警察官海外研修では、毎年三名をアメリカ、オーストラリアへ二カ月間派遣し、現地大学の英語講座や警察活動の実際を体験させておるところであります。また、岐阜県警察職員海外研修につきましては、平成二年度の補正予算で実現したものでありますが、毎年数名の職員を選考してアメリカの警察機構や制度を研修しており、本年度はウエストバージニア州警察での研修を過日実施したところであります。海外派遣研修は、警察職員の視野を広め国際感覚を養い、語学を身につける上で大きな成果をおさめております。 御質問第二点目の警察職員の語学教養の実施状況についてお答えいたします。 警察職員の語学教養につきましては、外国人の取り調べに当たる国際捜査官、通訳者を養成することと、外国人の保護活動や地理案内に当たる地域警察官など警察職員全体のレベルアップを図るという二つの目的で各種の教養を実施しているところであります。国際捜査官、通訳者を養成するものといたしましては、警察大学校の附置機関である国際捜査研修所におきまして国際捜査に必要な実務研修や語学研修を受講させており、また、昭和六十三年から英会話専門学校への委託教養も実施しております。このほかに、昭和六十二年度から、県警察学校におきまして、外国人と接する機会の多い観光地派出所勤務員などを対象に、一週間の英語専科や職員の自己啓発を促すための警察実用英語検定、英会話クラブ、通信教育講座の受講、外国人応対用ハンドブックの作成などにも取り組んでおります。 御質問第三点目の今後の対応方針でございます。 国際的な物の見方、感覚を持った捜査官を養成するため、現在実施している海外派遣研修の拡充に一層努めてまいりたいと思います。御指摘のように、来日外国人の多様化に伴い、英語のみならず東南アジアや南米系の少数言語の通訳の需要が急激に増加してきております。警察内部でそのすべてに対応することは困難でありますため、部外通訳者の確保に努めているところであります。なお、部内でも外国人の居住実態や犯罪実態に対応して、こうした言語の語学研修にも力を注ぐとともに、通訳センター等の専門組織の設置、充実を今後検討してまいりたいと考えております。         ……………………………………………………… ○議長(今井田清君) しばらく休憩いたします。 △午後零時四分休憩          ……………………………………………………… △午後一時七分再開 ○副議長(坂志郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。         ……………………………………………………… ○副議長(坂志郎君) お諮りいたします。本日の会議時間をあらかじめ延長いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(坂志郎君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議時間を延長することに決定いたしました。         ……………………………………………………… ○副議長(坂志郎君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。十四番 渡辺儀造君。    〔十四番 渡辺儀造君登壇〕(拍手) ◆十四番(渡辺儀造君) 私は、日本社会党岐阜県議会議員団を代表いたしまして質問をさせていただきます。 まず初めに、平成五年度の一般会計予算編成につきましてお伺いをいたします。 平成五年度一般会計予算編成につきましてお尋ねするわけでございますが、明年の一月には知事選挙が行われる予定でございまして、現梶原知事は、さきの九月県議会におきまして、二十一世紀に向けて活力とゆとりある県政を築いていくために渾身の力をささげたいと、続投を表明されているところでございます。平成五年度予算は、骨格予算ではなく通常の予算編成がされるものと思いますので、若干の懸念をされます問題点につきましてお尋ねをするものでございます。 県は、二十一世紀ビジョンを掲げまして、夢そだて十年カレンダーによりまして当面の重点施策を発表されたところでございます。これらの施策を実施計画に移し、かつ具体化、予算化するには、財政の裏づけとともに県民の皆様方の御協力を得ることが重要であるということは申すまでもございません。また、国家予算や景気の動向も大きな影響を受けると思うのでございます。さて、国の来年度一般会計予算は、今年度比でまいりますと〇・四%の微増にとどまるようでございまして、総額七十二兆五千億程度と言われておりまして、十二月末には政府案が発表されるものと聞いておるわけでございます。 この国家予算の特徴の一つは低い伸び率でございます。いわゆる一%以下の伸び率ということになりますと、昭和六十二年度のゼロ%以来でございます。これは、景気の冷え込みで、歳入の八割以上を占めております税収の伸び悩みに起因をしているのでございます。この税収不足をカバーするために歳出の切り詰めをしようとしておりますが、問題なのは地方交付税交付金の減額でございます。現在の税収見込みから計算をしてまいりますと、約十六兆円余りとなる交付税、これを数千億円の単位で減額をするように自治省と折衝をしていると言われておりまして、地方自治体にとりまして重要な地方財源でございますこの交付税、これの切り下げを許すことはできないわけでございまして、強力な反対要請をお願いをしたいと思うのでございます。もう一つの特徴は、一般会計の投資的部門や財政投融資は比較的高い伸びとするように考えておられるようでございまして、地方自治体の単独事業も二けたの伸びを見越し、景気に配慮した編成となることを大蔵省は言明をいたしておるのでございます。自治省が十一月二十八日発表いたしました地方自治体による地方単独事業について、事業規模を過去最高の十八兆円程度とすることとしておりまして、これは前年度当初計画と比べますと約二〇%を超える伸び率でございます。全体の公共事業費は、国の八兆五千六百億と合わせますと二十六兆余となりまして、道路や下水道の整備など生活に密着した社会資本の整備を中心に生活大国の実現を目指すとともに、低迷している景気のてこ入れをねらっているものと思うのでございます。 このような地方の公共事業を大幅に積み増す理由といたしまして、地方経済の活発化のために道路や下水道の整備が不可欠であるということとともに、地方自治体は、地方債の発行で独自に財源を確保できるというためでございます。その地方債、借金でありますが、全国的に見てまいりますと、一般財源に占めます地方債償還費の割合、つまり公債比率と言うんでございますが、全国的には一一・四%と、国の二〇%に比べますとまだまだ低い。したがいまして、地方債発行を増加いたしましても財政は健全という理由からでございます。ちなみに本県の公債比率は、平成三年度決算によりまして七・八、約四十二億円でございます。起債残高、いわゆる借金残高は平成三年度末で三千六百二十億円、一人当たりに直しますと約十八万円の借金ということになりましょうか。 そこで、平成五年度予算編成に当たり、以下、基本的な姿勢につきまして質問をいたします。 一つは、景気対策としての予算はどうあるべきか、二つ目に、国の生活大国実現の施策とともに、本県におきます夢そだて十年カレンダーとの関連をどのように考えるか、三つ目、財源確保のための努力をどのようにするか、例えば地方交付税の引き下げを絶対に許さない努力、また、自動車税等の確保のためにキャンペーンを張るとか、いろいろな方法があると思いますけれども、この努力の姿勢につきましてお伺いをいたしたい、四つ目は、手数料、使用料など公共料金の見直しはどのように考えられておるのか、以上、平成五年度一般会計予算編成につきましてお尋ねをするものでございます。 続きまして、情報公開と政治倫理につきましてお伺いをいたします。 県民総参加の県政を目指し、日本一住みよい岐阜県づくりを一段と推し進めるためには、県政を県民とともに共同作品としてとらえる必要がございます。そのためには、県民に対し必要かつ十分な情報を公開していくとともに、的確な具体性を持った情報を積極的に提供していくことが必要であると思うのでございます。情報の公開、提供は、県民自治意識の啓発、高揚に欠くことのできないものであります。県民の県政への依存・従属意識から自主・自律意識に変え、さらに断片的な関心から持続的な深い関心へと県民の動きを変化させる原動力となるものでございます。県民参加のシステムの中で大変重要な事柄でございます。 私は、昨年二月議会におきまして情報公開について質問をしたところでございますが、県及び県下自治体におきまして何らの新しい動きもないようでございますし、国の情報公開の取り組みも積極的ではないようでございますけれども、今ほど国民、県民の知る権利を求める声が一段と高まっているときはないと思うのでございます。政治や行政が国民や県民の知らざるところで執行され、その結果の大部分が知らされないままに終わってしまう、そんな政治、行政のあり方は大きく反省をしなければなりません。そこで、昨年来、県当局の情報公開に対します対応、経過につきまして、御報告をいただきたいと思うのでございます。 さて、現在はある意味におきまして倫理の季節でございます。企業倫理、医師の倫理、弁護士の倫理、マスコミの倫理、最も重大でかつ緊急な対策が求められている問題が政治倫理であります。政治的スキャンダルは後を絶つことがありません。もはや政治家個人の政治倫理の向上というような単なるモラルの問題ではなく、構造的、組織的取り組みが必要であります。政治倫理は国民の知る権利と密接に結びついているのでございまして、政治腐敗は、国民の知る権利を無視あるいは軽視するというところから発生していると言っても過言ではございません。牛歩にも似た中央レベルでの政治倫理制度の動きに比べ、地方においては、全国で十三市十町におきまして政治倫理に関します条例が制定をされておるところでございますが、県レベルにおきましては条例化が全くされておらないわけでございます。ちなみに本県におきましては、岐阜県議会議員政治倫理要綱というものが、昭和六十年に議員の自主的な行動によりましてできておるわけでございますが、これらの中身につきまして議員諸氏も十分に勉強をいただきたいと思っておるわけでございます。 さて、情報の公開制度は、一九九二年一月現在、三十六都道府県、百六十三市町村で導入されておりまして、開かれた政治を目指しながら、西の政治倫理、東の情報公開と特徴が目立つのは、政治行政における現実型と理念型との相違であると私は思います。政治倫理の確立は何も国政に限ったことではございません。我が岐阜県におきましても過去数度の不祥事が発生をしておりまして、先ほど申し上げましたように、県議会内部におきましても、政治倫理規程なるものをつくっておるわけでございます。 さて、国におきましてはようやく重い腰をよっとこさと上げまして、緊急政治改革二十一項目の一つといたしまして、「政治倫理確立のための国会議員の資産等の公開に関する法律」が、十二月一日、衆議院を通過したところでございまして、参議院で審議され、恐らく成立を見るでしょう。この法律は、国会議員と都道府県知事、市町村の首長、都道府県議会議員、政令指定都市の議員に対しまして、株式など資産や総所得の報告を義務づけているものでございまして、国会議員は来年の一月一日から、その他は--私どももそうでございますが、平成七年十二月三十一日までに条例に定めることによりまして実施することと法律は言っておるわけでございます。いわゆる三年先までに条例化すればよいということでございますけれども、早期に条例化することこそ県民の信頼にこたえることになると思うのでございますが、知事のお考えをお尋ねしますと同時に、議長におかれましても、条例化に向けまして議員間の協議を早期に開始していただけますようにお願いを申し上げる次第でございます。 次に、揖斐川町不正経理につきまして、質問をいたします。 この不祥事は、本日の新聞にも報道がございますように、県・町民税の未課税と申しますか、課税漏れと言いますか、問題が持ち上がりまして、四点に及んでおります。一つは、昭和六十三年から平成二年にかけまして、同町の河川改修工事に必要な土地を、約二十名から五十名、はっきりしたことはわかりませんが、地権者から町内の別の土地と等価交換あるいは買収をし、土地取引にかかわる税金約二億あるいは二億七千万円が未納であったことが大垣税務署から指摘がございまして、公社が地権者にかわり追徴課税金を含めまして約三億七千万円を納税したというものでございます。土地取引を手がけたものであれば、当然課税されることはわかっているはずでございますけれども、地権者には税金はかからないと言っていたようでございます。二つは、公社が取得した土地の一部を同町に売却する際に、土地代金に約一億五千万円を上乗せして肩がわりの三億七千万の穴埋めに使ったというものでございます。三つ目は、昨年の六月まで約四年間にわたりまして、町長の知人が金融機関から借りておったお金の利子七百万円余も公社が肩がわりをしておった。四つ目は、県民税、町民税の課税が行われておらなかった。この四つの問題でございますが、これらはすべて町議会あるいは公社理事会等々には一切知らされていなかったということでございまして、町長あるいは三役が、現在辞意を表明しておられるようでございますけれども、悪いことをしてはすぐやめる、どこかの国会議員と同じようであります。まだやめない人もあるようでございますが。 さて、私は、これらの不祥事件が繰り返し行われておったところに怒りを感ずるものでございます。そこで、一つ、穂積町事件と同時進行していたと思われますけれども、県の行政指導は当時どのように行われておったのか、二つ、揖斐川町公社が三億七千万円肩がわりしたとなっているが、理事会等適法な手続がされていない以上、町長、助役等の個人責任となるのではないか、三つ目、町は公社から一億五千万円も高い買物をしたことになりますので、町長が高いことを知っていたということであれば、町に損害を与えたということになるわけでありますから、賠償の責に任ずるのではないか、いかがでございましょうか。また、県民税、町民税が未課税になっておる、その責任はどこにあるのか。 以上四点につきまして御質問をするわけでございますが、揖斐川町は、人口一万九千七百六十四人、昨年九月現在。五千百四十一世帯。財政の規模は、一般会計平成三年度決算で約四十九億円、公社は三年決算で四億円余となっておりまして、税金肩がわりが三億七千万円ということになりますと、かなり町財政に占める打撃というものは大きいものでございまして、町が直接こうむっております一億五千万円、これ、町民一人当たりにいたしますと約七千五百円、一世帯当たり三万円と、こういうことになるのでございます。最後に、一番の問題点は、町政の混乱ということでございます。新年度予算編成時期にも入ってまいりますので、早急な対応が必要であります。以上、県当局の対応についてお尋ねをするものでございます。 次に、老人健康福祉計画の推進についてでございます。老人保健福祉計画づくりについて、今、県並びに市町村でその作業が進められておるところでございますが、我が国の高齢化は急速に進展をいたしまして、その率の高さも世界に例を見ないものになるだろうと言われております。一方、核家族化や女性の社会進出によりまして、家族の介護が期待できなくなってきているのも事実でございます。したがいまして、要介護老人の介護サービスのニーズは急速に高まっております。必要なサービスが地域において提供できる体制の整備を急ぐ必要があるのでございます。国においては、高齢者保健福祉推進の十カ年戦略、いわゆるゴールドプランがつくられまして、平成二年度から推進がせられておるところでございます。また、今回の福祉法の大幅な改正によりまして、施設への入所措置権が県から市町村に移譲されまして、在宅福祉と施設福祉の実施主体がまさに市町村に一元化されるのでございます。言いかえれば、市町村は老人保健福祉の推進の主役となるのでございます。市町村は、計画に基づく各老人保健福祉を進めることになりますので、まずはその計画をつくらなくてはなりません。その計画を老人保健福祉計画と呼んでおるのでございます。この計画は、平成五年度中までにつくることになっておりまして、現在はその実態把握の調査が行われていると聞き及んでおります。国は、平成四年六月三十日付でもちまして、同計画についての通知を出しました。また同時に、市町村の老人保健福祉計画作成指針なるものを出したのでございます。これを進める全体のスケジュール並びに若干の問題点につきまして、県の指導のあり方についてお尋ねをするものでございます。 老人保健福祉計画は、計画作成委員会によりましてつくられるわけでございますけれども、この作成委員会のメンバーは、専門家、学識経験者は当然でございますが、ホームヘルパーあるいは現場の作業従事者の代表も必ず加えることが重要と考えるのでございますけれども、どのようにされるんでございましょうか。また、広く意見を聞くために設けられる予定でございます計画作成懇談会、これにも現場の声を反映させるために、これら現場の方々を入れて、真に現場の声を反映をする、そういう手続をとっていただきたいと思うのでございます。また、同計画は、市町村議会の議決を要しないとしておりますが、住民の最高の代表機関であります地方議会に諮るのがよりベターだと思うのでございますが、その指導方針をお伺いをいたしたいと思います。 次に、作成の段階で各自治体間の意見交換、情報交換をすることは、よりよい計画をつくることになると思うのでございますので、ぜひ御指導をされたいのでございます。市町村の独自性を発揮すべき同計画をコンサルタントに委託してしまう自治体もあるやに聞きますけれども、断じて許すべきではないと思うのでございますがどうでございましょう。市町村とともに、県自体においても老人保健福祉計画を作成することになっておりますけれども、県の計画は市町村計画の積み上げによって作成されるものでありまして、県の計画の中に市町村計画があるというようなことのないように努めなければならないと思うのでございます。また、本県における老人保健福祉圏設定の考え方につきまして明らかにしていただきたいと思います。 最後に、老人福祉は何といいましてもマンパワーの確保の問題に尽きると思うのでございます。大阪府の枚方市におきましては、ヘルパー三倍計画を発表しておりますが、本県においてもボランティアを含めますと二倍から三倍の増員を必要とするのではないかと思うのでございます。こうした人材の育成は、県レベルにおいてリードすべきであります。今後積極的な対応が強く要請されるところでもございます。平成六年四月開園予定の県立寿楽苑に併設の養成研修施設で、マンパワーの育成が行われる予定であると聞いておりますけれども、特にボランティアの皆様方の養成には、地域公民館などを利用いたしまして、出前研修、出前講習など、いわゆる現在実施されておりますところのさわやか介護セミナーの拡大を図ってほしいと思うのでございますがいかがでございましょうか。住みなれた土地で親しい人々に囲まれ安心して年をとれるかどうかは、この計画づくりが成功するかどうかにかかっていることをみんなで認識をし、真剣な取り組みをお願いしたいものでございます。 次に、エイズ対策でございます。 後天性免疫不全症候群--エイズの病名でございますが、十二月一日は世界エイズデーでありました。世界の各地で、あるいは日本の各地でエイズ予防の幾つかの行事が催されました。本県におきましても、飛騨高山におきまして、エイズ予防の集いと銘打ちまして、十一月二十八日に集いが市民や看護学生など千三百人が参加をして開かれたと報じられています。ここでエイズに関しますインタビューの記事を少々紹介をさせていただきます。これは、エイズ患者に記者がインタビューをした記事です。 「少し前から、風邪を引くと息が吸えないような苦しさを感じていた。検査を受けた。陽性。病院からどうやって部屋に戻ったのか記憶はない。はりにベルトをかけ、首に巻いていすをけったが死に切れなかった。その後も一度自殺を図った。あと何年生きられるのか今の医学ではわからない。どうせ死ぬんだという気持ちが消えない。気持ちを切りかえなくてはと思っても、微熱なんか出ると、どうしてもやる気が起きないんです。基地の近くで育ち、高校を卒業して外資系ホテルに就職した。外国にいるような雰囲気が好きで、外人が集まる店に出入りした。白人や黒人、日本人、多くの同性と関係を持った。二十代だった。家族にも知らせず二週間に一度薬を取りに行く以外家にこもりがちだ。会って話を聞いた約三週間後、彼から連絡があった。遺書を書いたと話した」。こういう記事が載っておったわけでございます。 さて、エイズはどんな病気なのか。エイズはHIV--ヒト免疫不全ウイルスと、こういうふうに言っておりますが--によって引き起こされるわけでございます。人体には免疫システムと呼ばれるものがありまして、細菌などの外敵が入ってまいりますと簡単には病気にならないわけでございますが、このウイルスが入ってまいりますと、免疫システムがだんだんうまく働くことができなくなりまして、その結果いろいろな感染症にかかったり腫瘍が発生しやすくなるわけでございます。これらの負担に体が持ちこたえられなくなったときに患者は死に至るという病気でございます。エイズの感染経路はほぼ三つぐらいに限られておるようでございまして、一つには、血液の交換でございます。輸血、あるいは感染者の七割を占めております血液製剤、あるいは注射針の共用、これが一経路。二つ目は性交渉でございます。三つ目は母子間の感染ということでございます。本年十月末現在、日本のエイズ患者数は累計で五百八名、HIVの感染者の累計は二千四百五十六名とエイズサーベイランス委員会は報じておるわけでございます。今年九月、十月の新たな発生は、血液製剤による患者、感染者を除きまして九十八名、全国で報告がされておるわけでございまして、本県は二名の増となりまして、計四名と報じられております。いずれもHIV感染者であるようでございます。一方、世界に目を向けてまいりますと、現状は極めて深刻でありまして、WHOの報告によりますと、世界百六十四カ国でエイズ患者数は五十万一千二百七十二人、実際には百五十万、感染者に至っては一千万人以上と推計をされておりまして、驚くことに、地球人口の二百五十人に一人の割合で感染者あるいは患者がおられるということになるわけでございます。 こうした恐るべきエイズを予防するにはどうすればよいか。言っておりますのは、「知ることから始めよう」、「無関心ほど悪いものはない」、無関心が無知を生み、無知が恐怖心を生み、恐怖心が偏見を増幅させ、それが病気の蔓延を招き、新たな恐怖を引き起こすという悪循環を繰り返すというのでございます。エイズの正しい知識を知ること、知らせることから始めようということでございます。考えられますことは、学校教育の中で社会教育の中でということになるのでございますが、まず、学校教育の場であります。文部省の指導書によります中学校、高等学校のエイズ教育とともに、本県に合わせた独自の具体的な手引の必要を感ずるのでございますがいかがでございましょうか。また、教員、教諭等に対する養成教育はどのように行われておるか。教育職員の海外研修が実施されておるところでございますけれども、エイズ教育についても研修内容に含ませる必要はないのか。教育長に以上お尋ねをしたいと思うわけでございます。 次に、社会教育の中でのエイズ教育でございますが、対象をつかむことが非常に難しく、困難も多いと思われますけれども、労働省もようやく来年度から労働衛生の問題として企業や団体にエイズ教育を積極的に指導することといたしております。県下の労働組合や経営者団体に働きかけ、資材提供や講師の派遣など取り組みを強化されるとともに、先ほど申し上げましたように、高山市で催されましたようなイベントの開催も非常に有意義であると思いますので、ぜひとも継続をいただきたいと思うのでございます。ところで、エイズ抗体検査は県内の保健所で実施をされておりますが、全くの匿名で検査ができます。一週間ぐらいでその効果がわかるということでございますが、検査料は二千四百三十円、高いんじゃないかと思うんでありますが、全国的には二千円前後ということでございまして、東京都は千六百円、愛知県は二千五百六十円と、こういうことでございます。厚生省も、来年度の概算予算要求では、今年は補正も含めまして二十九億二千万円であったそうでございますが、これを五倍の百二億に要求をするということで大変力を入れておるわけでございます。本県におきますエイズ対策費はどんな程度なんでしょうか、衛生環境部長にお尋ねをいたすものでございます。 ところで、(資料を示す)このポスターをひとつ宣伝のために皆さんにお見せをいたしますが、これは有名な女優さんですね。南野さんと言うんだそうでございますが、映画になっておりますけれども、こういうポスターをひとつ皆さんのお近くでも掲げていただきまして、エイズ予防の宣伝を積極的に県議会議員はやっておるというところを見せていただきたいと思うわけでございます。 さて、最後でございますが、世界エイズデーは十二月一日ということになっておりますけれども、エイズデーではなくてエイズ週間、あるいはエイズ月間というように運動の幅を広げまして強化をする必要があるというふうに思うわけでございますので、ぜひ御検討をいただきたいと思うわけでございます。 次に、生活排水と手づくり石けんにつきましてお伺いをいたします。 昭和六十三年から始まりました県のブルーリバー作戦の一環といたしまして、食用廃油を使いまして石けんをつくるという運動が積極的にされたわけでございます。これは、本県のブルーリバー作戦のいわゆる住民向けの運動としてされたわけでございまして、市町村に対しましては、定期的な回収をしたり、あるいはこの回収した油を業者に引き渡したり、あるいは適当に処理をしなさいというようなことを市町村には指導をしておるわけでございます。一般県民家庭におきましては、調理の工夫によりまして油などを使い切るように、あるいは市町村の行う廃油回収システムに乗って、ひとつそこで回収をしてもらう、新聞紙や布に吸収をさせてごみとして捨てていただく、油を自分の家で処理をするとか、こんなことで川へ流さない運動をされまして、その一環として手づくり石けんを御指導をなさったわけでございます。 ところが、本年六月、廃食用油を原料にした手づくり石けんの盛んでございます滋賀県の県議会におきまして、手づくり石けんの製造使用に待ったがかけられたわけでございます。手づくり石けんのいわゆるこうしたグループの運動に対しまして、どうもブレーキをかけることになったわけでございます。手づくり石けんは、市販品に比べ水質汚染の指標となる生物化学的酸素要求量--長い用語でございますが、BODというものでございますが、一般石けんに比べて二倍も高く水質を汚染すると、こういう発表があったわけでございます。これに対しまして本県揖斐川町の手づくり石けん運動グループは反論をいたしまして、滋賀県のデータは無理がある、実際に川に手づくり石けんを流したとき、川の中で石けんが分解されることを考慮していないということでデータを示しまして反論をしたわけでございます。手づくり石けんは手に優しいとか、あるいは自分たちの川をきれいに保つということで、つくったり使用したりしてきたわけでございますが、本当に大丈夫であるか、市民、県民の間で戸惑いは隠せないものがあるわけでございます。今後県の対応としてどのような指導をされていくのか、お示しをいただきたいと思うのでございます。 次に、県営上水道の水価につきましてお伺いをいたします。 県営水道は、昭和五十一年十一月から東濃用水がスタートいたしまして、昭和六十三年には可児地区が編入になりまして、現在は七市六町、四十四万六千三百人の人々がこの水の供給を受けておるわけでございます。さて、県営水道の始まりました当初は、非常な経済的な変動によりまして施設の稼働率が大変低かったということもございまして、大量の不良債務を発生をさせたわけでございまして、この不良債務を解消するために、昭和五十六年度から十カ年計画の自主財政再建策が実施をされまして、その努力の結果、一年その期間が早まりまして、不良債務の解消が達成されたわけでございます。これを受けまして、平成元年の十二月一日から一トン当たり百四十四円でありましたものを、消費税がちょっと設定をされましたものですから、消費税四円を含めまして、百四十一円に暫定的に引き下げをされたわけでございます。翌平成二年度から一六・五%値下げをされましてトン当たり百三十七円を百十四円に、これは消費税を含んでおりませんが、現在に至っておるわけでございます。この百十四円という水価は、「県庁内に県営水道事業経営検討委員会を設けまして、過去の経緯及び受け入れ市町村の申し込み水量等を踏まえて、今後十年間の長期的な収支を綿密に検討いたしまして、現時点で可能な限り引き下げました」。こういうふうに知事答弁があるわけでございます。 こうした十年計画によりますと、かなりの多額の利益剰余金が発生をするということで、もっと引き下げられるんではないかということで、平成二年の三月には片桐議員さんから御質問があったわけでございますが、そうした剰余金に対しまして、県の答弁の中では、一つは、借入金の償還財源に充てるとか、あるいは十四年を経過した施設の整備、更新にお金が必要だとか、あるいは水源確保のために岩屋ダムあるいは阿木川ダムにかかわる負担金が要るんだとか、その他不測の災害等々にお金が要るんだとかというような答弁が開発企業局長からあったわけでございます。 また、私が本年三月に質問をさせていただきまして、料金改正について三年程度のローテーションで見直しを考えており、平成四年度中に見直しを行いたい旨の発言があったわけでございます。料金改定に当たっては、「平成二年度からの十カ年計画、この計画でも予測し得なかった水需要に対処し、給水施設の改善及び拡張、調整池の整備、ダム等の水源確保など、安定供給体制の確立に必要な施設整備、施設改良を図る中で料金問題を検討してまいりたいと考えております」と、こういうふうに局長がお答えになっておりますが、こうした当局の県営水道水価に対する答弁を聞いておりますと、今年度中には長期収支計画の見直しをされるものと思っておるわけでございまして、現時点での当局の考え方をお示しを願いたいと思う次第でございます。 次に、偏差値教育につきまして御質問をいたします。 子を持つ比較的若い御父兄でございますと、この偏差値というのがよく御理解をいただいておるところでございますが、児童生徒の能力評価に偏差値という物差しが登場いたしましたのは、昭和三十年代後半からと言われております。昭和五十一年には四十七都道府県のすべてが業者テストを進学指導に利用していることがわかりまして、文部省は安易な業者テストに依存するなと通達を出しておったところでございます。今回、文部省の調査では、四十二都府県において業者テストが行われており、そのうち九都県において私立高校に業者テストの結果が提供されたと言われておりまして、本県もその該当県であります。中学校から私立高等学校に入学する場合、入学相談時に業者テストの得点の提示を受けていた学校が数校あったというものでございまして、文部省からの改善要求に検討すると答えたと新聞に報じられておるところでございます。 そこで、偏差値重視の一般入学の問題点として、一つは合格判定に多様な能力評価を加味しようという発想で推薦枠が拡大をされてきております。それが単に入試と業者テストの二本立てになっているにすぎないのではないか、ペーパーテスト以外の要素を十分に考慮しない推薦入学制度であるとしたならば、要はテストで決めるということになりますので、推薦入学制度は無意味ということになるのでございます。二つ目は、青田刈りの激化につながりはしないかという問題でございます。私立校が推薦枠を広げているのは、偏差値の少しでも高い生徒を早く確保しようとするもので、中学校生活を問い直さなければならないことにつながるわけでございます。三つ目は、偏差値の高い学校はよい学校だという偏見から、少しでも偏差値の高い学校へ入学するために業者テストの点数争いをあおっておるのでございます。新聞等の報道によりますと、他県では、出題内容が生徒間で売買されたり、先発の受験生が問題を後に受検をする人に教えたりということがございまして、点数はかなり動くと言われております。 以上、若干の問題点を申し上げましたが、要は、中学校における県教育委員会、学校の進路の指導の問題に詰まるのでございます。偏差値重視の教育がどれだけ中学生徒の胸を痛めたか、過去の犠牲者も多いと聞くのであります。最後に、業者テストそのものについて、業者テストにかわる一つの方法として、一部の都道府県で公益法人などによる統一試験が行われていることについての評価について、文部省でも今後の課題として検討されるようでございますので、本県教育委員会におきましても検討課題とされるようお願いをいたしまして、偏差値教育についての質問を終わります。 仮称 情報館についてお伺いをいたします。 仮称 情報館建設につきましてお伺いするわけでございますが、県は、高度情報化社会、生涯学習社会の中にあって、あらゆる県民が便利で快適な生活を営めるように支援する情報拠点としての機能を備えた新しい図書館を建設することとし、平成二年度、基本計画、平成三年度から実施計画に入り、本議会に工事等の請負契約締結の議案が上程されておるところでございます。可決をされますと、平成六年度に工事が竣工いたしまして、同七年には百五十七億円余を要しまして開館の運びとなるのでございます。 そこで、若干の点につきましてお尋ねをするものでございます。 一つ、新図書館の名称でございますが、現在は仮称 情報館ということでございますけれども、正式にはどのようなネーミングをされるんでしょうか。 次に、仮称 情報館には四つの機能を持たせたいとされておりますけれども、そのうち、開かれた機能と情報の中枢となる機能について、特に次の点についてお尋ねをいたしたいと思います。 一つ、市町村立図書館を初め、県内の各機関、施設などと通信ネットワークをつくるとしておりますが、県内の各機関、施設とは、図書館はもとより、公・私立資料館、歴史館などがこれに当たると思うのでございますが、ほかにどんなものをネットワークしようとされているのかお教えをいただきたい。 二番目といたしまして、資料等の貸し出しの新しいシステムを整備して、県内全域から利用を可能にするとしておりますが、すばらしいことでございます。特に行政資料、情報を積極的に収集し提供することは、開かれた行政にもつながることとなるのでございます。これらの事柄も、市町村の図書館の質といいますか機能の整備をしてまいりませんと、新しいシステムをつくりネットワークすることは不可能と思うのでございます。そこで、市町村図書館に対する支援についてお尋ねをいたします。現在、市町村の図書館の整備は、施設的にも、あるいは人的にも十分とは言えません。今後、人材の育成、職員の研修とともに、財政援助など市町村図書館の支援対策はどのように考えていかれるのかお尋ねをいたしまして、最後の質問に入ります。 交通死亡事故抑止策についてでございます。 第二次交通戦争と言われる今日、全国の交通事故死者数は、昭和六十三年以降、五年連続をいたしまして一万人を超えております。本県においても、十二月八日現在、二百四十二人を数えておるのでございまして、前年同期に比べますと十六人の増加、パーセントにいたしますと七・一%の増加ということでございます。これは、二十四時間以内に死亡した人の数でございますが、来年四月一日から、警察庁は、三十日以内に死亡した人も正式にカウントする、集計をすることといたしておりますので、これを潜在死者数というそうでございますが、昨年度の潜在死者数は六十六名おられるそうでございますから、この率、いわゆる二〇%近くが二十四時間以降一カ月以内に亡くなるということでございますから、大体この潜在死者数を推計をいたしまして加えますと、昨日時点で約二百九十名の方がお亡くなりになっておるということでございます。 こうした交通事故死者は、自動車台数や運転免許保有者の増加を初め、経済活動の活発化や高齢化社会が進展する中で、国、県、市町村、警察、あるいはまた交通安全協会など、関係者の懸命な御努力にもかかわらず増加の一途にあります。そこで、本年死亡事故二百三十五件で二百四十二人について、その特徴的な傾向をお聞きをしてみますと、若者が引き起こす事故が八十四件を占め、全運転者事故の約四二%と非常に高いのでございます。スピードの出し過ぎあるいは無謀運転によりまして、みずからの命を落としたりあるいは他人様を犠牲にするということでございます。二つ目は、歩行者や自転車利用者など、いわゆる交通弱者と言われております犠牲者が九十人、三七%。また多いわけでございまして、中でもお年寄りが約五一%、四十六人を占めておりまして、道路の横断中などに車の犠牲になることが多いようでございます。三番目は、これらの事故が夜間に約五一%、百二十一件と多く発生しておりまして、生活の夜型化の傾向が死亡事故にもあらわれておるようでございます。四番目は、シートベルトの非着用が非常に多くなっておるということでございます。シートベルトが装備されております四輪車あるいは乗用車の死者が、百十一人中、非着用で死亡した人が八十四名、七六%もあります。このうち四十四人がシートベルトをしておれば助かったかもしれぬと分析をいたしておるわけでございまして、いかにシートベルトが命綱になるかということがおわかりになるかと思うわけでございます。 以上のことから私が感じますことは、交通事故はそのほとんどが他人の行為とみずからの不注意で起きている、県民にとっていつ我が身に降りかかるかもしれない最も身近な危険であるということができます。このような状況を一刻も早く改める必要があるわけでございます。県民及び県警察の善処方を、過去におきましても数度にわたりまして御質問をさせていただいておるところでございますが、どうも一向にその実が上がらないというのが実情でございます。将来の日本を担う若者が安全に行動でき、現在の日本を築いてこられたお年寄りを初めすべての県民が安心して生活できるよう、改めて諸政策の一層の推進が必要と思うのでございます。 そこで、次の点につきましてお尋ねをいたします。 一つは、悲惨な交通事故の特徴的な傾向に見られる若者運転者対策、高齢者対策及びシートベルト着用対策が急務であり重要と考えますが、その取り組み状況につきまして御報告願いたい。二つ目は、事故防止対策は、関係機関、団体の対策の相乗効果に期待するものが大きいと考えますが、その対応についての考え方につきまして警察本部長にお伺いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。   (拍手) ○副議長(坂志郎君) 知事 梶原 拓君。    〔知事 梶原 拓君登壇〕 ◎知事(梶原拓君) 平成五年度の予算編成につきましてのお尋ねにお答えを申し上げます。 景気対策につきましては、私どもも重大な関心を寄せているところでございます。したがいまして、景気対策としての予算のあり方につきまして、私どもも大いに検討いたしておるところでございますが、国の五年度の一般会計予算は総額で〇・四%増と、昭和六十二年度以来の低い伸びになるという見通しでございます。そのうち公共事業関係費につきましては、景気対策としての配慮から四・八%程度の伸びが確保されると聞いております。本県では、本年二月、国に先駆けまして地域経済特別対策を策定したところでございます。その対策にのっとりまして年度当初から積極的な景気対策を進めているわけでございますが、さきの九月補正予算及び今議会の追加予算におきましても、公共事業三百四十八億円、単独事業二百二十億円の追加ということを初めといたしまして過去最大規模の景気対策関連予算を計上し、あるいはそのお願いをいたしておるわけでございまして、今後、国の景気対策がさらに具体的に明らかになりますれば、県といたしましても積極的にこれに呼応していかなければならないと、かように考えております。 生活大国の実現というお話がございましたが、本県におきましても、このことが県民の夢でもございます。夢おこし県政の目標は、県民総参加のもとに二十一世紀に日本一住みよいふるさと岐阜県を実現するということでございまして、夢投票の分析結果からいたしましても、県民の最も強い願望は、ゆとりのある生活を楽しむということでございます。国の生活大国の考え方と全く一致するものでございまして、夢おこし十年カレンダーは、いわば岐阜県の生活大国づくりである、そのカレンダーであると、かように理解をいたしております。特に今年度の当初予算におきましては、重点・点検項目といたしまして、高齢者福祉、道路、下水道を取り上げているところでございまして、こうした県民の御要望の強い事業につきまして着実な進展を図っているということでございますが、景気対策という局面におきましては、こうした県民の生活基盤整備のチャンスでもあると、かように理解をいたしておりまして、九月補正予算及び今回の補正予算で計上いたしました景気対策予算も、単なる景気対策という面だけではなくて、日本一住みよいふるさとづくりと、その基盤づくりとしても、こうした施設づくりを強力に推進すると、こういうような考え方が並行してあるということを御理解をいただきたいというふうに思います。 問題は財源でございますが、景気対策あるいは生活基盤整備、いずれにいたしましても財源の確保が重要な課題でございます。現在、国で議論をされております地方交付税の削減問題は、地方固有の財源を脅かすものでございまして納得できるものではございません。この地方交付税問題のみならず、国庫補助率の問題等、地方の財源に悪い影響を及ぼす問題につきましては、今後あらゆる機会をとらえまして、地方財政を守るため強く要望をしてまいる所存でございます。一方、県といたしましても、歳出面では、経常経費の徹底した節約、あるいは複合予算、付加価値予算、外部財源活用予算、こうした考え方をさらに徹底いたしまして、財源の有効活用を図ってまいりたいと考えております。 公共料金の引き上げの問題でございますが、使用料及び手数料につきましては、住民負担の均衡、公平化を図る観点から、これまで三年ごとに見直しをすることといたしてまいりました。今後、物価水準の推移、事務処理コスト等を十分考慮した上で、実態に即した価格を定めていくことを考えております。 ○副議長(坂志郎君) 総務部長 桑田宜典君。    〔総務部長 桑田宜典君登壇〕 ◎総務部長(桑田宜典君) まず、情報公開についてお答えをいたします。 情報の公開につきましては、県におきましてもその意義を認識し、かねてから行政情報公開基本問題研究会を庁内に設置しまして調査研究を続けてきているところでございます。県の保有します情報を県民に広く公開していくことは、県民の県政への参加を促進し、県政に対する理解と信頼を深めるという点からも重要であると考えております。そこで、県におきましては、情報提供の充実を県政の主要課題として、昨年四月には、財団法人 岐阜県広報センターを設置いたしますとともに、「ふれあい くらしと県政」「フォトぎふ」などの充実、さらにはタウン誌の活用、テレビ、ラジオ番組の強化など、広報活動に重点を置きつつ、行政資料室あるいは歴史資料館等における情報提供にも努めてまいってきております。さらに各種刊行物情報やコンピューター及びハイビジョンなどのニューメディアを備えました仮称 情報館あるいは未来会館、さらにはふれあいセンターの建設を通じまして、一層情報提供機能の充実、拡大を図ることといたしております。一方、国の状況を見ますと、総務庁に設置されました情報公開研究会におきましては、平成二年九月に中間答申が出されましたが、この答申を受けて、各省庁連絡会議では行政情報公開基準を制定されまして、行政に対する国民の信頼の確保及び行政情報の有効利用という観点から、公開が可能な情報については広く公開していくという方針であると聞いております。県におきましても、こうした情勢を踏まえまして、国の基準に沿って基礎的な文書整理をしておりますけれども、新年度に入りまして本格的な体制の整備に努めまして、その体制が整い次第情報公開条例の制定をしたいと考えております。 次に、揖斐川町土地開発公社の経理についてお答えを申し上げます。 最初に、御指摘のありました市町村指導についてでございますけれども、平成元年度には、企画部、土木部とも連携をいたしまして、さらにまた国税の担当調査官も講師に招きまして、市町村担当課長を対象とした土地取得処分関係事務の研修会を開催し、土地利用対策、公有地の先行取得、土地税制、また公有財産管理事務などにつきまして具体的に研修を実施いたしました。また、平成二年度におきましては、各県事務所ごとに具体的な留意点を示しまして、公社業務の適正な運営が確保されるよう指導いたしましたほか、農政部の職員、国税の担当調査官も講師に招き、公社の理事長や理事を対象とした役員研修会も実施いたしました。さらに、これと並行しまして、平成元年度より、個別の公社に対する実地指導件数を大幅にふやしまして、また平成二年度からは市町村財産管理担当者研修会を県下四ブロックで実施するなど、公社及び市町村における適正な用地取得、あるいは処分、管理等について、その適正化の指導に努めてきたところでございます。そうした中で今回の問題が起きましたことは遺憾に存じております。 次に、今回の問題に対する町三役の個人責任並びに税の未課税の責任についての御質問でありますけれども、現在、公社理事会あるいは町議会等におきまして事実等の確認の調査が行われておる段階でございます。県としましては、これらの推移を踏まえながら適切な時期に調査を実施するなど、事実関係を把握の上、適正な処理が行われるよう指導してまいりたいと考えております。 最後に、町政運営全般に対する執務体制の確保についての御質問でございますが、責任ある慎重な対応をしていただき、円滑な町政運営が行われるよう要請をしているところでございます。 ○副議長(坂志郎君) 民生部長 細井日出男君。    〔民生部長 細井日出男君登壇〕 ◎民生部長(細井日出男君) 老人保健福祉計画の推進についてお答えいたします。 まず最初に、市町村老人保健福祉計画の作成スケジュールについてでございますが、現在、計画作成の前提となる高齢者基礎調査の電算集計が終了しており、今年度中にその結果の分析、各種サービスの現状評価、将来人口推計などを完了することとなっております。そして五年度には作成作業を進め、十二月までに計画原案を作成し、県計画との調整の上、五年度内にすべての市町村が作成を終えることとしております。 次に、作成委員会と懇談会についてでありますが、計画作成に当たりましては、既存の組織の活用も含め、医師、保健婦、ホームヘルパーなど、保健、医療、福祉関係者が参画する作成委員会を設置するよう指導しており、また、寮母等福祉従事者を初め地域住民の方々の意見を計画に反映させるため、懇談会等を開催するよう指導してまいりたいと考えております。 次に、議会との関係につきましては、国は作成ガイドラインにおいて、その議を経ることを要しないとしておりますが、議会に対する説明をする機会を設けるよう指導しております。議員御指摘の各自治体間の意見交換等につきましては、特別養護老人ホームなど広域的利用施設の整備計画のためにも重要でございますので、県福祉事務所ごとの高齢者福祉サービス地域調整会議等を利用して図ってまいります。なお、老人保健福祉計画は、地域の実態に詳しい市町村がみずから手づくりで作成するよう研修会等で指導してまいりましたが、何らかの形でコンサルタントを利用するとしても、すべてを任せるのではなく、その知識を活用しながら、あくまでも市町村が主体となって計画づくりに当たるよう指導してまいります。 市町村計画とともに作成する県計画は、広域的観点から市町村を支援し、広域調整を目的として作成するものでありますので、例えば、在宅福祉サービス等の目標量等は、市町村計画を踏まえたものになると考えております。また、県計画の老人保健福祉圏につきましては、岐阜県保健医療計画に定める二次医療圏とか広域市町村圏等を勘案しつつ今後検討してまいります。 また、マンパワーの確保対策と相まって、広く県民を対象とした介護研修の場であるさわやか介護セミナー開催事業を今年度から開始しておりますが、一人でも多くの方が受講できるよう実施箇所をふやすなど、市町村を指導してまいりたいと考えております。 ○副議長(坂志郎君) 衛生環境部長 井口恒男君。    〔衛生環境部長 井口恒男君登壇〕 ◎衛生環境部長(井口恒男君) まず、エイズ対策につきましてお答え申し上げます。 エイズ予防対策についてでありますが、エイズの正しい知識の普及啓発や保健所での匿名のままでのエイズ抗体検査を行うというようなものが主要なものとなっておるところでございます。特に、正しい知識の普及啓発につきましては、一般県民のみならず、企業とか労働団体などを重点にしましたPRやイベントの開催などを積極的に展開しているところでございます。そのうち、イベントにつきましては、従来の講演などを中心としましたシンポジウム形式のものから、本県独自の方式としまして、演劇やトークを取り入れました参加者にわかりやすい方法を行っておるところであります。昨年は、岐阜市でNHKの田畑彦右衛門さんらによりますクイズと人形劇を主としました母と子のAIDSゼミナールを開催し、千五百人の参加を得たところであります。本年は、高山市で演劇とトークによります飛騨エイズ予防の集いを開催し、千三百人の参加を得たところであり、今後同様のイベントを県下各地域で順次開催したいと計画をしておるところであります。また、イベントを当日のみで終わらせないように、昨年上演されました人形劇につきましても、英語版と日本語版のビデオにしまして、岐阜県版のエイズ教育ビデオとしまして衛生教育に使用しておるところでございますし、販売も行ったところであります。英語版につきましては、エイズ予防財団を通しましてWHOへ本県のエイズ予防活動として報告もされておるところであります。また、日本語版につきましては、全国各地から購入の申し込みがありまして、今までに三百本ほどの販売がされておるところであります。本年上演されております演劇につきましても、同様にビデオ化して活用していきたいと考えておるところであります。 次に、エイズ対策費についてでございます。 本年度の予算は三百三十万円ということで、保健所におきます検査体制の整備を中心としたものでありますが、このほかにエイズ予防財団等の外部資金を活用して、先ほど申し上げましたようなイベントを開催したところであります。来年度におきましても、国の取り組みを踏まえまして、所要額につきまして現在積算しておるというところでございます。このエイズ対策事業に当たりましては、議員御提案のエイズ週間事業等につきましても今後検討課題としていきたいと考えております。いずれにしましても、エイズには特効薬はなく、御指摘のような正しい知識の普及というものが最良の薬物であると言われておるような現在、この啓発をさらに推進してまいりたいと考えております。 次に、生活排水と手づくり石けんということでございますが、昭和六十三年度から、本県におきましては、生活排水対策の一環としまして、各家庭におきます調理くず、それから廃食用油、これは使用後の食用油でございますが、これらを流さない、洗剤を適正に使用するというような実践活動をブルーリバー作戦と名づけまして、県民に広く普及を図ってきているところでございます。このような中で、廃食用油の適正処理の一つとしまして、県内でも、婦人会、生活学校等による石けんづくりが地域環境保全活動として実践されておるところであります。こうした手づくり石けんの河川の水質に与える影響につきましては、市販の石けんよりBODが高いと言われておるところでございますが、廃食用油を川に直接流すということに比べますと、その影響ははるかに小さく、そのBODも数百分の一ということで減少するわけでございまして、この石けんにつきましても効果の大きいものであると考えておるところであります。環境問題は、住民一人ひとりが日常の生活の中で関心を持ち行動していただくということが重要でありますので、このような石けんづくりは、一般河川等の水質保全対策、さらには環境保全意識の高揚の上でも意義があるものと考えておるところでございます。今後とも、県民皆様の協力を得ながらブルーリバー作戦の定着化に向けて推進してまいりたいと考えておるところでございます。 ○副議長(坂志郎君) 開発企業局長 岩垣儀一君。    〔開発企業局長 岩垣儀一君登壇〕 ◎開発企業局長(岩垣儀一君) 県営上水道事業についてお答えをいたします。 県営上水道は、東濃用水では五市一町、可茂用水では二市五町、合わせて県下の約四分の一に当たる四十四万六千人余の県民の方々に安全でおいしい水を安定供給するという重要な使命を持って水道経営を行っております。現在、十年間の長期収支計画を見直し作業中であります。 その考え方については、県営上水道事業の健全経営の確保と長期安定給水を基本といたしておりますが、一つには、給水量の急増により施設能力が限界に達しつつあり、その拡張整備が必要であること、二つには、突発的な事故や災害時などの緊急事態に対応した施設が必要なこと、三つには、給水開始以来十六年を経過して施設が老朽化しており、更新を急がなければならないことなどで莫大な費用が必要であります。また、設立当初からの借り入れ残高は約二百億円と多額に上っております。一方、業務の委託など経営の合理化にも検討を加えつつ長期収支計画の見直しをしておりますが、その内容は大変厳しい状況にありますので、御理解を賜りたいと存じます。 ○副議長(坂志郎君) 教育長 澤田 確君。    〔教育長 澤田 確君登壇〕 ◎教育長(澤田確君) 初めに、エイズ対策についてお答えをいたします。 近年、エイズは、若い世代にも感染が広がりつつあることが指摘されており、今後の予防対策が緊急の課題となっております。県教育委員会としましても、事の重要性を認識し、昭和六十二年度に教育長通知を出し、児童生徒にエイズに関する正しい知識を持たせるとともに、いたずらに不安を持ったり感染者に対する差別意識を持ったりしないよう各学校を指導してきたところであります。本年度に入り文部省から高校生用パンフレットが発刊され、全高等学校に配布されたのを初め、近くエイズ教育用ビデオ及び指導書の配布も計画されております。県としましても、これらの資料を踏まえ、具体的な内容や指導方法を盛り込んだ独自の手引書の作成について検討を進めております。また、教職員の各種研修会等において、エイズに関する指導の目標、発達段階に応じた指導内容、指導体制の確立などについて一層の周知を図り、適切な指導に努めるとともに、諸外国のエイズ教育の実情把握にも努めるようにしてまいりたいと考えております。なお、社会教育におきましては、各市町村の社会教育指導者や社会教育関係団体の指導者等に対しエイズ教育普及啓発講座を来年の一月から実施することとしております。 次に、偏差値教育についてお答えをいたします。 中学校における進路指導は、生徒一人ひとりの進路希望や、興味、関心等を尊重しつつ、日ごろの学習成績や活動の状況等に基づき、多面的、総合的に行われるべきものであり、業者テストの結果等に過度に依存することは問題であると考えております。御指摘のあった業者テスト結果の提出問題については、直接に合否判定の資料として利用していた実態はないものと承知しておりますが、いずれにしても、今回のような事例は早急に改善する必要があると考えております。このことに関連しては、進路指導の改善、充実について通知を発するとともに、関係者に対し、入試や進路指導のあり方を検討するよう指導したところであります。県教育委員会としましては、今後とも一層指導の徹底を図ってまいりたいと存じます。 最後に、情報館についてお答えをいたします。 まず名称でありますが、この名称は仮称でございますので、今後各界の代表で構成されております岐阜県社会教育委員の会、岐阜県図書館協会や岐阜県読書サークル・読書推進協議会などの御意見をお聞きし、県議会とも御相談を申し上げながら十分検討してまいりたいと思います。また、新しい施設においては、コンピューターを導入し、所蔵する資料情報をデータベース化し迅速に提供できるシステムの構築を計画しております。このシステムは、館内運用だけでなく、広く県内の各機関、各施設とネットワーク化を図り、所蔵資料、出版情報はもとより、生涯学習情報も提供し、すべての県民が県内の市町村図書館等を通じ新しい施設を利用できるようにしたいと考えております。ネットワーク化する具体的な施設といたしましては、市町村図書館、公民館、学校図書館や美術館、博物館などの教育機関、さらには行政機関、研究機関などを考えております。 続いて、市町村立図書館に対する支援についてお答えをいたします。 市町村立図書館は、生涯学習社会における中核的施設として重要な役割を担うものであります。現在、県内二十七市町村に、分館も含めまして三十三館が設置されておりますが、今後とも市町村立図書館等が地域のニーズに即して計画的に整備されるよう引き続き支援してまいりたいと思います。また、図書館職員の育成や資質の向上につきましては、現在実施しております各種の職員研修や児童奉仕実践研修等の一層の充実に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。 ○副議長(坂志郎君) 警察本部長 倉澤豊哲君。    〔警察本部長 倉澤豊哲君登壇〕 ◎警察本部長(倉澤豊哲君) 交通死亡事故抑止対策についてお答えいたします。 御質問第一点目の交通死亡事故の特徴的傾向を踏まえた対策の取り組み状況についてであります。 若年運転者対策につきましては、議員御指摘のように、若者が安全に行動できるよう育成することが必要でありますので、運転免許取得時の初心運転者教育を初め、運転免許手続の機会や家庭訪問、安全運転協議会、職場の安全運転管理者を通じ、実技の充実と思いやりの心を持てる人づくりを重点的に指導しているところであります。さらに、運転免許の更新時等において、科学的運転適性検査器の整備を図り、運転適性診断を踏まえた個別的、具体的な指導を充実してまいりたいと考えております。 次に、高齢者対策についてでありますが、昭和六十一年から県下二十五カ所に高齢者交通安全モデル地区を指定し、広報啓発活動を初め、安全教育、街頭指導、環境整備等の総合対策を実施しております。なお、高齢者の事故は、道路横断中や夜間に多いというのが実態でありますので、高齢者交通安全三つの運動として、道路横断時の安全を図る安全な横断運動、夜光反射材の普及を図るピカピカ運動、周りの者がお年寄りに配意する思いやり運動を地域ぐるみで推進しているところであります。また、老人クラブの会合、ゲートボール場等へ参集する高齢者に対しては、地域の高齢者交通安全指導員、警察本部の交通安全教育班、あるいは警察署員等が出向いて指導をしているところであります。今後も、これらの諸活動を鋭意推進するとともに、交通安全教育班の装備資機材を充実し、教育効果の高揚に努めてまいりたいと考えております。 次に、シートベルトの着用対策につきましては、議員御指摘のように、もし着用していたならば約五二%に当たる四十四人の方が助かったであろうとの分析結果が出ております。また、シートベルト非着用者は、最高速度違反や追い越し違反など危険な違反をする比率が高いという結果も出ております。シートベルトの着用は全般的な事故防止につながるものであります。これらを踏まえて、毎月十五日をシートベルト取り締まり強化日に指定するなど、指導取り締まりを行っているほか、正しい着用の方法、着用の効果事例等の広報啓発を、職域、地域を中心に推進しているところであります。 御質問第二点目の、関係機関、団体への対応についてお答えいたします。 交通事故は、人、車、道路、環境等の諸条件によって発生するものでありますので、関係機関、団体の連携した対策が必要であることは、議員御指摘のとおりであります。特に警察は事故処理を担当し、その統計分析を行っておりますので、事故実態等の情報を的確に把握できる立場にあります。そうした立場から、関係機関、団体に対しては、情報を提供し、対策の協議、提言、要望等を行っているところでありますが、さらに情報を迅速、的確に提供し、対策の相乗効果の高揚に努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(坂志郎君) 知事 梶原 拓君。    〔知事 梶原 拓君登壇〕 ◎知事(梶原拓君) 失礼いたしました。答弁の補足をさせていただきます。 このたび衆議院で可決されました「政治倫理確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律案」は、議員御指摘のとおり、政治倫理の確立を期し、政治家の資産の状況等を国民の不断の監視と批判のもとに置くため、政治家の資産等を公開する措置を講ずる等の必要があるとの理由から提案されたものと承知いたしております。その趣旨に全面的に賛同いたすものでございます。したがいまして、期限は平成七年末ということになっておりますが、この法律が施行されれば、一日も早く条例化を図りたいと考えておりますが、県条例を制定する場合には、資産公開の対象となるのは知事と県議会議員ということでございますので、今後県議会の御意向も踏まえながら積極的に対応してまいりたいと考えております。 ○副議長(坂志郎君) 八番 中村 慈君。    〔八番 中村 慈君登壇〕(拍手) ◆八番(中村慈君) 発言のお許しをいただきましたので、五項目について質問をいたします。 まず最初に、福祉への取り組みにつきまして、知事さんにお尋ねいたします。 岐阜県においては、昨年度策定されました岐阜県二十一世紀ビジョンにおいて、日本一住みよいふるさと岐阜づくりの一環として、温かい岐阜県づくりを目標に、生きがい、ふれあい、気くばり福祉を推進することとされております。具体的には、二十四時間安心在宅介護構想とか、シルバー生きがいホーム構想とか、優しさあふれる気くばりタウン構想などを推進していくこととされております。我が町高山市におきましても、日本一の福祉の町を目指して、飛騨地域の温かい人情を生かした福祉の町づくりが着々と行われております。地域に即した創意と工夫に満ちた福祉サービスの提供を目的とするふれあいのまちづくり事業を初めとし、各種の事業が行われております。本年六月から実施されております健康な高齢者を対象にしたふれあい入浴サービスは、市内の銭湯十四カ所を利用した高齢者のための入浴サービスで、一回約九百名もの皆様方が利用されておられるところでございます。また、在宅の寝たきり老人等に対するいきいき入浴サービスも八月から週二回実施されておりますが、そのための送迎入浴サービスも行われております。あるいは車いすのまま乗れる自動車を購入し、タクシー協会に貸しつけ、ふれあいタクシー事業、これは十二月の二十一日からスタートしますが、それらはどこの市町村でも実施していないような大変ユニークな事業であります。そしてまた、来年度は特別養護老人ホームをさらに一カ所設置していただくために、福祉法人清徳会にお願いをしたり、また、県におきましても、厚生省が計画いたしました高齢者、障害者に優しい町の実現のため、歩道の段差解消、歩道の拡幅、点字ブロックの設置などを行う地域福祉推進特別対策事業を実施されています。さらには、高齢者に対応するための、既に述べました事業を含めたさまざまな機能の総合的、計画的な整備を図るための基本となるふるさと二十一健康長寿のまちづくり基本計画策定市町村に、岐阜県下で初めて高山市が指定されました。このように、高山市においては、福祉の町日本一を目指して、市民の全面的な協力のもとに、関係機関を挙げて取り組んでおります。県当局の一層の御支援をお願いするものであります。 もとより福祉への取り組みは、福祉担当部局は言うまでもなく、高齢者、障害者に優しい道路づくりということになれば土木部、あるいは医療関係ということになれば衛生環境部、高齢者の人たちが真心を込めてつくられた作品を売るということになりますと商工労働部、あるいは授産施設を農政がどうして応援できるかというようなことの連携のもとに、総合的に全庁的に推進する必要があると思います。福祉政策の取り組みにつきまして、知事の基本的な考え方をお伺いいたします。 次に、高年齢者の就業対策につきまして、商工労働部長にお尋ねいたします。 厚生省が発表いたしました平成三年の簡易生命表によりますと、日本人の平均寿命は、男性が七十六・一一、女性が八十二・一一歳で、それぞれ世界最高を維持していることが明らかになり、今後も平均寿命が下がる要素がないため、当分世界最長寿は揺るぎそうにないと発表されております。我が国では、平均寿命の伸びに出生率の低下も加わって、非常に早いスピードで高齢化が進んでおります。また、先般公表されました平成三年県人口動態調査に基づく岐阜県生命表によりますと、岐阜県では男性が七十六・七七歳、女性は八十二・二二歳で、県生命表の作成が始まった昭和五十五年以降最高となっております。国の平均寿命を上回る高齢化のテンポで推移しております。 一九五六年の国連レポート「人口高齢化とその経済社会的含蓄」によれば、総人口に占める六十五歳以上の人口の割合が七%以上の社会を高齢化社会と言っております。我が国の場合、六十五歳以上の人口が七%を超えたのは昭和四十五年であり、二十年後の平成二年には一二%になっており、また、厚生省人口問題研究所の日本の将来推計人口では、平成十二年が一六・九%、平成二十二年が二一・一%、さらに三十二年には二五・二%に上昇すると見込まれております。つまり、六十五歳以上の高齢者は三十年後には今の二倍以上に増加し、高齢者は、現在の八人に一人から四人に一人の割合となることが予測されております。同様に岐阜県におきましてもほぼ同じ状態をたどっていくものだと思われております。一方、働く人々の状況を見ますと、労働省の推計によれば、労働力人口全体に占める五十五歳以上の割合は、平成二年の二〇・二%が、平成二十二年には二六・九%に上昇することが予測されており、近い将来、労働力人口の四人に一人が高年齢者となるわけであります。 これまで仕事の面では、高年齢者というと、年齢による心身機能の低下の側面が強調されてきました。確かに人は年をとるにつれて、感覚機能、筋力、体力、運動能力、知能能力などが低下することは事実であります。しかしながら、職業の世界では経験というものが職業能力を成り立たせるための重要な要素であります。心身機能が低下するからといってすべての能力が低下しているわけではないのであります。むしろ高年齢者は、若い人たちにはない貴重な能力をたくさん持った人たちであるということであります。また、高齢者の就業意向を見ますと、約三分の二の人たちが何らかの形で仕事を続けたいとしております。就業目的も、経済面、健康面等個人差が大変大きくさまざまであり、家族の生活を維持するためとか、あるいは生活に少しゆとりを持たせるため、あるいは健康、生きがい、社会参加のためなど、その中身は個々の人々によってそれぞれ異なっております。一方、長年にわたって会社社会の中で生きてきた高年齢者は、定年になったからといって家庭に入り込み、会社から隔離された状態になることは不安を抱くことになります。社会の価値観が変化し、仕事・会社中心から、仕事と余暇の両立へと生活志向が変わりつつある現在、企業戦士として生きてきた現在の高年齢者は、会社以外に生きる空間、場所を見出すことが困難であると思われます。家にいてもすることがない、どうしてよいかわからないという方々が、長年なれ親しんできた会社社会の中で心の安定を図ろうとすることはごく自然なことであり、何らかの形で社会とのつながりを持ち続けたいと願う高年齢者の気持ちは至極当然なことと思うわけであります。 以上、高齢化社会、高齢者の特性について述べたところでありますが、これから二十一世紀に向けて急激な高齢化社会を迎える我が国にとって、こうしたさまざまなニーズを持った高年齢者の活用は、社会全体における人的資源の最適配置という観点で重要な意味を持っております。そこで、国においては、高年齢者の雇用対策として、六十歳定年の定着、六十五歳までの継続雇用等の施策が積極的に推進されているところでありますが、特に定年退職者等の高年齢者の対策として、今までの職業経験や技能を生かしながら働きがい、生きがいなどの充実を図り、仕事を通して地域社会に参加できるシルバー人材センターが県下各地に設置されており、それぞれの地域で活躍されております。 私の住んでおります高山市におきましてもシルバー人材センターがありまして、約二百五十名の高年齢者の方々が、その持てる能力を生かし明るく伸び伸びと実に丁重な仕事をされ、地域の人々に大変喜ばれております。今やシルバー人材センターは、地域になくてはならないものとして着実にその実績を上げておられます。しかし、これから超高齢化社会を迎える中にあって、会員の拡大や就業の機会の増大を図り、事業をさらに充実させていくとともに、今後センターの広域化、すなわち、今は高山市の場合は高山市の在住者しか参加ができないとか、あるいは仕事も高山市内の仕事しかできないというようなことがあるわけでありますが、広域化の問題を考慮に入れていく必要があると思います。諸物価、人件費等の高騰などの社会情勢の変化もあって、その運営は大変御苦労されていると聞いております。そこで、高年齢者の雇用対策を含め、こうしたシルバー人材センターへの支援、広域化などについて、商工労働部長にお伺いいたします。 次に、女性の社会参加の促進について、総務部長にお尋ねいたします。 女性問題が世界的に話題になり始めましたのは、昭和五十年にメキシコで国際婦人年世界会議が開かれたころからであります。国連では、この年を国際婦人年と定め、あらゆる分野への女性の参加、実質的な男女平等等の促進、女性の潜在能力の活用を唱え、この会議においてメキシコ宣言として採択されました。また、翌年の昭和五十一年から六十年の十年間を国際婦人の十年と定められたところであります。最終年の昭和六十年七月、ナイロビの国際婦人会議では、長期的活動のガイドライン「二〇〇〇年に向けての婦人の地位向上のための将来戦略」が全会一致で採択され、国内における基本戦略を実施するための措置などが示されました。一方、我が国においても、総理府に婦人問題企画推進本部が設置され、以来十七年目を迎えようとしております。その間に、昭和六十年六月に男女雇用機会均等法の成立を初め、国内法、制度の条件整備の後、女子差別撤廃条約が批准され、平成三年五月に育児休業法が成立し今年四月から施行される等、法律面での整備に引き続き、男女平等をめぐる意識変革に対する活動も積極的に展開されてきたところであります。 我が国における女性を取り巻く社会環境を眺めてみますと、働く女性が増加しつつあります。平成三年度、労働省の資料によりますと、全雇用者に対する女子雇用者の占める割合は三八・三%と、引き続き上昇しつつあるとしています。そこで、多くの企業においては、女性の能力を見直し積極的に評価する動きが見受けられ、女性が意欲と能力を発揮して働ける制度づくりへと志向するようになってまいりました。女性が自分の生きがいを自由に選択し、自分の人生を自身で設計することにより自己実現を図ろうとする動きが活発になってきたのは当然と言えましょう。 こうした状況の中で、本県における婦人問題行政は、国の動きに合わせ、昭和五十二年に担当窓口が開設され、婦人問題懇話会が設置されました。そこでは、婦人の地位と福祉の向上等についての提言をまとめられたり、岐阜県婦人行動計画を策定されました。しかしながら、世の中の動きは予想をはるかに超えており、女性の社会進出は目覚ましいものがあります。その要因の根底には、県内女性の平均寿命が全国よりも〇・一一歳上回っていることや、昭和五十九年から続いている出生率の低下も見逃すわけにはまいりません。県におかれましては、このような状況に対応すべきさまざまな対策を講じていただいておりますが、今後一層女性の社会参加を促進するためには、まだまだ多くの課題を解決しなければならないと考えております。二十一世紀に向け、女性の地位向上を図り、男女共同参加型社会の実現を目指すには、女性の意識改革のみならず男性の意識改革も必要ではないかと思います。人の意識を変えるということは時間がかかり非常に難しいことであります。しかしながら、この課題解決なくして進展はあり得ないと思うのであります。そこで、現在、県の女性を対象とした事業の実施状況とその効果はどうなのか、また、今後どのような展望があるのか、総務部長にお伺いいたします。 次に、中部縦貫自動車道高山清見道路の整備についてお尋ねいたします。 今日、人口や金融、情報、業務管理などの都市機能が首都圏などの大都市圏へ集中する中で、活力と創造力に富み、安全で快適な国土づくりを実現するためには、地域間の交流を支える高速交通体系等の基盤整備の推進が極めて重要であります。今年八月、国の概算要求の際に明らかにされました第十一次道路整備五箇年計画案によりましても、「活力ある地域づくりを推進し、多極分散型国土の形成を図るため、全国的なネットワークの充実が必要不可欠であり、二十一世紀初頭までに一万四千キロの高規格幹線道路ネットワークの完成を目標に、その整備を強力に推進する」とあり、「平成四年度末の供用延長五千九百キロメートルを、平成九年度末には七千八百キロメートルとする」とあります。とりわけ内陸県である本県の県土全体がハイモビリティー社会に参画し、県土の一体的な発展と地域間格差を是正するためには、既に完成している名神高速道路、中央自動車道に加え、東海北陸自動車道、東海環状自動車道、中部縦貫自動車道のいわゆる新高速三道の整備促進が不可欠であると考えます。 ところで、飛騨地域は、古くから飛騨の国として栄えてまいりました。本地域は、東西を北アルプス、白山等の急峻な山岳に隔てられた地域で、祭りや工芸など伝統的文化が引き継がれ独自の文化圏が形成されている地域であります。平成二年度の国勢調査によりますと、人口は、最近五年間で、高山市及び大野郡宮村で増加しているものの、周辺の町村では過疎化が進行しており、飛騨地域全体では二%の減少となっています。人口の高齢化も進んでおり、六十五歳以上の人口比率は一六・一%と、県全体の一二・七%を上回っています。産業面では、就業者数比率で見ると、第一次産業が一二・三%、第三次産業が五三・四%と比較的高く、県内総生産で見ましても、観光を中心としたサービス業の比率が高い地域であります。 この飛騨地域が間もなく第二の夜明けを迎えようとしております。第一は、昭和九年の国鉄高山本線の開通でありました。第二は、高速自動車道の整備であります。現在、この地域では、東海北陸自動車道、中部縦貫自動車道の事業が行われており、これらの高速道路の開通により、飛騨地域は、これまでの高速交通空白地帯から、関東、関西、中京、北陸の各圏の中心に位置する地域となります。例えば高山から東京までの現在の所要時間は、通年利用できるコースで約七時間、冬季に通行が不可能になります安房峠を利用しても五時間以上かかりますが、高速道路が開通すれば一年を通じて四時間程度で行けることになります。大阪へも五時間半が四時間程度に短縮され、名古屋へも三時間半以上かかるところ、二時間半程度で行くことが可能となります。特に中部縦貫自動車道は、長野県松本市の中央自動車道を起点として、安房トンネル、高山市を経て大野郡清見村で東海北陸自動車道と連結、郡上郡白鳥町で分かれて油坂峠を経て福井市の北陸自動車道へと接続する自動車専用道路であります。本自動車道は、飛騨地方と信州地方だけではなく、北陸地方と首都圏を最短距離で結ぶ道路であり、中部内陸地域の振興を図る上で極めて重要な道路であります。本自動車道内の長野県境の安房峠道路につきましては、平成三年七月に作業坑が貫通し、現在本坑の掘削が進められております。高山市周辺を通過する高山清見道路につきましても、今年度建設省において事業着手され、ことし六月、高山市内で中心杭打ち式が行われたところであります。中でも中部縦貫自動車道高山清見道路は、飛騨地域唯一の市であります高山市周辺を通過する道路であり、沿線地域住民にとりましては、広域幹線道路としてのみならず、市街地の交通混雑緩和、観光都市としての発展、地域の活性化等、多大な効果が期待される道路として早期完成が待たれるところであります。そこで、私は、中部縦貫自動車道高山清見道路の事業促進を強く要望するとともに、事業促進に対する対応について、土木部長の考え方をお伺いいたします。 次に、農山村の活性化対策について、農政部長にお尋ねいたします。 現在、山村振興法による振興山村の指定を受けております本県の市町村は、五十三と県下の過半数を占め、またその面積は、県土の三分の二に当たる広大な面積を有し、県土の保全、水資源の涵養など、安全で快適な県民生活の維持に大きな役割を果たしております。しかしながら、経済活動等の大都市圏への集中が続く中で今日の農山村地域は、困難な課題を数多く抱えておりますことは皆様御承知のとおりであり、その主なものを挙げれば、次の三点であります。 まず第一点は、過疎化の進行であります。昭和四十年から二十五年間に農山村地域では一九・一%減少し、平成二年には約二十万八千人となり、県全体の一〇%にすぎない状況であります。このままであれば、依然として減少傾向が続き、健全な農山村地域では、六十五歳以上の高齢化の占める割合は、平成二年で一九・七%となっており、県平均の一二・七%を大きく上回り、高齢化社会が既に現実のものとなっております。このような状況を反映して、例えば農山村地域での耕作放棄地は耕地面積の五・四%に達しており、農業生産環境への悪影響のみならず、景観や県土保全上からも放置できない状態にあります。第三点は、所得格差の問題であります。平成元年度の農業所得を見ますと、一戸当たり五十一万四千円と、県平均の九〇%であり、また農家所得は、一戸当たり五百二万六千円で、県平均の六八・二%にとどまっております。このように、本県の農山村地域は厳しい状況に置かれており、今こそ本腰を入れて農山村の活性化に取り組まなければならないときに来ております。 私は、そのための対策として次の二点を推進することが必要であると考えております。その第一点は、地域の基礎的産業である農業の一層の振興であり、第二点は、所得機会の創造により地域全体の所得向上を図ることであります。 まず農業の振興でありますが、私は、常々農山村では地域の立地条件を最大に活用した付加価値農業の展開が必要であると申し上げております。県におかれましても、ぎふ二十一世紀農業ビジョンの中で、県産農産物のブランド化を主要課題に掲げ各種施策が推進され、その成果を着々と上げられているところであります。今後とも一層の促進を期待しているところであります。 次に、農山村地域の所得機会の創造についてであります。御承知のように、我が国経済は成熟化を迎えようとしております。国民の生活意識も大きく変化しつつあります。例えば総理府が本県九月発表いたしました国民生活に関する世論調査によりますと、将来の生活について、物の豊かさより心の豊かさを重視すると答えた人は二〇%を超えております。このことは、言いかえれば、豊かな自然や伝統文化に恵まれた農山村地域への国民の関心が高まりつつあることをあらわしているものであります。このような国民の価値観の変化に対応しつつ、農山村地域の活性化を推進していくために、やはり地域が有する人、土地、自然など、地域が持つ固有の資源を総合的に組み合わせた施策を展開し、所得の機会を創造することが極めて重要であると思うものであります。 国におきましても、本年六月に公表した「新しい食料・農業・農村政策の方向」の中で、農村地域政策の主要な柱として、中山間地域対策の必要性を掲げております。来年度新たな施策を推進するやに聞いております。県におかれましては、国のこのような動向を踏まえ、今後農山村の活性化対策をどのように講じていこうかと考えておられるのか、農政部長にお伺いいたしまして、以上で質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。    (拍手) ○副議長(坂志郎君) 知事 梶原 拓君。    〔知事 梶原 拓君登壇〕 ◎知事(梶原拓君) 福祉に対する基本的な考え方につきましてお答えを申し上げたいと思います。 ただいま、県民総参加のもと、夢おこし県政を推進させていただいております。これは、県民大衆と政治行政が遊離しないようにと、こういうことがあるわけでございまして、こうしたことが福祉行政の大きな前提になろうかと考えております。そして気くばりの行政を進めさせていただいておりますが、県民生活に谷間ができないよう、高齢者、障害者など、社会的に弱い立場にある方々にきめ細やかな気配り施策を展開したいと考えております。とりわけ高齢者、障害者などに対する介護、援助、施設整備等、本当に実感に即した気配りの施策を展開する必要があるわけでございます。そのためには、現場の方々の立場に私ども行政をあずかる者が立つと、こういう観点が必要であろうと考えておるわけでございまして、私自身も、知事に就任いたしまして以来二百カ所以上の福祉施設を回らせていただきまして、そうして相手の立場に立つと、現場に立てば当然に、議員御指摘のとおり、総合的に福祉というものを考えざるを得ないということになるわけでございまして、生活者の立場に立ちますれば、これが民生部の所管か土木部の所管か農政部の所管か全く関係ないことでございまして、御指摘のとおり、すべての行政部局が常に福祉ということを念頭に事務を処理しなきゃいけない、こういうことに当然なるわけでございまして、私も県職員に対しまして、環境とかその他の項目と同時に、常に福祉を念頭に施策を実施していただくよう指示をいたしておるところでございます。例えば土木部におきましては、建築主及び設計者に対しまして、身体障害者に配慮した設計の指針、これをぎふバリアフリーデザインと言っておりますが、そうした指針を活用するように指導いたしておりますが、こうしたことを初め、高齢者や障害者に優しい公共施設づくりのビジョン、そういったものも策定をいたしております。 高山市におかれましては、いろいろお話がございましたが、ふるさと二十一健康長寿のまちづくり基本計画を策定されるなど、いろいろユニークな先取りの福祉総合行政を推進しておられます。県もこうしたことに呼応いたしまして、高山市をモデルといたしまして、車いすで町の中を行動できるように、歩道の段差の切り下げだとか、あるいは点字ブロックの設置などを行う地域福祉推進特別対策事業といったものも実施しているところでございます。今後におきましても、御指摘のとおり、県民福祉向上のために、総合的、全庁的な福祉に対する取り組みをしてまいりたいと考えております。 ○副議長(坂志郎君) 総務部長 桑田宜典君。    〔総務部長 桑田宜典君登壇〕 ◎総務部長(桑田宜典君) 女性の社会参加の促進についての御質問にお答えを申し上げます。 まず、女性の社会参加意欲の向上や社会進出を促進する事業とその実施状況でありますけれども、主な事業といましては、まず女性の知恵の輪フォーラムの開催、次に母親カウンセラー講座の開催、また婦人の海外派遣事業、さらには啓発活動事業がございます。そこで、女性の知恵の輪フォーラムでございますけれども、これは、よりよい県政の運営に資するために、女性の視点や感性に立って県政全般についてのアイデアをいただいているものでございまして、毎年県下各地域において開催をし、今日まで千件に近いアイデアをいただいております。そのうち、現在七十六件を県政各般に活用させていただいているところでございます。その一例を申し上げますと、少年、青年、成人の三世代が連帯意識を高め、協力し合える方法を考える二十一世紀を担う青少年フォーラム、また、保育園児等の情操を豊かにするための民間福祉施設花かざり事業、あるいは地球環境を守るための捨てたらアカン回収事業、またノー・マイカー・デー運動の推進などがございます。女性の視点や感性に立ってのアイデアを今後とも県政に生かすべく努めてまいりたいと考えております。 次に、母親カウンセラー講座は、これは、家庭や地域におきまして、高齢者やあるいは青少年等の身近の相談相手になっていただくための基礎的な知識を習得していただく講座でございまして、平成元年度の益田・飛騨地域を皮切りに、今日まで五百七十七名のカウンセラーが誕生いたしておりまして、それぞれの地域で活動を展開していただいているところでございます。さらに地域を広げまして、カウンセラーの要請にも努めてまいりたいと、このように考えております。 次に、婦人の海外派遣事業につきましては、広く海外に目を向けていただきまして、外国におきます女性の社会参加活動の状況を初め幅広い視察を行っていただきまして、帰国後、この状況をつぶさに報告願いますとともに、婦人海外派遣者の組織をつくり、各種の講演の講師など、県下各地域で女性のリーダーとして活躍をしていただいておるところでございます。 さらに女性の地位向上のための意識改革を推進する啓発活動でございますけれども、広報紙「ぎふの女性」の発行、あるいは啓発リーフレットの配布やテレビ番組の「女性は今」の放映、ラジオであります「県政の窓」を通じましての啓発活動を展開しておるところででございます。議員御指摘の女性自身の意識改革はもちろんのこと、社会全般に対します意識改革の啓発活動にも努めているところでございます。 最後に、今後の展望についてでございますが、現在、県では、婦人問題に関します施策を長期的かつ総合的に推進するための岐阜県婦人行動計画が策定されているところでございます。この岐阜県婦人行動計画は、社会参加の促進、就業環境の整備、母性の尊重と健康の擁護、生活の安定と福祉の向上が柱となっておりまして、昭和六十一年四月から平成八年三月までの十年の目標を定め、現在まで推進してきたところでございます。しかしながら、国際化の進展、あるいは高齢化社会の到来、また女性の就業率の上昇、出生率の低下など、昨今の女性を取り巻く社会環境が大きく変化してきております。したがいまして、この変化に対応するために、計画期間を二年前倒しいたしまして、平成五年度には、有識者の御意見もお伺いしながら、第二次岐阜県婦人行動計画を策定いたしまして時代のニーズに対応してまいりたいと、このように考えております。 いずれにいたしましても、男女共同参画型の社会の形成を目指しまして、今後、女性の社会参加のための施策を充実とその実施に努めてまいりたいと、このように考えております。 ○副議長(坂志郎君) 商工労働部長 藤田幸也君。    〔商工労働部長 藤田幸也君登壇〕 ◎商工労働部長(藤田幸也君) 高年齢者の就業対策についてお答えいたします。 議員御指摘のとおり、日本の高齢化社会は、世界に類を見ない早さで進んでおりまして、今後の高年齢者の雇用就業問題は特に重要な課題となっているわけでございます。こうしたことから、高年齢者の雇用就業対策につきましては、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律並びに高年齢者等職業安定対策基本方針に基づきまして、次のような総合的な雇用就業対策を推進しているところでございます。まず第一は、平成五年度、六十歳定年の完全定着と、これを基盤としました六十五歳までの継続雇用の推進であります。次に第二点は、各種助成制度等を活用した高年齢者の早期再就職の促進であります。第三点が、定年退職後等における臨時的あるいは短期的な就業の場の確保でありまして、この三本の柱を中心に高年齢者雇用対策を推進しているところでございます。 特にこの第三の柱につきましては、高年齢者の多様なニーズに合わせました就業対策として、シルバー人材センターの設立、育成を積極的に行っているところでございます。シルバー人材センターは、高年齢者の過去の職業経歴や能力を生かしつつ、就業機会の増大と生きがいの充実を図りまして、活力のある地域社会づくりに寄与していこうというものでございまして、現在、県下には、本年十月設置の恵那市のシルバー人材センターを含めまして十一市に設置がされております。シルバー人材センター事業の活動状況を見ますと、会員数の増加と会員の努力等によりまして、その実績は着実に伸展を見ております。こうしたシルバー人材センター事業をさらに充実し、急速に迎えつつある超高齢化社会の要請にこたえていくためには、国、県、そして関係自治体が密接な連携を図る中で、会員の拡大、あるいは就業機会の増大、安全就業対策の徹底等について、一層適切な指導、援助を図る必要があると考えております。県といたしましても、今後とも、広域化など国への要望も含めまして、その支援についての方策を検討してまいりますので、よろしく御理解を賜りたいと思います。 ○副議長(坂志郎君) 農政部長 打田穂積君。    〔農政部長 打田穂積君登壇〕 ◎農政部長(打田穂積君) 農山村の活性化についてお答えします。 農山村地域は、食糧生産や国土の保全など、国民生活にとってはかり知れない重要な役割を担っておりまして、議員御指摘のように、諸問題を抱えております農山村の活性化は、今や緊急の課題であるというふうに認識をいたしております。国におきましても、本年六月に公表されました「新しい食料・農業・農村政策の方向」の中で、農山村対策を重要な柱の一つとして位置づけ、平成五年度より新たな施策の展開が計画されております。県といたしましても、農山村の基礎的産業である農業生産の振興のため、国の制度を活用しながら各種施策を引き続き推進し、農業所得の確保に努めてまいる所存であります。また、地域資源を活用した総合的な所得機会の創造を図るため、平成五年度から、国が新たに計画しております長期滞在型の都市と農村の交流を図るためのグリーン・ツーリズム関連施設を本県に導入できるように努め、飛騨地域など農山村地域の農家所得の向上を図ってまいりたいと考えております。 さらに、農山村の生活環境を改善するとともに、都市との交流を促進するため、農業集落排水の整備を積極的に推進するほか、美しい村づくり特別対策事業により、美しい景観や環境保全に配慮した生活空間の整備を進めてまいります。 いずれにいたしましても、広範かつ多岐にわたる課題を抱えている農山村地域の活性化を図るためには、他部局との連携のもとに総合的に各種施策を講ずることが肝要であります。今後は、このような観点から農山村の活性化対策の検討を進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(坂志郎君) 土木部長 山岸俊之君。    〔土木部長 山岸俊之君登壇〕 ◎土木部長(山岸俊之君) 中部縦貫自動車道の、特に高山清見道路の整備についてお答えいたします。 議員御指摘のとおり、高山清見道路は、東海北陸自動車道と接続して飛騨地域の振興に重大な役割を果たす本県の骨格を形成する道路でございます。本道路は、平成三年度に都市計画決定されまして、平成四年度より事業化しております。現在、基準点測量や地質調査などが進められております。本道路の整備の円滑な推進には、用地買収の促進、関連施設を含めて地域を一体的に整備することが重要でございます。県といたしましては、建設省はもとより地元市町村とも協力して事業が円滑に推進されるよう積極的に努めてまいりたいと考えております。         ……………………………………………………… ○副議長(坂志郎君) しばらく休憩いたします。 △午後三時二十八分休憩          ……………………………………………………… △午後三時五十六分再開 ○議長(今井田清君) 休憩前に引き続き会議を開きます。          ……………………………………………………… ○議長(今井田清君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。十三番 近松武弘君。    〔十三番 近松武弘君登壇〕(拍手) ◆十三番(近松武弘君) 民社党を代表いたしまして質問をさせていただきます。 最初に教育改革について教育長にお尋ねをいたします。 すべての国民に教育をと、明治五年に学校制度ができてからことしで百二十年目に当たります。この間に日本の教育は目覚ましく充実し、国民の教育水準を向上させました。それが今日の我が国の繁栄の原動力とされ、諸外国からも高く評価されているゆえんでございます。しかしながら、今日本の教育は、ある意味で大変な危機に陥っております。登校拒否児童は全国の小中学校で四万八千人、高校中退者は十二万人に上っています。学歴社会の競争の中で、知識偏重の余り子供たちの個性や可能性が軽視されがちな実態、それに拍車をかける受験産業や偏差値の横行。こうした中で子供たちはゆとりのない状況に追い込まれ、これをどのように克服していくかが今日の教育の大きな課題であると思います。 今日、至るところで教育改革の必要性が叫ばれていますが、その方向に基本的な道筋をつけたのが、臨時教育審議会の四次にわたる答申であると思います。臨教審答申は全体を通じて、一、個性重視の原則、二、生涯学習体系への移行、三、変化への対応という三つの基本的視点で貫かれ、それに基づき多岐にわたる改革提案がなされています。とりわけ、第一の視点として掲げられている個性重視の原則はすべてに優先し、今次教育改革で最も重視されなければならない基本的な原則として位置づけられております。この個性重視の方向は、臨教審による提言の後も引き続き文教政策に引き継がれていきました。その一つが新学習指導要領であり、もう一つが中央教育審議会、いわゆる中教審を中心とした高校教育改革に係る提案であります。 まず、新しい学習指導要領においては、個性重視の観点から、知識の量を学力とするこれまでの考え方を改め、新しい学力観として思考力、判断力、表現力、創造力などが強く求められました。いわば、量から質への転換です。新しい学力観は学校教育の根幹にかかわることでありますので、それだけに、これを本当に定着させていくためには、教えられる教育から考える教育へ、覚える教育から調べる教育へ、そして頭だけで考える教育から体験する教育へと転換していかなければなりません。高校入試や大学入試も、もちろん新しい学力観に基づいたものに改めていかなければならないことは当然であります。また、さきの第十四期中央教育審議会においても、生徒の多様化した実態を踏まえ、個性重視の観点から多岐にわたる提言がなされています。これら高校教育改革のポイントは、進学率が九五%を超えるに至り、生徒の多様な実態に応じ、一人ひとりの能力、適性、興味に合った教育をいかに施すかということであります。さらに言えば、そのために中学校の進路指導や高校入試の改善、新しいタイプの高等学校の設置、単位履修や進級認定の弾力化などをどのように進めていったらよいかということであります。 さて、私は臨教審、新指導要領、中教審を貫く個性重視の視点に加え、これからの教育のあり方を考えるときに、基本的に押さえておかなければならない重要な事柄がもう一点あるような気がいたします。それは人間性を磨き、他を思いやる心を育てるということでございます。本県の教育指導の方針と重点にも、このような教育の本質が明記されております。しかしながら、だれしもがこのようなことの必要性を心の中で叫びながらも、現実には目先の入試を最優先させなければならない。そのために偏差値教育、学力イコール知識の量の教育から抜け切れないのでございます。しかしながら、いつまでも本質から外れた教育をしていると、必ずそのツケは返ってくると思います。既にその兆候は至るところにあらわれていると申し上げても過言でないと思います。 例えば、世界青年意識調査によって、日本の青年と世界の青年たちと比較した意識調査があります。その調査の中に、年老いた親を養うことについて、どんなことをしてでも親を養うという項目がございます。どんなことをしても親を養うと答えた者が、韓国六九%、中国六六%、フランス五六%、アメリカ五二%、イギリス四五%に対し、日本は二五%と最下位でございます。また、自分の国のために役立つことをしたい、そのために自分自身の利益を多少犠牲にしてもよいかという設問に対しましては、犠牲にしてもよいと答えた者は、アメリカ五七%、韓国五四%、中国も同じく五四%、イギリス二三%、フランス一二%に対し、日本はわずか六%という結果であります。アメリカの十分の一ということです。一体どうなってしまっているのでしょうか。 親は、子供の教育のためならどんな苦労もいといません。また、どんなにお金がかかろうとも必死でございます。そして、先生方もまた一生懸命教育に当たっていただいています。しかし、木を見て森を見ずということでしょうか、どこかでボタンのかけ違いをしているのではないでしょうか。日本のよき伝統、日本のよき心がだんだん失われてしまうような気がしてなりません。日本の心をうたった歌に「母さんの歌」があります。皆さんもよく御存じの歌だと思います。「母さんが夜なべをして手袋編んでくれた 木枯らし吹いちゃ冷たかろうとせっせと編んだだよ ふるさとの頼りは届く いろりのにおいがする」(歌を歌う)と、これが日本の心、日本の文化、そして日本の親子の絆ではないでしょうか。教育は心です。感動です。心を磨き、心豊かで、進んで人の役に立とうとする人間を育てることではないでしょうか。日本の未来を担う子供たちを、心豊かでたくましく、勇気と信念を持った大人に育てるため、本質的な教育改革を早急に行わなければならないと思うのであります。 さて、そこで次の三点について御質問をいたします。 まず第一に、個性重視の教育についてであります。私は、個性重視の教育を進めるに当たっては、子供たちの個性を重視することはもとより、市町村教育委員会や学校の創意工夫を可能な限り尊重する態度が教育行政に必要でないかと思うのでございます。また、一人ひとりの子供の個性を重視するという立場に立つとき、登校拒否の問題は特に重大であります。文部省が民間施設などでもいわば回り道を容認したように、抜本的な発想の転換も必要と考えます。これら個別の視点も含め、個性重視の教育をどのように進めていくのか、考え方をお伺いいたします。 第二に、高校教育の改革、とりわけ高校入試についてであります。先ほどもお話出ておりますように、高校入試をめぐっては、つい先日も、埼玉県での業者テストに係る指導問題に端を発し、中学校の進路指導や高等学校での入学者選抜のあり方が全国的に話題になったところでございます。偏差値があくまで参考資料として使われているうちは、進路指導上もそれなりに有益な面もありましょうが、本末転倒してそれに偏重した形で進路指導がなされ、本来重視されるべき生徒の希望や興味、あるいは関心が軽視されるようでは身もふたもございません。私は、さきに申し上げましたように、一人ひとりの子供の個性を重視し、新しい学力観に立った教育が実現され、そのような方向で中学校の進路指導や高校入試制度が改善されない限り、今回の業者テストの問題に対しどのような解決方策が示されようとも、かけ声だけに終わることが明らかなように思います。本県の場合、高等学校における普通教育、産業教育ともに全国に誇り得るレベルと聞いております。今後、生徒の個性をより一層重視し、本県高校教育の一層の充実を図る観点から、まず、高校入試の問題をどのように改善していくのか、お伺いをいたします。あわせて臨教審、中教審で高校教育改革のためのパイロットスクールとして提言された単位制高校、全日制高校の無学年制導入について、本県における現在の検討状況をお伺いをいたします。 最後に、心の教育についてでございます。さきに申し上げましたように、日本の青年と世界各国の青年との間には大きな意識の違いがございます。このことには、教育の影響が極めて大きいと思います。まず、教育の第一線に立つ者がこうした意識の本質をしっかり把握せねばならないと思います。このことにつきどのようにとらえられておられるのか、また、どのように対処せねばならないと考えておられるのか、所見をお伺いいたします。 次に、要援護老人の介護等につきまして関係部長にお尋ねをいたします。 介護とは、医師や看護婦以外の者が患者につききりで世話をすることでございます。さて、高齢化社会を迎え、高齢者自身はもちろんのこと、家族にとっても最大の関心事は、将来寝たきり老人あるいは痴呆性老人、いわゆるぼけ老人になりはしないかということであります。寝たきり、痴呆性老人が増加する中で、家族による介護問題は切実かつ緊急の課題であります。総務庁がことしの九月に発表した調査によりますと、介護を受ける立場の六十歳代で、自分は将来ぼけ老人になるのではないかと心配している方が四八%ございます。また、介護する側の三、四十歳代でぼけ老人問題に関心を持っている人は八三%と大変な高さでございます。今、寝たきり老人は全国で約七十万人います。これが西暦二〇〇〇年には百万人になると予測されています。また、ぼけ老人は全国で約百万人います。これが西暦二〇〇〇年には一・五倍の百五十万人になると予測されています。 もし、親が寝たきりになった場合、だれが介護するべきでしょうか。介護を頼む相手として、配偶者、夫または妻を挙げる人が四四%で最も多く、次いで嫁、娘、息子の順になっています。高齢者の多くは、介護されるようになっても、住みなれた家や地域で暮らし続けることを強く望んでいます。しかし、一たん寝たきりになった場合には、施設に入ることを希望する人が五八%もいます。なぜ、こんなにも多いのでしょうか。家族に迷惑をかけたくないというのが最大の理由でございます。老人介護は専ら女性が担っていると言われていますが、その実態はどのようになっているのでしょうか。厚生省の平成元年度の国民生活基礎調査によりますと、寝たきり老人の介護に当たっている者の八八%が女性であります。また、死亡時七十歳以上であった者の介護状況では、介護のうち実に九五%が女性であるとのことです。さらにこれらの女性の年齢を見ますと、五十から五十九歳が三割を超えて最も多く、六十歳代が二二%、七十歳以上が一六%もいるなど、これからは高齢者が高齢者の介護をしていくというケースが極めて多くなってきます。先月も姉さんが八十一歳、妹が六十七歳の老姉妹二人が暮らしていた豊橋市内で、寝たきりの姉を世話していた妹が亡くなり、死後四十時間ほどたってから姉さんも栄養失調で衰弱し切っているところを、新聞受けに二日分たまっているのに不審を抱いた近所の人の機転で助かったことが報道されていました。大都市に比べまだまだ人情が残っている土地柄であったために救われたのではないかと思うのであります。 さて、そこで次の点について民生部長にお尋ねをいたします。 一、先ほどお話がございましたが、市町村が策定する老人保健福祉計画は、在宅福祉を進める最大のかぎを握っていると思います。何よりも市町村が地域の高齢者の実態やニーズに応じて、みずから汗を出し、手づくりでつくることが重要であると思います。私は九月議会でも取り上げました。今、全国的に町村の取り組みが大変難航していると聞いています。町村にとってはかつてない大作業であり、しかもこれにかかれる人材がいないことなどによって、すべてを民間コンサルタントに委託してしまう町村が続発していると聞いております。野村総合研究所によりますと、既に受託件数は百件を超え、さらにこれから急増してくるであろうと言われております。本県における実態はどのようになっているのか。また、県は作成指針の提供、作成に必要な情報やモデル計画の提供など、しっかりとした指導や支援を行っているのか。 二、本県の特別養護老人ホームの整備水準を、六十五歳以上人口一万人当たりの入所定員で見ますと、公立施設は全国水準〇・二六人に対し本県〇・三〇人と若干上回っていますが、民間施設は全国水準一・四八に対し本県〇・六八と大幅に下回っています。この特養ホームの長期計画は、現在作成中の県及び市町村老人保健福祉計画に基づき、全国を上回る水準を目指すというのが目標でございます。さて、この全国を上回る目標を実現していくためには、計画的かつインパクトのある目標を設定し、段階的に進めることが重要であると思います。どのような考え方、方法で進められるのか。 三、本県ではなぜ民間施設整備が全国水準と比べてこんなにも低いのか、その背景についてお尋ねをいたします。特に本県では、民間による施設整備に力を入れていかなければならないと思うのでございます。民間による施設整備を充実するために、これまでに特別養護老人ホーム特別対策事業あるいはふれ愛の館プラスアルファ事業など県単独の補助制度を設け、支援を図っているところでございます。これまでの補助実績や施設整備の実績はどのようになっているのか。また、今の支援体制のみでは全国を上回る水準にまで到底届かないと思うのでありますが、どのように対処されようとしているのか。 四、介護経験のない人、また今、介護で困っている人たちを対象に介護セミナーが実施されています。出席された方々によりますと、大変好評のようでございます。受講者の要望等をよく聞き、一層受講者に密着したセミナーに発展させてほしいと思います。現在どのようなカリキュラムで行われているのか。また、これまでの開催実績とこれからの予定について伺います。 五、老人訪問看護ステーションについて衛生環境部長にお尋ねをいたします。住みなれた地域や家庭で療養できるよう、寝たきり老人などに対し医師の指示により看護婦などを訪問させ、在宅ケアを充実させようと、ことしの四月一日より発足をしたものです。本県では四カ所指定されています。全国では九十九カ所あります。それが地元の開業医やお年寄りとその家族へのPR不足で、利用者が目標を大きく下回っているようでございます。制度の趣旨、サービスの中身をもっと関係者にPRする必要があるように思いますが、県ではどのようにPRをされているのか。本県での利用状況と今後のステーション設置計画について伺います。 六、介護休業制度について商工労働部長にお尋ねをいたします。老人等の介護は労働者の大きな課題です。特に女性の職業継続の最大の障害になっています。労働省においては、企業内福祉制度の大きな柱として、平成四年七月、介護休業制度等に関するガイドラインを策定し、介護を要する家族を抱えた労働者の職業と家庭の両立を図るために、最低限企業において実施されるべきあり方を示しました。これからは、このガイドラインに沿った制度導入の促進のために、労使に対する啓発指導を行い、一層の普及を図ることが必要でございます。この制度をどのように受けとめられているのか。本県の実施状況はどうなっているのか。そして今後どのように啓発指導を行っていかれるのか。 最後に、夢おこし県政について知事にお尋ねをいたします。 日本は今、経済ばかりではなく、政治、文化、教育においても早急な改革が求められています。国民が真に求めている新たな発想による抜本的改革です。これらの抜本的改革を可能にする新たな発想として、日本のロケット研究者の第一人者であり、日本航空学の重鎮として活躍されている糸川英夫博士は、日本の文化をHOWの文化からWHYの文化へ転換することを強く提唱されています。HOWの発想からWHYの発想への転換こそ、日本が今直面しているあらゆる分野の改革を可能にする新たな発想であると言われているのでございます。私もこの考え方に強い関心を持つとともに、未来を開く着眼点ではないかと思うのでございます。HOWとは、どう対処したらよいのか、どのような方法がよいのかと手段や方法を追求することです。WHYとは、なぜだろう、何のためにと物事の本質、目的を根源まで追求することでございます。わかりやすい例として、リンゴの話があります。リンゴが木から落ちました。それを見たニュートンは、一体リンゴはなぜ木から落ちるのかと考えました。この単純な疑問からWHY、なぜ、なぜを繰り返し、ついに万有引力を発見したのです。 話は変わって昨年秋、青森は大型台風に襲われました。そのために、収穫直前のリンゴが九割以上落ちてしまい大変な被害をこうむりました。しかし、わずかに落ちないリンゴが残っていました。そこで知恵ある人たちが、これを東京へ運んで受験生向けに売ったらどうか、何せ落ちないリンゴだから受験生や親が飛びつくんじゃないか。このアイデアは抜群で、案の定たちまち売れに売れ大もうけをしました。木から落ちたリンゴを見て、一人の人間はWHY、なぜだろうとその本質に迫り、万有引力という大法則を発見し、一方、リンゴの落ちたのを見てがっかりした人はどうしたらよいのかと考え、落ちないリンゴに目をつけ大もうけをしたのです。WHYとHOWの違いです。いかに対処するか、手段や方法。 いわゆるHOWの発想にかけては日本人は歴史的に非常にたけています。しかし、今、日本が得意とするHOWの発想だけでは、世界に通用しないばかりか日本国内の課題にも対処できなくなってきました。日本は経済最優先、物や金、暖衣飽食を謳歌しているうちに、すべての分野で動脈硬化を起こしてしまっています。もう一度すべての原点に返り、WHYの発想、なぜだろうとその本質を問い直し、人間や自然、政治、経済、教育などについての原理、原則、意義や目的を再確立することが必要であると思います。確かに日本は物をつくるノーハウにはたけています。今後もWHY文化を伸ばすことも大切です。しかし、WHY文化を根づかせないと、やがてHOW文化はWHY文化に敗れるときが来るような気がいたします。いや、既に敗れるという現象が起きています。 日本の某カメラ会社がハネウェル社に渡した例のオートフォーカスの特許料問題でも明らかです。オートフォーカス、つまり自動焦点カメラの特許はハネウェル社が所有していたために訴訟となり、会社の売上金が吹っ飛んでしまうほどの特許料を支払わなければならない羽目になったのです。企業の存続にかかわる問題です。そのほかでも、特許侵害をめぐって争われた裁判で日本は連戦連敗でございます。オートフォーカスを考えた人とそれを使ってうまくもうけた人。しかし、結局HOWはWHYに完敗しているのです。つまるところ、WHY文化とは人類の生存にかかわる原理、原則に立つということではないかと思うのでございます。言いかえれば普遍的な哲学を持つということではないでしょうか。 HOW文化の特徴は手段が目的になりやすく、競争主義社会です。他に打ちかつことによって安全、安心が得られるという発想でございます。権力や物や金によって自分の力を外に拡大し、力によって他を支配、統制、管理しようとします。戦術的で権力主義、管理主義、物主義が幅をきかせ、効率性、迅速性、画一性、こういったものが重視されます。WHY文化の特徴は、自と他は協調関係にあり自他一如の社会です。他との共生によって真の安全、安心が得られるという発想でございます。人間中心で人間性が尊重され、自己実現が重視されます。戦略的で物事の本質に立ち、正義や公正、協調や共生を根底とした真の自由、平等、平和、福祉を築きます。自主性、民主性、多様性、独創性が重視されます。 さて、そこで次の点について知事にお尋ねをします。 一、政治はもともと国民の願いや期待をいかに実現していくかということですので、HOWの発想です。夢おこし県政も県民の夢をいかに実現していくかということであり、同様でございます。この場合大切なことは、県民の夢の数が多いから実施するということではなく、まずその夢の意義、本質といったWHYの部分を十分検討することが必要であると思います。一利を興すは一害を除くに如かずとの言葉があります。例えば、岐阜県は地味で華やかさがなく目立たないとか、つくり上手で売り下手であるので、もっとおもしろく華やかにしたり、PR上手になって岐阜県を全国にアピールしなければならないとして、いろいろPRすることと、日本一住みよいふるさとづくりとどのような関係にあるのか。口コミは最大のPRと言われています。知事がいつも言っておられますように、近き者説べば遠き者来たらんです。観光、県産品、文化などが本物であり、本物の光を放てば、利用者の口コミで自然にPRしてくれるものであります。本物の中身にさらに磨きをかける方が重要ではないかという考え方もあります。夢おこし県政の政策一つ一つが、本当に日本一住みよいふるさとづくりにつながっているのか。一期四年の実績を踏まえ、いま一度再点検する必要があるのではないか。WHYに裏づけされたHOWでなければならないと思うのであります。知事の御所見をお尋ねいたします。 二、時代は今、本物指向です。本物はみずから光を放ちます。素人にもその輝きがわかります。そして、人人に共感と感動を与えます。夢おこし県政も同様であると思います。本物の政策は、語らずとも県民にはその輝きがわかります。みずから放つ政策とは、県民の声なきニーズをもしっかりとらえて離さぬものであると思います。知事は、すばらしいアイデアマンとしても高く評価されております。そして、知事が実行しようとする政策、手段にはだれもが光を当てます。それだけに進言する人は極めてまれです。そこのところが心配なところでございます。夢おこし県政は、本物指向の政策推進が命でございます。本物指向に当たって、知事自身はどのような価値基準、判断基準を持っておられるのか、お尋ねをいたします。 最後に、企業は人なりという言葉がございます。組織は人の力です。人はだれしもすばらしい力を持っています。人がその力をフルに発揮するときは、完全に任せ切られたときであります。しかし、任せ切るとは大変難しいことです。人を信頼し受容しなければなりません。人を鍛え育てる気持ちが必要でございます。また、自分に勇気と信念がなければなりません。そして褒める、励ましてやるといったやさしさ、思いやりが必要です。知事のこの四年間は、一期目ということでまず率先垂範、三現主義で県下をくまなく回り、精力的な活動をされました。そして、来るべき未来を見据えた二十一世紀ビジョンを作成されました。これで進むべき方向と目標が設定され、これからはその実行の段階でございます。人の力、人の育成がかぎを握っていると思います。これからの知事は、WHYの分野である県政運営の戦略に重点を置き、戦術、手段、方法などについては、多少歯がゆくても部下に任せ切ることが重要であると思うのでございます。任せ切ることによって人は育つのです。それが本当に足腰を強くし、力強い組織力を育てる手だてであると思うのでございます。知事の役割と部下の育成について御所見を賜り、私の質問を終わります。ありがとうございました。    (拍手) ○議長(今井田清君) 知事 梶原 拓君。    〔知事 梶原 拓君登壇〕 ◎知事(梶原拓君) 夢おこし県政についてのお尋ねでございます。HOWからWHYへという論旨かと思いますが、この説を引用されました糸川博士、たまたまことしの夏お会いして、二人でお話する機会がございました。御指摘のとおり大変すばらしい方でございまして、そのとき、岐阜県政の夢おこしにつきましてお話しいたしましたところ、大変共鳴されまして、その後私のところに先生の著作もいただいたりいたしておりますが。この夢おこしがなぜいいかということでございますが、県民大衆の夢から政治行政をスタートさせると、そういうところにあるのではないかなと思うわけでございまして、この夢という次元で県民大衆がいろいろお考えになる、それはこのHOWという次元ではなくて究極のWHYという、そういうとらわれのない世界の中での伸びやかな発想が出てくるということではなかろうかというふうに思うわけでございまして、事実、この夢投票などを分析いたしますと、大変伸びやかな現実、目の前の問題にとらわれない発想がどんどん出てきておるわけでございまして、偉い先生方の論旨ということも大事でございますが、究極のところ大衆に聞けと、こういうことがやはり政治行政の様態ではなかろうかと、かように思うわけでございまして、今後そういった点も十分心して夢おこし県政を進めてまいりたいと、かように思っております。 この夢おこしの県政を進めるに当たりまして、機会あるごとに申し上げておりますけれども、未来指向型の路線と現実対応型の路線がございます。未来指向型の路線と申しますのは、夢投票等で出てまいっておりますけれどもレジャー、イベント、スポーツ等々の余暇を楽しむ趣向、そういうものにどう対応するかという路線がございます。片や世論調査、二年おきにやっておりますけれども、現実に当面何に力を県政は置くべきかということに関しましては、福祉、道路、下水道と、この三つが連続して上位の三位を占めておるわけでございますが、こうした現実対応の路線も同時に進めなきゃいけないということでございまして、鉄道で言えば単線運転ではなくて現実対応、未来対応、複線、複々線で鉄道を運転していくと、こういう県政でなければならないということでございまして、日本一住みよいふるさと岐阜県をつくっていく上におきまして、福祉も充実しなければならない、環境も保全しなきゃいけない、そうした財源をどこに求めるかと言いますと、やはり産業経済ということになるわけでございまして、この産業経済というものをいかに繁栄させるかと、こういう重要な課題があるわけでございまして、全産業につきましていかに付加価値を高めるかということが、けさほどの質問にございましたけれども、愛知県等と比較いたしまして立ちおくれておる岐阜県におきましては特に重要な課題でございまして、情報化あるいは国際化、そうした大きな時代の流れに即して、先手を打ってどんどん行政を展開するということも同時に進めて、そして経済的なゆとりを持つ、そして生活のゆとりの源泉を創出するということも大きな課題であるわけでございまして、付加価値という点につきましてはやはり岐阜ブランドというものの付加価値、そういうことも非常に大事なことでございまして、岐阜ブランドというものを高めていくためには岐阜県全体の知名度を上げなきゃいけない、そういうことにつながってくるということを御理解をいただきたいというふうに思うわけでございます。 それから、政策判断における価値基準ということでございますが、声なき声を聞くということが大切だということでございます。そういう観点から、私はこの夢投票というものが大変重要であるというふうに思いますし、あるいはガヤガヤ会議という形で肩書のない方になるべく集まっていただいて率直な御意見をいただくということも大事でございますし、また、私自身も過疎地域あるいは福祉施設、そういうところをかけ回って、肌で声なき声を感ずるということも非常に重要であると考えておるわけでございまして、選挙による間接民主主義というものをこうした直接的な手法で補完していかないと、大きく政治行政を誤るというふうに考えるわけでございます。したがって、常に県民大衆の声なき声を聞くという御指摘のそういう心得を常に胸に置いていかなければならないと、かように考えております。 それから最後に、企業あるいは組織は人なりということに対してお答えを申し上げたいと思いますが、せっかくの機会でございますので、こうした時代における、特に地方行政におけるトップの役割について、どういう考えを持っているかということをお答え申し上げたいというふうに思います。 自治体のトップは、今大変な変革期に遭遇しているというふうに思うわけでございます。なぜかと申しますと、その一つは生産優先から生活優先に時代が大きく変わりつつあるということでございます。アメリカの大統領になられましたクリントン大統領は、--今はまだ知事でございますが--市民第一主義ということをずっと唱えて行政を進めておられました。プッティング・ピープル・ファーストと、こういうことでございますが、そのことが大統領選挙におきましても高い評価を受けたというふうに言われておりますが、岐阜県で言えば県民第一主義でございますが、その主義に立ちますと、先ほど来申し上げておりますように、県民ニーズを常につかんで生活者の立場に立たなきゃいけないということでございます。県政の末端の者が県民ニーズをつかむと。それに依存しているというわけにはまいらない。トップ自身が県民ニーズをつかむという努力をしなきゃいけない。そういうことでございます。その上にトップダウンということが出てくるということでございまして、出雲市の岩國市長さんもトップダウン型の市政というものを導入しておられるわけでございまして、そこにあの人に対する評価があると思うわけでございます。 それからもう一つは、生活優先になりますと縦割り行政から横割り行政ということになってまいりまして、従来の生産優先の縦割り行政の中で生活者のニーズにこたえるとなりますと、縦のものを横にしなきゃいけないということがトップの役割でございまして、なかなか率直に申し上げまして、官僚機構が自動的に横割りに対応するということは非常に難しいことでございます。前にも御答弁しましたとおり、福祉とか環境とか文化とか、そういうことを常に念頭に置いて仕事をしていただくことにしておりますけれども、究極はトップがそういう役目をしなきゃいけない、このことは静岡県の掛川市の榛村市長さんがいつも提唱されておられますけれども、そういう縦のものを横にするというトップの役割が非常に重要になってきたということを御理解いただきたいというふうに思います。 それから、地方の時代が来たという次の課題がございまして、国の下請から県も自主的、主体性を持って行動しなきゃいけないという地方の時代がまいりました。ということは、前例を踏襲して事なかれでやっておれば済むと、こういう時代ではないわけでございまして、厳しい地方の時代の波にさらされているということでございまして、当然にトップダウンということが重要になってくる。さらに時代の先を読んで、先見性を持って先取りの政策をしなきゃいけない。こういう要請がトップに求められておるということでございます。 それから三番目は、危機的状況において陣頭に立つということでございまして、これは当然のことでございますが、四番目に今おっしゃいました部下を育てるということがトップの重要な役割でございまして、組織の継続性ということもございます。将来を考えて、人づくりを常に念頭に置くということでございます。私どもは県職員、特に二十一世紀の岐阜県を支える県職員づくりを一生懸命やっておるわけでございまして、外務省にも、全国でトップクラスでございますが三人の職員を派遣いたしております。ロサンゼルスの領事館で働いた県職員、大変評判がようございまして、総領事からお褒めの手紙もいただいておりまして、こういうことが県職員の大変な自信とプライドを高めておるということでもございまして、こういうような形で未来の人材づくりということに努めていかなきゃならないと、かように考えております。 そして、最後に申し上げたいことは、自立と協調ということでございます。まず最初に手段ありきということではなくて、お説のとおり最初に目標ありきという県政でなきゃいけないということでございまして、ただいま共通の目標づくりをいたしております。それが二十一世紀ビジョンとかあるいは夢おこし十年カレンダーでございますが、そうした目標達成のための手段あるいは手順、手法というものについて、共通の認識、理解を持つということを懸命に私ども今努力をいたしておるわけでございまして、そうした共通の枠づくりをして初めて個人個人が自主的に伸び伸びと仕事ができるということでございまして、大きな時代の変化の波がございます、そういう中で伸び伸び安心して行動できるということは、組織の共通の目標とかそういうものがあって初めてできるわけでございまして、今はその枠組みづくりの過渡期ということで、いろいろ問題があるということは十分承知いたしておりますが、いずれにいたしましても早くそうした枠組みづくりをいたしまして、自立と協調の精神で、伸び伸びと組織が、あるいは職員が十分に能力を発揮できるように、今後も努力をいたしてまいりたいと考えております。 ○議長(今井田清君) 民生部長 細井日出男君。    〔民生部長 細井日出男君登壇〕 ◎民生部長(細井日出男君) 要援護老人の介護等についてお答えします。 まず、市町村老人保健福祉計画についてでございますが、この計画は、市町村における高齢者の実態やニーズなどを踏まえ手づくりで作成することが望ましく、こうした観点から、研修会等を通じて市町村を指導してまいりました。しかしながら、何らかの形でコンサルタントを利用したいと考えている市町村数は約半数近くございます。こうした市町村に対しましては、コンサルタントを利用するとしても、すべてを任せるのではなく、その知識を活用しながら、地域の独自性を保ちつつ、主体となって計画づくりに当たるよう指導してまいりたいと考えております。 次に、計画作成に係る支援についてでございますが、今年度は調査票の設計や集計事務の調整とこれに要する経費の助成、さらにはトップセミナーなど研修会の開催、計画作成指針の提示など計画作成に必要な支援を行い、また資料等の提供も行っております。平成五年度におきましても、モデル計画の提供や福祉事務所等を通じての指導援助などを行い、全市町村における計画作成の適切な推進を図ってまいります。 次に、特別養護老人ホームの整備促進についてでありますが、市町村における整備目標や地域バランスをも考慮しつつ、当面は一市一郡一特養を目標に促進に努めてまいりたいと考えております。 次に、民間社会福祉法人による施設整備を促進するため、議員御指摘のとおり転換助成制度を設けておりますが、特別養護老人ホームについて見ますと、その補助総額は平成三年度は百二十床で二億七千七百万円、平成四年度は百三十床で三億九千九百万円となっており、五年度においては二百三十床の整備が予定されるなど年々伸びております。今後においても、民間における一層の整備が重要でありますので、その推進策等についてさらに研究してまいりたいと考えております。 次に、さわやか介護セミナーは、市町村が実施主体となり、主として介護経験のない方を対象に、施設職員などの専門家による地域福祉、在宅福祉の講義や、介護技術等の実技、実習をあわせて十二時間程度講習するものであり、修了者をさわやかケアリーダーとして登録し、地域の中で一定の役割を果たしていただくことをねらいとしております。現在、大垣市を初め八市町村で開催され、二千八百余人が受講されておりますが、一人でも多くの方が受講されるよう実施箇所をふやすなど、市町村を指導し、その充実を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(今井田清君) 衛生環境部長 井口恒男君。    〔衛生環境部長 井口恒男君登壇〕 ◎衛生環境部長(井口恒男君) 老人訪問看護ステーションにつきましてお答え申し上げます。 老人訪問看護制度は、在宅の寝たきり老人等に対しまして、医師の指示に基づきまして老人訪問看護ステーションから看護婦を訪問させ、病状の観察、床ずれの処置、カテーテルの管理等の看護サービスを提供しようとするものであります。制度の周知につきましては、県関係機関、市町村、医師会等を中心に行うとともに、ステーションが設置されております地域の方々に対し、保健婦による訪問指導の機会等に、必要な方に訪問看護が提供されるよう周知、調整を進めているところであります。現在までに四カ所指定しておりまして、利用状況を見ますと、この十月には七十二人、延べ二百九十回、平均週一回程度でございますがこの訪問実施となっておりまして、徐々にこの制度を利用される方が増加しておるところであります。老人訪問看護ステーションは、在宅医療の推進に必要不可欠なものでございまして、今後とも制度の周知を図りながら、老人保健福祉計画の策定や保健医療計画の見直しの中で整備水準を定め、計画的に整備を進めたいと考えておるところでございます。 ○議長(今井田清君) 商工労働部長 藤田幸也君。    〔商工労働部長 藤田幸也君登壇〕 ◎商工労働部長(藤田幸也君) 介護休業制度についてお答えをいたします。 議員御指摘のとおり、高齢化、核家族化の進展に伴いまして、年老いた親等の介護を行う労働者の職業生活と、家庭生活の調和を図るための援助施策の充実が強く求められておるわけでございます。このため、介護休業制度を初めとする企業における就業環境の整備を図っていくことが大変重要でございまして、その意味から、本年七月、国におきまして策定をされました介護休業制度等に関するガイドラインは、大変意義あるものと考えております。ガイドライン策定後の介護休業制度の普及率はまだ判明をいたしておりませんが、平成二年度の国の調査によりますと、全国では一三・七%、本県では九・一%となっておりまして、この制度への取り組みが緒についたばかりでありまして、導入はまだまだ低い状況にあります。このことから、県といたしましては、働く女性のためのガイドブックを作成配布するなど、関係者の理解を深めていただくよう啓発に努めておりますが、今後とも介護休業制度の施行指導機関でございます労働省の岐阜婦人少年室と連携をとりながら、介護休業制度のしおりの作成配布、各種セミナー及び広報紙によりまして、制度の普及啓発に積極的に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(今井田清君) 教育長 澤田 確君。    〔教育長 澤田 確君登壇〕 ◎教育長(澤田確君) 教育改革についてお答えをいたします。 第一点目の個性重視の教育については、その重要性を十分認識し、新しい学習指導要領の趣旨等の徹底に努力をいたしているところでございます。御指摘のように、市町村教育委員会や学校が、地域の特性を生かしながら教育活動に創意工夫を凝らすことは極めて大切であり、奉仕等の体験活動やふるさと学習などを積極的に進めているところであります。とりわけ、学校週五日制実施を契機に、特色ある活動を企画、実施しようという機運が盛り上がっております。また、登校拒否については、御指摘の学校以外の施設における教育のあり方をも含め、国の指導を踏まえつつ今後とも適切に対応してまいりたいと考えております。 第二点目の高校教育の改革については、一人ひとりの生徒の個性を生かす入試制度に関し、本県では既に推薦入試の実施、改善を積極的に進めてきております。また、全日制高校への無学年制導入を含む単位制高校の設置についても、現在検討しているところであります。いずれにしても、これらについては来年一月に予定される文部省の検討会議の最終報告で今後の方向が示される見込みであり、それをも踏まえて適切に対応してまいる所存であります。 第三点目の心の教育については、教育の原点にかかわる大切な課題と認識しております。県教育委員会としては、学校教育のさまざまな場面において感動的な体験の機会を重視し、奉仕等の精神や弱者をいたわる心を育てるなど、かねてから積極的に対応しているところであります。また、教育は人なりと言われるように、子供たちの豊かな心をはぐくむ上で、教員の果たす役割は極めて大きなものがあります。採用、研修の各段階を通じ、今後とも教員の資質向上に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(今井田清君) 二十三番 山田 桂君。    〔二十三番 山田 桂君登壇〕(拍手) ◆二十三番(山田桂君) 一般質問を二項目についてお尋ねいたしたいと思います。 第一は自然保護、なかんずく貴重植物の保護行政について、林政部長に伺うものであります。 サギソウを御存じだろうと思います。盛夏、シラサギが翼を広げて飛ぶがごとき可憐な花をつけます宿根の湿地に群生する野草でございます。近年盆栽などとして愛好されて、事務所の机の上にも見られるあのきれいな花であります。このサギソウの群生が、岐阜市内に二カ所ありました。岐阜市太郎丸地内の湿地でございます。一つは昭和四十四年、中部電力の変電所建設の用地となりまして、近くの寺院境内に移植をされたのでございますが、その後絶滅をいたしました。いま一つの大群生が、同じく太郎丸地内の岐阜女子大学の誘致地区内に入り、大学はこれを保護して原生を保とうといたしました。この大学のシンボルマークはサギソウの花とうかがっております。私は、かつて新婚の当時ですが、妻を伴ってこの群生を鑑賞したことがございましたし、あるいは友人を伴ってここを訪れたりいたしました。ところが今日、この群生地はNHKの信長オープンセットの駐車場となっておりまして、完全舗装されてしまいました。信長セットは大繁盛いたしまして、百五十万の入場者に沸き、岐阜市は満面の笑みをたたえていらっしゃいます。先日、私はそれに驚きまして、市に照会をいたしましたところ、ここにサギソウの群生があったことは知っていると。しかし、それがいつ絶滅したかは分明ではないという話でございました。信長がサギソウを殺したのか、あるいは既に絶滅していたのかも、確認することはできませんでした。ついでに、岐阜市には自然保護あるいは貴重植物の保護を規定する条例や規則あるいは事務分掌もないことがわかりました。かくして岐阜市のサギソウは命運尽きたのであります。 さて、これら自然や貴重植物につきましては、国は自然公園法による大規模な自然の保護を、県は岐阜県自然公園条例と自然環境保全条例によって、相当規模の自然や植生について保護措置や規制を講じておりまして、貴重植物につきましては二百九十七種を指定をしており、サギソウもその一つでございます。しかし、県は相当規模の広さのものを対象としており、自然環境保全地域は能郷白山を初め十六地域、緑地環境保全地域は美濃市小倉山を初めとする十五地域、計三十一地域に限られております。他の地区における貴重保護植物の保全は、市町村に期待をしているというスタイルであります。実態はさきの岐阜市のサギソウに見るごとくであります。幾つかの市町村が自然環境保護条例を持ち、別途県は、スキー場やゴルフ場などにつきましては二十ヘクタール以上の大規模開発、あるいは大きな宅造などにつきまして、開発に当たっての植生調査を義務づけるなどをしております。しかし、体系的な整備がこの場合もっと必要なのではないかと考えるわけであります。県は規模の大きい地域指定による環境保全を、市町村はおのおのの管内の環境を、そのネットワークのためには、市町村への自然保護行政や条例化の指導や誘導が必要になってきているのではなかろうか、そんな観点で所見を伺いたいと思います。 第二、農政につきまして数点、農政部長にお尋ねいたします。 その一は、米の自由化の問題であります。 先日、ガットは、アメリカ・EC間の最大の争点であった菜種油の輸出補助金について、同意に達しました。いよいよ日本の米の問題は最終局面を迎えたと報じられております。報道によりますと、日本の国境措置、輸入禁止の措置は困難な局面となったとされ、それは世界の自由貿易体制を破壊するものという国際的な批判を招くなどと言われたりしております。徐々に国内世論操作されているというふうな感じも私は受けるわけであります。政府閣僚の発言の中にもそれを見る昨今の事情であります。今日、日本の食糧事情は穀物自給率で三〇%弱、カロリーベースで四七%という世界先進国中最低の位置にあります。まさに独立国としての安定性を失ったところまで日本農業は荒廃し、国民の食糧は安全保障を失ってきております。既に日本は世界最大の食糧輸入国であり、大きな門戸を開放しているわけであります。かろうじて米を完全自給できることだけが、国民の食糧の安心であります。国会は、三度に及んで自由化、関税化阻止を決議し、幸いにして農水省はこの方針を今日も堅持をしている模様であります。しかし、政府部内には自由化容認の発言も相次ぐ昨今の実態であります。 ところで先日、十二月六日付の新聞を見ますと、政府部内文書が報じられているんですが、例外なき関税化を受け入れた場合でも、米の関税を高くすれば輸入禁止の効果を持つことができるとする条件闘争論が一部にあるが、いわゆるドンケル案によって輸入制限を高率関税に置きかえるならば、まず国内消費量の五%、五十万トンが無税ないし国内価格の八分の一程度で流入することとなり、高率関税七〇〇%も六年間には一五ないし三六%の引き下げが義務づけられることになりますので、国内価格がそれに対応して引き下げ得ない場合には、日本の米の秩序は崩壊するであろうとする内容のものであります。今、国内では米の生産過剰が約三〇%あります。三百万トンに及ぶ強烈な生産調整が行われており、加えてこの関税化が押しつけられたならば、米の生産は、一口で言って生産能力の五〇%程度に落ちるのではないかというふうに言えるわけであります。 そこで私は主張するんですが、一つにはガット条約第十一条二項Cに明記する、加盟国は輸入について関税、課徴金以外いかなる禁止または制限も課してはならないとする本文規定が確かにあります。しかし一方で、国内で同種の商品の生産制限が行われている場合にはこれを例外とするという規定も、まさにガットの明文の中にあるわけでありまして、まさに日本の米がそのケースと言えると思います。条約が明記するこの例外認定を日本が主張することには何の問題もないはずであります。二つには、アメリカの国内法、農業調整法に言ういわゆるウエーバー条項であります。それは、ガットでの自由化免除の取り扱いをアメリカ自身が今受けておりまして、国内農業保護の国境措置として輸入制限を行っているわけでありまして、今日作動をしています。言わばアメリカの力とエゴイズムの象徴となっております。日本の米については確信を持って我々は主張すべきであろうというふうに考えるわけであります。 なお、どうしても触れざるを得ませんのは、日本の貿易構造全体についてであります。日本の対外収支は年間千二百億ドルの輸出超過であり、自動車、電機などを先頭とする怒濤のような輸出攻勢があります。一人日本だけがもうけ過ぎているのに、米だけは困ると頑張るのは困る。国際貿易秩序をどうするのか。これが実は外国から日本に対してなされる批判の本体部分であることに留意をしなければならないと思うんです。日本の貿易政策全体の中の調整が必要であるというのがベースでなければなりません。 さて、米をめぐる国際関係に対して、私は日本の国内世論を高める必要を痛感するものであります。いわく渡辺外務大臣、いわく武藤元通産大臣、そして日経連などの、「米を一粒たりとも入れないのは国際社会の秩序に反する」とする数々の発言に代表される自由化、関税化容認論に対しまして、我々も地方から反撃し、国民の食糧、日本の農業、米を守るための世論を高める必要があろうと考えます。地方議会の意見書、そして地方の首長や自治体は、政府の見解に対して要求を提出する必要があろうと考えます。この意味で、米自由化についての農政部長の見解を、この本会議でこの段階で改めて伺いたいと考えるわけであります。 その二、本年六月発表されました政府の新しい食糧、農業農村政策に関連をしてお尋ねをいたしたいと思います。この政策を簡単に要約いたしますと、食糧自給率の向上を目指して農業の体質強化を図ることが必要であり、そのために米について言うならば大型個別農家、あるいは農業法人をもって、十年程度後には十ないし二十ヘクタール程度の大型規模を持って生産費を低減させ、この中核農家をもって八割の生産を担わせるというものであります。一方、生産費の合理化、低減がこのことによって可能であり、米は一俵六十キロ当たり九千円程度、国際競争力を養うという筋書きであります。私自身、生産や経営の大型化なしに米の体質改善は不可能であるとする見解に立つものでございます。しかし、新政策によるならば、個別経営体、大型・中核農家を全国で十五万戸、農業法人二万組織を想定し、岐阜県に援用をいたしますと中核農家で千五百ないし二千戸、農業法人で二百ないし三百が現在の農家戸数で、県下の農家戸数であります九万八千戸、約六万九千ヘクタールの耕地の八〇%を集約経営する姿を想定しているわけであります。 ところで、岐阜県農業の特質は零細経営、小規模にあります。経営規模の全国平均は百十五・四アールであります。岐阜県のそれは五十八アールにしか過ぎません。まさにちょうど半分であります。当然、二種兼業農家が九〇%を占めております。これを十ないし二十、ないし三十ヘクタール規模の中核農家あるいは農業法人などへ誘導する政策は、それこそ革命的な構造改革と言うべきでございまして、これについて行政の展望をお聞きしたいと思うんです。これ、なかなか大変なことであります。 その三、前述のように県下の経営規模は小規模で、二種兼業型であります。その中で、既存の法律や行政が大型化を目指してまいりました。農用地利用促進法などによります農地の集約状況が今日ありますが、全国平均では五%流動いたしました。県下では三・五%と全国平均より大変低いんですね。岐阜県の二十一世紀農業ビジョンを拝見いたしますと、これら農家を三分類いたしまして、自己完結型、小規模経営ですね、これを約三分の一、将来も展望し、大型経営つまり中核農家、二十ないし三十ヘクタールの中核農家や農業法人を三分の一誘導する。そして、三分の一は部落共同型の生産組織や機械化組合によることを描いております。私は、この岐阜県のビジョンの方が、むしろ無理はあっても政府案に比べてはるかに現実的であるというふうに考えております。実際に県下の農村の実態や感覚によるとするならば、部落共同型の生産組織、稲作協同組合や機械化組合を重視しこれを助成する。もちろん中核農家づくりを否定はいたしませんが、劣らずこれら部落共同型を支援することが現実に必要な方策であると考えるのでございますが、いかかでございましょうか。 その四、米の生産性向上につきまして欠かせないのは単位収量であります。先日NHKテレビで見たのですが、米の収量が最も少ない国はどこでしょう、一 アメリカ、二 朝鮮、三 日本、このクイズの正解は日本であります。日本が一番米が取れない国なんです。瑞穂の国ではないわけであります。見事、ほとんどの解答者が帽子を脱がされました。日本農業は今、米づくりで世界水準に達しておりません。実態は全国平均約十アール当たり五百キログラムであります。多収穫地域で六百キログラム、岐阜県は全国最低位にありまして四百三十キロ程度であります。 先日、私は、朝鮮民主主義人民共和国を訪問いたしました。三十八度線以北、戦前はほとんど米づくりが困難であったこの国で、平均、もみで八百キログラム、玄米で六百キログラム、先進的な地区はもみ千キログラム、玄米で七百五十キログラムを収穫していると言われております。岐阜県の場合、四百三十キログラムの水準は、最大の原因は稲作ステージにあると言わざるを得ません。早植えは必須の不可欠な技術論であります。私は十年来、早植えの必要を強調し続けてまいりました。早植えによる増収は、早植えが増収となる農業技術論は全国実績に照らしても明らかであります。理論的には、稲が最も日射カロリーを要求いたします出穂前後、出穂前二十日間及び出穂後三十日間、この五十日間の太陽カロリーがもみの登熟の度合いを決定いたします。五月一日田植え、八月一日出穂の稲は、出穂前後五十日間に受ける日射カロリーが平方センチ当たり一万四千二百六十カロリーであります。六月十一日遅植えの田植え、九月十一日出穂の場合のカロリーは一万十カロリーであります。このカロリー指数は、百四十対百であります。この差が単位収量を六百キログラムと四百キログラムの差に決着させるメカニズムであります。 米は八月に育てなければなりません。九月の長雨では育ちません。この簡単な理論、現実に実証された理論、早植え栽培は、岐阜県でも徐々に普及をし、実践をされてきてはおります。そして、増収効果を上げております。収量が五〇%、つまり四百三十キログラムから六百キログラムに上がれば、単位費用はそれだけ下がるわけであります。まず克服すべき課題であると思うんですが、歴年の早植え率は、十年かかって今日二一・一%であります。昨年は一八・〇%であり、一昨年は一六・八%であります。ほんの徐々に向上しているというのが実態であります。ところが、その分布を見ますと、一方で根尾村の九四%、揖斐川町の八四%、池田町 六六%、関ケ原町 六一%、垂井町 五二%、武儀町 四八%、神戸町 四五%、海津町 四〇%、岐阜市 三七%、美山町 三五%と、早植え普及率を向上させている地区があります。一方では、羽島市・郡や各務原などがゼロ%でありまして、大変に格差が大きいのであります。行政や農協の思想的な差だと、私はここで申し上げる次第であります。県は早植え協議会を組織したと聞いておりますが、この地域格差の要因は何か、伺いたいと思います。 その五、突然話題が変わってカキになるんですけれども、富有柿の市場性について伺いたいと思います。カキの王者 富有柿、岐阜県はその発祥地であり特産地であります。その岐阜ガキの市場性が落ち込みまして、既に十年以上経過いたします。ちなみに、東京市場の報告書をかります。昭和六十年には、岐阜県の出荷量は第一位でございましたが、それは今日、平成三年も第二位を保っておりまして、量については確かに王者の位置にあります。しかし、価格を見ますと、昭和六十年ではキロ当たり岐阜が二百五十八円に対しまして福岡県が三百三十円であります。二百五十八円対三百三十円、順位で言いますと福岡が一位で岐阜は七位だったと記憶をいたします。平成三年の価格ですが、岐阜は三百六十五円で福岡が四百九十五円です。膨大な差があるんですね。同じカキとは思えません。本家岐阜ガキは、ことしも二流品扱いに甘んじました。カキの商品価値は、赤くて大きく甘いのが三大要素であります。かつて申し上げましたので、ここでは数値などを省略させていただきますが、窒素肥料を抑制をしなければ赤いカキはできません。植裁本数や着果数を抑制しなければ大きな玉をつくることはできません。夏は水分の供給を十分にしなければ、大きなカキが育ちません。こういう栽培技術論につきましては、理論は既に完成をしておるわけであります。窒素について言うならば、農業技術体系の指導数値は、たしか十アール当たり福岡県が九・五キロです。岐阜県は二十四キロ使えと指導をしていて、窒素過多のカキが赤くなれないのは極めて当然と、こういう欠陥があるわけなんです。そういう理論はもう既にクリアしたわけなんですが、生産現場への移転がなかなか農家の経験主義なんかがございまして、遅々として進みません。普及指導上のポイントについて、この際改めて農政部長から伺いたいと思います。 続いて流通面での改善、つまり選果の改善をする必要が明らかにあります。カラーチャートセンサーによる厳格な選果を行っている福岡県では、チャート五・五以下は欠格品ではね出しであります。岐阜のカキにはその五・五がむしろ少ないというような段違いがあるわけであります。選果の規格が極めて緩い状況があります。十年前の私の調査では、岐阜ガキのほとんどが五・五以下でございました。福岡では五・五はすべて欠格に扱っている。この選果システムが岐阜ブランドを格落ちさせていると言っていいと思います。この課題につきまして、その後県の行政や技術的なリードがどうなされてきたか、お伺いをしたいと思うわけであります。 その六、三倍体アマゴにつきまして、先日水産試験場で三倍体アマゴを見、試食もさせていただきました。見事なものと批評していいと思います。サケ科のアマゴは卵子の染色体三十三個、精子のそれ三十三個、この両染色体により受精し、成長し、そして生殖の後二年で死滅をいたします。ところが、受精後、卵にショックを与える。つまり、わずかに水温二十七度C、二十三分間を与えることにより、正常な受精、つまり雌雄に分かれる通常二倍体アマゴが無性のものとなります。したがって、生殖機能を失うことになり、通常二倍体アマゴが二年魚で産卵、死滅するのに対して、三倍体は三年も四年も成長をいたします。この理論を生かした巨大アマゴ、体重一キログラムのアマゴを生産するというのがこの三倍体であります。岐阜県の水産試験場が、全国で初めての大量ふ化に成功したとお聞きいたしました。脂肪分の含有率が高く、肉質は上々であります。恐らく岐阜県産品として大量生産に向かうであろうと期待するわけであります。今日までに岐阜県農業が世に問うてきたものが幾つかあります。先ほどの富有柿もそうです。ハツシモもそうです。飛騨牛や飛騨桃もそう。トマトの桃太郎、白川茶、美濃古地鶏など多くを数えることができますが、この大アマゴは、その列に名を連ねることになるだろうと期待をするものであります。試験場の技術陣に称賛を送りたいと思います。そこで、今後の商品化の見通しについて部長から伺いたいと思います。 続きまして、私の試験場見学の感想をもう一つ申し上げます。その施設の老朽化でございます。まず、水質の問題でございますが、河川水も地下水もともに細菌汚染しているそうでございまして、取水口は紫外線による滅菌機が装置してございまして、これなしに使えない状況にあります。水槽は旧型であり、水の循環がよくありません。コンクリートの耐用年数ははるかに過ぎておりまして、水槽の底が全面的に水漏れをしているとあります。家貧しくして孝子出ずと、こんな感じを受けます。施設改善を急ぐべきだと考えます。いかがでしょうか。すべて源は試験場にあります。水産に限らず、農総研を初めとする各試験場の近代化を急ぐべきであります。過日、委員長のリードで、農林委員会は各試験場を視察をさせていただきまして、その施設の近代化について統一した見解に立っておりますこともここで申し添えさせていただく次第でございます。以上で質問を終わります。    (拍手) ○議長(今井田清君) 農政部長 打田穂積君。    〔農政部長 打田穂積君登壇〕 ◎農政部長(打田穂積君) 農政問題についてお答えします。 第一点の米の自由化についてであります。稲作は地域農業の根幹であり、また、県土や自然環境の保全、伝統文化の形成等多面的な役割を担っております。このような観点から、既に岐阜県議会を初め全国知事会におかれましても、数回にわたり米の自由化阻止に関する意見書や要望書が提出されているところであります。したがいまして、今後とも国に対し米の自由化を阻止されますよう要請してまいります。 第二点の新政策の個別経営体等についてであります。県におきましては、ぎふ二十一世紀農業ビジョンにおいて、本県稲作を担う者として位置づけております経営規模二十ヘクタール以上で農業所得一千万円以上の企業マインドを有する個別経営体五百戸と生産組織百六十、並びに農作業共同型生産組織五百の育成を強力に進めてまいります。これら経営体により、本県水田面積のおおむね三分の二を担うことといたしておりまして、今後ともこの基本方針に基づき、本県水田農業の確立を進めてまいりたいと考えております。 第三点の地域生産組織等に対する助成策についてであります。従来から地域生産組織の育成強化は重要と考え、低コスト稲作営農モデル事業等により、組織の土地利用調整や高性能機械装備等の経費に対し助成をしてきたところでありますが、今後とも組織の育成強化についての必要な助成策を検討してまいりたいと考えております。 第四点の水稲早植え栽培の地域間差異についてであります。米の単収増と品質向上を図るため、昭和五十九年度から稲作の早植え栽培の普及を開始し、当面の目標面積を六千ヘクタールと設定して普及対策を強化してきました結果、順調に増加いたしまして本年は五千二十ヘクタールに達しております。しかしながら、議員の御指摘のとおり地域間に大きな差異があることも事実であります。この地域間差異の要因は、関係機関や生産者の早植え栽培に対します認識の違いなどがあるわけでありますが、県といたしましては普及率の低い市町村の関係団体による地域別の早植え栽培推進会議の活動を活発化し、一層早植え栽培の啓蒙普及に努めてまいります。 第五点のカキの栽培技術と選果についてであります。まず、栽培技術指導につきましては、昭和六十二年から大きくて・赤くて・うまいかきづくり運動を展開しておるわけであります。その中で特に基本となります技術は、間伐、土づくり、摘果、施肥改善などであります。これらの技術を組み合わせまして、各産地ごとにモデル園を設けまして実践を行うなど普及の徹底を図っているところであります。今後とも技術指導の一層強化に努めてまいります。次に選果についてでありますが、カキの色を添えるにはカラーセンサー方式によります選果が有効でありますので、従来の選果機からこの方式に順次誘導し、市場評価の高揚に努力してまいります。 第六点の三倍体アマゴについてであります。このアマゴの商品化の見通しでありますが、三倍体アマゴはサツキマスに劣らない味を有し、刺身、寿司のネタなど高級魚として期待されております。二年先には六十トンの出荷が見込まれております。次に、水産試験場の施設改善についてでありますが、議員御指摘のように一部老朽化しておりますので、今後計画的に施設の改善等について検討してまいりたいと考えております。 ○議長(今井田清君) 林政部長 竹中寿一君。    〔林政部長 竹中寿一君登壇〕 ◎林政部長(竹中寿一君) 自然環境の保全についてお答えいたします。 県におきましては、自然公園法や自然環境保全法、またこれらの法律に基づきます自然環境保全条例や県立自然公園条例等によりまして、貴重な植生の保全、保護を図っているところであります。議員御指摘の岐阜市太郎丸のサギソウ自生地のような小規模なものや、あるいは身近なものなどで、地域行政で対応することがふさわしいものにつきましては、市町村が自然環境保全に関する条例を制定するなどして保全されるべきものと考えております。また、現に条例を制定している市町村もございます。しかし、いずれにいたしましても、貴重な植生が保護されることは大切なことでありますので、今後とも市町村の自然保護行政が推進され、良好な自然環境の保全が図られますよう、市町村との連絡を密にし、条例の制定等も含めまして努力してまいりたいと存じます。 ○議長(今井田清君) 一番 小川昭夫君。    〔一番 小川昭夫君登壇〕(拍手) ◆一番(小川昭夫君) 忘れてならないのは日東あられの倒産であります。日東あられの悲劇は、一部経営陣の放漫と政治に携わった特定の者とのただれた関係によって引き起こされました。約五百億円の負債で倒産したのであります。以来一年七カ月、千五百十八名の社員は三百八十余名となり、あしたの再建を目指して、折からの不況の中、地獄の苦しみを味わいながら努力を続けております。心ある人は、日東あられの製品を大いに買ってあげていただきたいと思います。社長は懲役一年六カ月、経理担当重役は一年の求刑を受けています。しかるに、政治にかかわった者には何らのペナルティーもなく、また反省も謙虚さもありません。さぞ該当者は、うまくいった、ばれずに済んだと思っているでしょうが、不正追及の住民運動は健在でありますし、まだ時効になっていないことを知るべきであります。これから質問する事項についての当事者も、日東あられに連座しております。けじめをつけておかなければならないと考えている次第でございます。 私は九月県議会において、揖斐郡池田町を通り安八郡神戸町に至る揖西用水土地改良区の池田町地内の農業用水路の改良工事について、一部県費を使ってふたをし、それを駐車場として工場が使っていることを指摘し、答弁を求めましたが適切な答弁でなかったので再質問に立ちましたが、再質問の途中、テレビ中継が時間切れとなり放映が中止されました。その後、かなりの人から最終どうなったかという問い合わせがありましたが、本日もテレビに入りませんので、前回は前編、きょうは後編、後日は続編として、粘り強く質問を続けていきますので、私に問い合わせをしてくださった皆様の了解を、御理解を得ておきたいと思うのでございます。私は今回の質問に当たって、再度地域の人たちと現場を検証し、論点を整備し、かつ追加して質問をこれからいたします。 最初に、農業用水路にふたをした問題でありますが、用水路に面する一つの工場は、建設省所有の水路上に幅三・五メートル、延長八十五メートルにわたってコンクリートボックスを入れ、ふたをしてスペースをつくり、駐車場にしております。車のほかにファン等幾つかの器具も取りつけられており、工場の独占となっております。この工事に会社から五百八十二万円、県から平成二年度県費助成として三百八十八万円が支出されています。工事に先立って、工場から地域の砂畑区に十万円が渡されていたことが最近になって指摘されております。隣接するもう一つの工場の用水路は、平成三年度事業として実に延長約百六十メートルで、会社から一千百四十六万円、県費助成は五百八十二万円を支出しております。不思議なことに、この会社はまだ新しく建てられた工場でありますので、駐車場は敷地内にたっぷりあります。したがって、現在用水路上はふたをしたままで使われておりません。あるのは工場排水だけであります。県が施設の適正かつ安全な維持管理を図るため溝ぶたをしたと前の議会で答弁をされておりますが、それは全然違います。そんな状況はかけらもないし、そんな箇所でもありません。見ていただくとはっきりするというふうに考えております。仮に、真に必要な施設であれば、県や町の金でやったらよろしい。少なくとも、会社から多額の金を不景気の折から出させる必要はないと思います。事実は明らかに初めから目的外の駐車場をつくる意図であったと断定できます。 この二つのほかにも、平成四年度--今年度事業として、神戸町地内で国庫事業として三千九百万円、うち県の助成は千百七十万円と思っておりますが、工事が着工されております。しかし、騒がしくなったので現在は中断をしております。恐らくほとぼりが冷めたらまたやるつもりではないでしょうか。用水路は県内くまなく至るところに存在しているわけでありますので、今後要望があればどんどんふたをするつもりであるかどうか、答えていただきたいと思います。 今申し上げました三カ所は、多くの人が知らないまま、異常な状況で溝ぶたが施工されていますので、本来ならば壊して原形復旧するのが本旨だと思いますが、それでは税金のむだ遣いにもなりますので、やむを得ずまず県の助成金は返還させる、そのような決意に立つべきであります。そしてまた会社にも返す。そのような措置を命ぜられる意思があるかどうか、お尋ねをいたします。もしそれもできないとおっしゃるのであれば、だれが計画立案、実行したのか、調査をしなければなりませんけれども、参画した者全員の責任はまことに大きく、責任をとるべきであると考えますので、明確にお答えを願いたいと思います。 次に、昭和六十一年十月末に池田町白鳥工場団地に町の誘致で進出した株式会社岐阜セラミック製造所の建設、排水問題等の協力金として、池田町土地開発公社から千五百万円を取っております。土地改良区がこの程度の理由で大金を取ることは妥当ではないと思います。しかも、私の調査によれば、この千五百万円の金は土地改良組合用水、工区が六つあるわけでございますけれども、当人の所属しておる工区に金を入れておる。全体の工区の会計に入れるのであればまだそれなりの理屈が立つと思いますけれども、一部分の自分の所属する工区に入れているわけであります。その後、町議会の追及、多くの住民の人たちの憤り等が上がりまして、現在は農協に預金をされているようであります。この金は、当然税金の対象になる金でありますから、所得税や地方税を課税すべきであります。返還をしなければ直ちにそのような対策をとるべきであります。この会社は、排水問題の解決ができずに約二年七カ月建設がおくれたようであります。正当な、だれしもが納得できる理由なくして取った大金千五百万円は、県の命令によって返還させるべきだと思いますがどうされますか。県との関係において、間接的な責任が県にも生じておることを知っていただいて、そして答弁をお願いいたします。 次に、同組合の役員について、前議会で農業者として資格がないのに役員になっている学歴詐称もあり、公職選挙法の準用団体として適当でないと指摘しましたところ、農政部長より、耕作権者であるから組合員であり、役員の資格があると答弁をされました。しかし、了承することができませんので、県議会終了後地元の人たちとさらに調査をいたしました。資格があると言っている問題の農地は百十九平米、約三十七坪の土地の借り地でございます。現況は宅地と同レベルの高さで、太い樹木がたくさんあり、八坪ぐらいを開墾して野菜がつくられております。米をつくった形跡は一切ありません。この野菜づくり、八坪の野菜づくりを農業者と称し、組合員となり、最高の役員になっているのであります。この程度ならサラリーマンの家庭でも野菜をつくっている人は幾らでもおります。皆、農業者ということになるわけであります。しかも、米から野菜をつくっているといって転作奨励金、一年、二千百六十円ですが、奨励金を取っております。米をつくったことがないのに奨励金を取っております。あるときは千五百万円、またあるときは二千百六十円、すごいことをやりおる、そんなふうに私は考えております。この奨励金は、単に金額が少ない、返還させるだけでは済まない、国家から取った問題を包含していると思います。 九月県議会の終了後、十月十九日、池田町の農業基本台帳によって、昭和六十三年以降当人は農地の所有者でもなく小作でもなく、無資格であることがはっきりしております。さらに、揖西用水土地改良区定款によっても、組合員にはなれないわけであります。このことを私は農政部の担当者に申し出ました。すると、驚くことにその明くる日--二十日でありますが、当人が役場に行って地主の申告が間違っていると訂正を求め、役場の担当者は電算処理をしてあるので訂正はできない、来年の申告時に訂正してほしいと拒否をしたのですが、強く言うので揖斐県事務所の農務課に問い合わせたところ、農家基本台帳は本人の自主申告であるから、随時いつでも本人から申し出があれば訂正できると指導をしたので、台帳を机の上に出したところ、他の人が申告した三十七坪の地番を抹消し自分の台帳につけ加えました。役場の担当者は、委任状もなく抹消されたので後日問題になってはと考え、当人から訂正日付と署名捺印をさせました。そして明くる日--二十一日ですが、農政部の担当者より私に対し、さきに申し入れのあった事項については既に本人が修正されたので組合員資格はありますと私に電話がかかってまいりました。 察するところ、私が言っていた無資格であるという論拠は正当であったので反論することができず、農政部担当者より当人に、また揖斐県事務所農務課に情報が流れ、事もあろうに他人の台帳を改ざんしたと察せられます。私及び地元の人たちは、池田町農家基本台帳不正修正事件と名づけ、このままでは済まさぬ、事件の解明と責任の追及をしていきます。私の申し出を逆手に取って修正したので、組合員資格はありますと担当者から電話がかかってきたとき、本当に怒りが込み上げてきました。なぜそうまでして悪いことをする者をかばうのか、だれが真にかばっているのかと思ったのですが、腹が立っても顔に出さないのが私のいいところでありますので、忍の一字、いや一字では足りませんでしたので、忍忍の二字で辛抱し、本日冷静に質問をしているところでございます。はっきりしておきますが、どんな手段を講じても、昭和六十三年から彼らが不正修正した平成四年十一月までの約五年間は無資格であることは明々白々の事実であります。県当局は辞職を勧告し、揖西用水土地改良区の会計もこの際徹底的に精査して、新しい体制を出発させるべきと考えますがいかがでしょうか、お尋ねいたします。 前議会の農政部長答弁は、形はきれいでしたが全く状況、現実を無視した、悪いことをかばうような答弁でした。私は、部長がどういう人かといろんな人に聞いてみましたが、だれからも識見豊富な立派な人だと聞きました。これは褒め殺しではありません。皆さんがそのように評価をされておるからであります。岐阜県農政をあずかる最高責任者として、明確な答えを求めます。今まででしたらお願いしますと言いましたけれども、きょうは求めます。最近彼は、農業者の肩書で中央陳情もやっておられるようですが、これは限度を超えているのではないでしょうか、実情を私は中央にも上げなければならぬと思っております。中央では私たちの意見がよく通るのです。各省庁も大変気を遣ってくれる時代となっています。それは参議院の与野党逆転が物を言っているからであります。このことを覚えておいていただきたいと思います。また、地元では告発も辞さずの態度で、多くの人がおります。けじめをつけた答弁を重ねて求めるものでございます。 次が、砂利採取の問題でありますが、本年六月より揖斐郡池田町六之井地内の砂利採取に当たって、建設省の財産である排水口下の延長約八十メートル、幅二メートルの砂利採取が行われております。許可をするに当たって、厳格な審査が行われたかどうか。その場限りだけの危険防止や対策では済まされないものがあります。交通事故と同じで、後遺症も出てまいります。井戸水が出なかったり濁ったり、また逆に田畑に水がわき出ることもあります。つくった排水口が不同沈下することもあります。大切なことは、地域住民の人から過去の実態から疑惑で見られることもあります、許可が現在安易に出されているのではないかと思っております。揖西用水土地改良区の理事長の同意書、工区長や隣地など役職者四、五名の同意書があれば、許可をいたしております。反対に一人でも同意しないとこれは許可が出ませんので、同意するまで対策がそこに向かって立てられます。そこに問題点が潜んでいると思っているものでございます。従来の繰り返す許可方法ではなく、もっと明るみに出した方法を築き上げるべきであります。 また、業者に対しては一つでも条件を守らないと次から許可しないという強い姿勢を打ち出すべきであります。本年七月、また実施された上田地内の砂利採取に当たって、隣地との保安距離、さらに道路との保安距離も守らず、際から堀り、安定勾配も無視するという状況が発生をいたしました。これに対し地元から県に抗議がなされ、県もすぐ担当者が来られ、修正はされましたが既に砂利は取ってしまっていました。県は昭和六十二年七月二十七日、ずさん業者の砂利採取、八割が違反として、岐阜行政監察事務所から文書で改善措置を講ずるよう通知をされております。町道を無許可で掘ってしまった事件もありました。最近緩みが出てきていると思います。規則を守らなかったり許可だけ取って別の業者に掘削をさせたり、昔ながらのままであります。大きい業者が県の許可を取ってそれを丸投げで下請に投げていく、昔のままであります。どうしてそういうことが起きるのか、何があるのかというように考えるものであります。 掘削に当たって、隣地の承諾や揖西用水土地改良区の理事長、区長の同意書を取っても、現実に違反が次から次へと発生をしています。意見書や同意書が形式化し、機能していません。当時、あれだけ厳しい報道や勧告がなされたのにもかかわらず、今またもとのもくあみです。利害に絡むものは恐ろしいものです。規則を簡単に破ってしまいます。現状を厳しくチェックするとともに、工事に当たっては役職者個人の同意を取っても改善されていませんので、これからはまず関係者が集まって協議し、その上で町長が意見書を出すというようにすべきと思います。今のやり方は、あくまでも役職者個人の判断で同意をしていまして、下部討議もいたしておりません。横のつながりもありません。相互牽制も全くなしです。これだけ違反が続くと、新しいルールをつくらないと疑惑が絶えず残ると思っております。日東あられも土地改良も砂利も、みんな共通の疑惑を残しております。心眼、心の目を見開いて、真実を見極め、クリーンな行政が行われるように断然たる態度を関係部局は出していただきたい、このように思います。 以上の諸点をもって、ひとまず質問を終わります。以上です。 ○議長(今井田清君) 商工労働部長 藤田幸也君。   〔商工労働部長 藤田幸也君登壇〕 ◎商工労働部長(藤田幸也君) 砂利採取計画認可に係ります同意書についてお答えをいたします。 砂利採取計画認可に当たって徴収します各団体の長の同意書というのは、一個人の同意ではございませんで、それぞれ組織の長として同意する旨の書面を徴収いたしております。議員から御提案のありました、関係者から市町村長へ答申し、市町村長から同意書を徴収する方法についてでございますが、利害関係者の同意書につきましては、それぞれの権利者から徴収するべきものと考えております。権原のない市町村長からの同意書の徴収というのは困難であるというふうに考えております。なお、市町村長の意見書につきましては、別途砂利採取法第三十六条の規定に基づく意見照会がございまして、これをしております。市町村長の意見は十分反映できるものと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。 ○議長(今井田清君) 農政部長 打田穂積君。   〔農政部長 打田穂積君登壇〕 ◎農政部長(打田穂積君) 揖西用水土地改良区についてお答えします。 第一点は転作奨励金についてであります。転作の奨励金は、対象水田において権原に基づき転作を実施している者に対して交付されるものであります。御質問の件につきましては、当該町がこの要件を満たしていることを確認し、これに基づいて交付したものでございますので御理解を願います。 第二点は、県単土地改良事業についてであります。土地改良施設の他目的使用につきましては、農村の混住化が進む中で、施設の有効利用を図る上から必要なことと考えております。しかし、この整備を補助事業として行う場合には、他目的の度合いに応じた費用負担の振り分けを勘案すべきと思われますので、現在部内に検討委員会を設置し、その基準が平成五年度の事業採択に適用できるよう今作業を進めているところでございます。議員御指摘の県単土地改良事業につきましては、現在、当該土地改良区に対し議員御指摘の件を含めて施設管理のあり方などについて協議し、指導しておりますので、御理解をお願いします。 第三点は、工場進出に伴って町の土地開発公社から受けた建設排水協力金についてであります。圃場整備事業は、農業生産の場と農村生活の場としての基盤を整備しているものであります。本事業で整備された土地改良施設、とりわけ農業用排水路は、専ら土地改良区が管理主体となっておるわけでございます。そうした地域で当該土地開発公社が企業用地として調達した場合は、土地改良施設の便益を受けることになり、一方、土地改良区は施設の維持管理費の増加につながる可能性もあるわけでございます。御指摘の協力金の趣旨もかようなことからではないかと考えております。 第四点は、組合員の資格についてであります。組合員の資格につきましては、土地改良法上、耕作権者であれば組合員とされており、御指摘の役員につきましては、揖西用水土地改良区の定款で定められた区域内にある農用地の耕作権者でありますから、資格の要件が具備されております。 ○議長(今井田清君) 土木部長 山岸俊之君。   〔土木部長 山岸俊之君登壇〕 ◎土木部長(山岸俊之君) 池田町六之井地内の建設省所管公共用財産の使用、収益の許可についてお答えいたします。 本件は、平成三年十月に許可申請がなされたところでございます。許可に当たりましては、岐阜県建設省所管公共用財産の使用及び収益に関する規則第三条に照らして適正であると認められましたので、砂利採取法に基づく採取計画認可とあわせて、平成四年一月十四日付で許可したところであります。なお、公共用財産の収益料につきましては、一立方メートル当たり二百六円を徴収いたしました。さらに、許可に際しましては、規則第十三条によりまして許可期間が満了した場合等において、公共用財産を原状に回復することを条件としているところでありますが、原状回復が不十分であると認められた場合には、必要な指示をすることとなっております。なお、将来において地盤沈下等の不測の損害が発生したときは、砂利採取認可権者並びに水路の機能管理者と調整を図りながら、適切な指示を行っていきたいと思います。 次に、池田町上田地内の砂利採取についてお答えします。 議員御指摘のとおり、当該地区の砂利採取につきましては保安距離を確保せず掘削しているのを確認しましたので、行政指導により改善させたところでございます。今後とも砂利採取が適正に行われるよう、引き続き厳重な指導、監視に努めてまいります。 ○議長(今井田清君) 一番 小川昭夫君。    〔一番 小川昭夫君登壇〕 ◆一番(小川昭夫君) 土木部長の答弁は了承をいたします。 商工労働部長の答弁でありますけれども、普通の状態であれば当然それでいいわけであります。しかし、そのことが曲げられて、あるときは地域から疑惑を持って見られる、またあるときは業者が違反をする、こんなことが続いておるわけであります。したがって、今までと同じことでよろしいという結論、答弁でしたけれども、そのような事実にかんがみて新しい方法を、私が申し上げましたのは一つの提案であります。十分検討をしていただきたい、かように思うところでございます。 次に、農政部長の答弁でありますけれども、すべて私と見解の相違ということであります。これはやっぱりいずれ続編で申し上げることになろうというふうに思います。きょうはこの時間帯でありますし、またキャッチボールにもなるというふうに思いますので、以上で私の質問を終わります。         ……………………………………………………… ○議長(今井田清君) 以上をもって本日の日程はすべて終了いたしました。 明日は午前十時までに御参集願います。 明日の日程は追って配布いたします。 本日はこれをもって散会いたします。 △午後六時十二分散会          ………………………………………………………...